概要
育成ルールが変化した「てんしっちのたまごっち」と異なり、本作の大まかな育成ルールは初代たまごっちと共通している。大きな新要素は育成するたまごっちに性別ができたことである。「オスっち」の本体ではオスのたまごっちを、「メスっち」の本体ではメスのたまごっちを育成し、本体上部の端子をくっつける(デジモンの通信対戦をイメージすればよい)ことでブリードを行うことができる。
また、たまごっちには「たまごっちらしさを測る基準」だという「TMP(たまごっちパワー)」がパラメータとして新たに設けられ、ブリードして世代を重ねていくとTMPが変化するようになった。
これらの新要素により従来8つだった育成コマンドのアイコンは末尾に「TMP」「ブリード」が追加され10になっている。
本体カラーはオスっちが「ブルー」「白×グリーン」「スモーク」、メスっちが「ピンク」「白×オレンジ」「クリア」の3色ずつだったが、のちにオスっちの「白ハート」「クリアグリーン」、メスっちの「黄ハート」「クリアオレンジ」がラインナップに追加された。また、たまごっち一周年を記念した限定バージョンが15000人に懸賞品として配布されている。
本作はGBにもアレンジ移植されている。基本的なシステムは同じだが、ブリードの可否を決める要素としてTMPとは別に「レベル」が設定され、あまりにかけ離れているとブリードが成功しなくなった。またGB版は時計機能とアラーム機能を搭載し、携帯型たまごっちと同じようにリアルタイム育成を行うことが可能。そのためカートリッジが他のソフトより縦に長い。
オスっち・メスっちのおはなし
ハーイ!私ミカチュー!ねーねー知ってる? 「たまごっちオスっち・メスっち」のこと・・・?!
地球で生まれて地球にしか生息していない、性別のある新種のたまごっちなんだよ。 たまごっちっていえば正体・性別不明のなぞの生物だったんだけど、これっていったいどーゆーこと!?
どうやら地球上の多くのラヴ×2 カップルの手に渡ったたまごっち同士が、そのラヴパワー を受けて恋に目覚めちゃったらしいの!!(オドロキ)
おまけにオスっちとメスっちがみごとカップルになると、赤ちゃんまで生まれちゃうっていうから、もう、これはハカセもオドロキの新発見!!ってわけ。日本中、イヤ!世界中にたまごっちオスっち・メスっちカップルが 急上昇とのウワサアリ!!
P.S. 私もステキなダーリンがほしいヨ・・・
by ミカチュー
ブリード
アダルトっちになって1日経過するとブリードを行うことができるようになる。ブリードモードに入るとたまごっちがソワソワし始め、本体をつなぐと画面外(液晶画面の背景に描かれたドアの方向)にたまごっちが出ていく。
戻ってきて双方がOKサインを出したら、Bボタンを押せば画面が暗くなりブリードが始まる。ブリードが終了すると再び不画面外にたまごっちが出ていき、メスっちの画面に双子のベビーっちが登場する。オスっちのほうにベビーっちが一匹移るとブリード終了。
それぞれの本体に子孫を残す都合上、オスとメス1匹ずつの双子が生まれ、オスはオスっち、メスはメスっちの本体で育成することになる。GB版ではしつけの数値が2以下だとオスっち、3以上だとメスっちに成長する。
ブリード後はそれぞれの本体で親子一緒に生活する。子供の世話は親がやってくれるので基本的にやることは通常時と変わらないが、呼び出し回数が少し多くなる。3日ほど生活すると親は夜のうちにたまごっち星に帰り、それ以降はプレイヤーが子供を育成することになる。
GB版では通信ケーブルを使って2つのソフト間でブリードが行えるほか、1ソフト内でも既に育てたことのあるキャラを選んでブリードを行うことが可能。
オスっち・メスっちと呼ばれているキャラクター
TMPの数値によって進化の様子が変化し、隠れキャラも含めれば一つの本体で30種類以上のキャラを育成することが可能。TMPは育成をサボると成長時に下がることもある。ちなみにGB版では携帯版でいうベビーっち第二期が「こどもっち」、こどもっちは「ヤングっち」という分類になっている。
TMP1
TMP2
TMP3
TMP4
隠れキャラ
恋愛事からは離れてしまい、ブリードすることができない。おじっち、おトキっちのごはんはキノコ、おかしは酒。ステボっち、ツケボっちのごはんはケーキ、おかしは酒。
- おじっち オスの隠れアダルトっち(シルバーっち)。未婚のまま13歳まで育成するとちょまめっちから進化。人生の大先輩として皆の恋を陰から応援する。行商人役などとして、第二期以降のゲームやアニメにもよく登場している。
- おトキっち メスの隠れアダルトっち(シルバーっち)。未婚のまま13歳まで育成するとちょヒメっちから進化。たまごっちの恋模様を応援したり覗いたりしている。お見合いを持ちかける役などとして、第二期以降のゲームやアニメにもよく登場している。
- ステボっち こどもっち時代に世話をサボると進化するオスのアダルトっち。まるでメスっちのようなハート型の髪、ぽってりした唇を持つ。”ナニか”を捨てちゃったのだろうか・・・。地味に第一期末期の商品「あるこっち」にも登場する。
- ツケっち こどもっち時代に世話をサボると進化するメスのアダルトっち。おしゃれに興味を無くし、その顔には肌荒れが目立つ。”ナニか”を付けちゃったのだろうか・・・。
- デブっち 体重を99gまで太らせると進化。暴飲暴食で頭の中が食べ物でいっぱいになってしまっている。携帯版では身体が液晶画面いっぱいに広がったように表示される。89gまで絞ると元に戻る。
- ステボっちGB GB版のみに登場するオスのアダルトっち。オカッパのような髪型をしている。噂では女装が趣味で、ヒゲが濃いのと肌荒れに悩んでいるとのこと。ステボっちに似ているが別人(ステボっちもGB版には登場する)。
裏話
ステボっち、ツケボっちは「オス、メスがあるなら当然その中間もいるよね」ということで作られた。また、おじっち、おトキっちは「TMPレベル4のアダルトっちができたら、普通は嬉しくてブリードしてしまうだろう」という発想で逆に「年を取って旬を逃したキャラクター」として作られた。
オスっち・メスっちは97年8月に一度テスト販売されたのだが、一般販売版とは一部仕様が異なる。例えば「TMP」が「けなみ」になっていたり、パッケージの垂れ幕が「祝 ブリード成功!!」ではなく「祝 しそん繁栄!!」だったりする。また、しつけコマンドでトンカチで叩くようなアニメーションがあったのだが、製品版では削除された。ブリードの演出も少し異なり、おじっち、おトキっちが布団を敷いてたまごっちが布団に入るという直球の演出があった。これもブリード時にたまごっちがOKサインを出すように差し替えられた。
ちなみにテスト販売が行われた頃から、公式イラストにラブホテルらしき建物が描かれるようになった。
公式サイトの開発裏話では、「オスっちメスっちは、社会的問題背景に検討することが多い商品でした。」「性別とか、年とか、性とかを商品に取り入れるのはとっても難しいことなんだとわかりました。」「できることなら最初の仕様での商品をもう一度出したいですね。」とスタッフから語られている。