飛行艇
ひこうてい
『こんなの飛行機じゃないわ!羽の付いたカヌーよ!!』
『だったら漕げばいいだろ!!』
概要
胴体が船舶としての機能を持ち、水上を滑走して離着陸(水)を行う飛行機。
主翼下に機体の水平を図るためのフロートが取り付けられる。
機体は通常の航空機と同じで、車輪の代わりに機体に外付けしたフロート(浮き)に頼って水上に浮かび、離着水を行うものは水上機とも呼ばれる。
ある程度の凪いだ水面であれば、どこでも離着水できる。
また水面は『無限の長さを持った滑走路』であるので、積荷が大重量でも発進できることなどが利点である。
単純な移動・輸送手段としては比較的優秀だが、飛行機と船と両方の維持管理が必要なのが難点である。
例:フロートにはカキ防止加工、エンジンには海水塩に耐えるための処理が必要など
日本は大戦期の二式大艇・戦後はPS-1・US-2など、優秀な飛行艇を生み出したことでも知られている。
大戦中にも大小多くの飛行艇を運用し、成果を生んだ。
しかし、それは飛行場の整備をすすめる事ができない土木技術の低さの裏返しでもあった。
だが、現代日本が世界一の土建国家となった現在でも、飛行艇の開発は続いている。
それなりにメリットがあるからなのか、それともやはり漢のロマンがそこにあるからだろうか……
それなりのメリット
ご存知の通り日本は島国であるが、単に島国であると言うだけではなくやたら離島が多い。
中にはまともな滑走路や港が整備できないところも在り、日本で水上機や飛行艇が発達したのもこう言った背景が大きい。つまり必要が生んだ結果と言える。
現在はヘリコプターの発達で需要は低くなったが、全くゼロではない。なぜなら、ヘリコプターでは速度が出ないからである(軍用ですら、第二次大戦のレシプロ機に勝てない。まあ当たり前だが…)。また、航続力の面でも不利が多い。
そんな訳で、緊急時(急患の搬送など)などに、「そこそこ速くて、遠くに行ける滑走路のいらない飛行機」が必要になるわけで、その答えが飛行艇なのである。