十五少年漂流記
じゅうごしょうねんひょうりゅうき
ストーリー
新潮文庫、波多野完治訳の背表紙より
14歳のゴードンを頭に15人の少年たちだけを乗せたスクーナー船が、ふとしたことから荒海に出てしまった。大嵐にもまれたすえ、船は、とある岸辺に座礁。島か大陸の一部かもわからないこの土地で、彼らは生きるためにさまざまな工夫を重ね、持前の知恵と勇気と好奇心とを使って冒険に満ちた生活を始める……。
登場人物
①ブリアン(フランス人、13歳)
ジャックの兄。2年前に、ニュージーランド北島の中央にある沼沢地の、排水工事の指導の為に招かれた父と、ジャックとともに渡ってきた。
あまり勉強には精を出さないが、心の豊かな少年。クラスで一位を占めるより、ビリでいる方が気楽でいいと思っている。それでも、すばらしい記憶力と持ち前の明るさで、たちまちクラスの人気者になった。スポーツが好きで上手であり、明朗で素直。そして身なりは一向に構わないというまったくのフランス少年。幼い生徒たちも彼を頼りにしている。日頃からの信頼のおかげで、皆を指図することができた。
②ジャック(フランス人、10歳)
ブリアンの弟。学校一のいたずらっ子だったが、スルギ号の遭難の後は、沈みがちで無口な少年になってしまった。この裏にはある大きな秘密がある。歌とスケートがうまい。
③ゴードン(アメリカ人、14歳)
15人の中では最年長で、唯一のアメリカ人。常識に富み、慎重に物事に当たる。ブリアンとドノバンの仲裁を行うこともしばしば。ペットに猟犬のフゥンがいる。
生まれたのはアメリカのボストン。幼いころに両親を亡くし、オークランドの郊外に住むある紳士に育てられた。チェアマン島初代大統領。
④ドノバン(イギリス人、13歳)(訳によってはドニファンとも)
大地主の息子。クロッスの従兄弟。勉強家で優等生。きちんとした身なりで、つんとすましているので、「お殿様(ドニファン卿)」とあだ名をつけられている。実はいい成績をとるのはクラスの者に威張りたい気持ちから。人気のあるブリアンを妬み嫌っているが、根は優しい。射撃の名手で、集団で狩りに行くときはよく隊長になる。
⑤クロッス(イギリス人、13歳)(訳によってはクロスとも)
大地主の息子。ドノバンの従兄弟。取り立てて言う所のない平凡な少年。ドノバンに心から敬服している。なので、ドノバンの言うことにはいつも賛成する。
⑥バクスター(イギリス人、13歳)
商人の息子。おとなしく、手先が器用。特に大工仕事が上手い。書記に任命され、島での日記をつける。その日記を元にこの本が出来たという設定。
⑦ウェッブ(イギリス人、13歳)(訳によってはウェップ、12歳とも)
父親は裁判所に勤めている。我の強い性格だが、ドノバンを尊敬している。
⑧ウィルコックス(イギリス人、13歳)(訳によっては12歳とも)
父親は裁判所に勤めている。島での狩猟のための弾薬の節約のために投げ縄などの罠を考案し、大いに重宝された。ドノバンを尊敬している。
⑨ガーネット(イギリス人、12歳)
父は退役海軍士官。サービスと仲がいい。アコーディオンが大好きで、島にもしっかり持ってきている。
⑩サービス(イギリス人、12歳)
いつも冒険を夢見ている明朗型。冒険小説ばかり読み、愛読書は『ロビンソン・クルーソー』や『スイスのロビンソン』。家畜の飼育や料理を担当。料理は、モーコーの助手を務めるうちに上達した。
⑪ジェンキンス(イギリス人、9歳)(訳によってはジェンキンズとも)
ニュージーランド王立科学協会の会長の息子。一番の優等生。
⑫アイバースン(イギリス人、9歳)(訳によってはアイバーンとも)
牧師の息子。優等生。
⑬コスター(イギリス人、9歳)(訳によっては8歳)
海軍士官の息子。なお、訳によっては陸軍将校の息子とされる。食いしん坊。
⑭ドール(イギリス人、8歳)(訳によっては9歳)
海軍士官の息子。なお、訳によっては陸軍将校の息子とされる。訳によって、コスターと最年少の座を競い合うw。意地っ張り。
⑮モーコー(黒人、12歳)(訳によってはモコ)
見習い水夫として乗り込んでいた、唯一のスルギ号の乗組員。黒人であるため、島の大統領選挙権はないが、被選挙権はある模様。料理やボートの操縦などをこなす。ジャックの秘密を兄へ告白した時に知った唯一の漂流仲間。
フゥン(犬)(訳によってはファンとも)
ゴードンの連れてきた猟犬。狩りで活躍するが、節々で重要な役割をこなす。