春荷
はるかふ
文豪とアルケミストに登場する、佐藤春夫×永井荷風のカップリング。
ゲームにおいて
史実では永井と佐藤は師弟関係にあり、それを踏まえた回想が存在する。
以下ネタバレ注意
いの段「田園の憂鬱」でボスマスクリア後に回想が発生する。
内容は『佐藤の愚痴が書かれた永井の日記について佐藤本人が言及する』という全体的に不穏なものとなっているが、最後に永井が(今更謝っても仕方ないことだろう)と心の中で思っている。佐藤との関係回復を望んでいるようにも見えなくもない。
今後の展開に期待である。
史実において
佐藤春夫は少年時代に読んだ永井荷風の著作「あめりか物語」により荷風に心服し、当時米仏帰りの人気作家として荷風が教授に抜擢された慶應義塾大学文科へ入学。
荷風主催の「三田文学」に参加、荷風が三田を退いて以降も度々交流し、その崇拝を荷風が死去するまで貫き通した。
ところがどっこい荷風の日記にはある時期以降佐藤春夫への不平や皮肉が綴られており、佐藤の長年の崇拝は粉砕され、荷風のことを「妖人」とまで評するようになる。
一方荷風はというと、一時期は己の城たる偏奇館へと招き入れ、談笑するなどマイナスな感情は抱いていなかったが、佐藤のその後の文芸活動などに対し不快感を抱くようになる。
後年、仲のいい記者のインタビューで三田の生徒たちへの話に移行した際も、
「佐藤春夫さんは?」
「あの人は予科で本科じゃないです」
とばっさり切り捨てている。
(加筆修正にご協力ください)