ネロ(デビルメイクライ)
ねろ
同シリーズのネロ・アンジェロについてはこちら→ネロ・アンジェロ
cv:ジョニー・ヨング・ボッシュ/石川界人(SE日本語吹き替え)
概要
とある大陸沿岸部にある、城塞都市フォルトゥナに存在する「魔剣教団」と呼ばれる信仰組織の教団騎士に所属する若者。小説版によれば年齢はおよそ16,7歳。
赤ん坊の頃に黒い布に包まれて捨てられていた所を拾われ『ネロ(黒)』と名付けられた。
機動剣レッドクイーンと改造リボルバー銃ブルーローズを操って戦う。
武器の扱いは荒っぽいところがあり、剣技も粗削りで身体全体を使って力をいなしている。性能を極限まで引き出すためにかなりの負担を掛けるが、その分威力は本物。
剣撃や銃撃は基本的に左手で行うが、小説版において腕が変質する以前の時期にブルーローズを加工中に右手で工具を扱っていた描写があるため両利きの可能性がある。
教団騎士に所属するが信仰にあまり熱心とは言えず、協調性に欠け、単独行動を好んでいる。
性格は厭世的で皮肉屋であり、また非常に口が悪い(ボスとの戦闘前の会話はだいたい罵倒であり、余裕をもって挑発するダンテとは対照的)。しかし心根は善人であり、悪魔を憎み、人を愛する心を持つ。
組織としては扱い辛い性格が災いし教団内では汚れ仕事(悪魔化した同僚の始末)を命じられることが多い。しかし戦闘センスは飛びぬけて高く、多くの者に一目置かれている存在である。
本作のヒロインであるキリエとは恋人のような姉弟のような微妙な関係。幼少から家族のように接してきたため彼の行動要因に大きく影響している。
彼女とその兄のクレド兄妹の両親は信仰に篤い信者だったが悪魔に殺されてしまい、その一件から神の存在を信じなくなり、キリエら大切なものを守れる確かな「力」を欲するようになった。
一部の台詞や閻魔刀関連で仄めかされていたが、『4』の小説でバージルの息子説がかなり濃厚になった。そしてデビルメイクライ3・1・4・2グラフィックアーツにてバージルの息子だと確定した。そのため紛れもないスパーダの血族であり、ダンテとは事実上叔父と甥の関係である。ただし本人は父のことはおろかダンテが叔父であることすら知らない。
ダンテは彼にバージルに近い何かを感じたようだ。『4』の小説ではネロがスパーダ一族で間違いないと考えていた。
2度目のダンテとの戦闘の後、兄の形見である閻魔刀の所持を一時的に許され、最終的にダンテから譲り受けた。
『4』小説ではでは魔剣教団事件後、復興が進むフォルトゥナでダンテから送られた「Devil May Cry」のネオンサインを掲げ、便利屋を開いたことになっている。
『5』にもこの設定は継承されており、キリエの運営する孤児院を家として、ニコと共に大型トレイラーで遠くでも駆けつける移動式便利屋として活動している。
また外見が前作からガラリと変わり、短髪で青が基調の服装となったため、どことなく父バージルに近い風貌となった。
粗っぽいのは相変わらずで口も悪いが、年月を経て成長したことで余裕のある態度を見せることも多くなった。だがまだまだ若さゆえの熱さも秘めている。
『5』ではバージルの息子という設定が本編に深く絡んでくる。Vはネロが魔剣スパーダの力を扱える(=スパーダ一族である)と確信したうえで行動していた。また終盤でダンテの口からはっきりと「(バージルが)お前の親父だ!」と言われた。ダンテは『4』でネロが閻魔刀の力に呼応した際に、ネロがバージルの息子だと確信したようだ。
活躍
4
教団の重要な祭事である「魔剣祭」の当日、フォルトゥナの民衆に説法をしていた教皇「サンクトゥス」が、突如現れた赤いコートの男に殺害されてしまう。
男の襲撃から間も無く、ネロは騎士団長でありキリエの兄であるクレドから教皇を殺害した赤いコートの男の追跡を命じられる。
だが、命令を受けた矢先、フォルトゥナ各地で悪魔の群れが出没。街は地獄と化す。
ネロは行く手を阻む悪魔達を蹴散らしながら、男の痕跡を辿ってゆく内に教団の真の目的に近づいてゆく。
フォルトゥナ城地下の研究室で胸を貫かれ生命の危機に陥るも、彼の魂に共鳴してその場にあった折れた閻魔刀が修復、デビルブリンガーに吸収されたことで魔人化に目覚め危機を脱する。
教団の邪な計画の一端を知ったネロは何が起こっているのかを確かめるため教団本部へ急行、悪魔の力を得たクレド、アグナス、サンクトゥスを突破していくもののキリエを人質に取られたために手出しができなくなり、計画の要である巨大な人造悪魔「神」に囚われてしまう。
暫くの後、ダンテの働きかけと閻魔刀によって「神」の体内で目覚めたネロは、魔剣スパーダを手にしたサンクトゥスと激突し撃破。そして自らの右腕で「神」を完全に破壊し終止符を打った。
5
4から数年後、恋人キリエの運営する孤児院を拠点として、移動式便利屋「Devil May Cry」として活動していた。ある日、何者かに襲撃されてデビルブリンガーと閻魔刀を奪われてしまう。
その後、謎の男Vから閻魔刀を奪ったのは魔王ユリゼンと呼ばれる悪魔で、ダンテとその仲間達はユリゼンを倒すつもりだと知らされる。復讐のため、Vと共にユリゼンのいる地方都市レッドグレイブ市に飛び込んだ。
しかしユリゼンはあのダンテ達が手こずるほど強く、ネロは彼らを置いて撤退せざるを得なかっった。
1か月後、アグナスの娘ニコが開発した悪魔の右腕に変わる新たな力、対悪魔用義手兵装(デビルブレイカー)を装備し、魔界の大樹クリフォトが生えたレッドグレイブ市に戻ってくる。
Vと再会し、彼と二手に分かれて街で暴れる巨大悪魔を倒していく。行方不明だったダンテの仲間であるレディ、トリッシュもその中で助け出す。
一通り片付け終わるとVとの合流を待たずに単身魔王ユリゼンのもとへ。しかしユリゼンはあまりにも強く歯が立たない。追い込まれるが、そこへ行方不明だったダンテが現れネロを救う。ユリゼンはダンテの力に驚きつつも、余裕の態度でその場を去る。
ユリゼンはクリフォトの最下層へと向かった。ダンテはユリゼンと決着をつけるつもりでいる。ネロは自分も加勢すると主張。遅れて現れたVも同行を志願。ダンテは別行動を条件に二人の参加を認める。
ネロは誰よりも先にユリゼンのもとへ行くつもりでいたが、道中で疲弊しきったVと会う。戦えない状態のVを見て帰るよう勧めるが、Vは自身をユリゼンのもとへ連れて行ってくれとネロに頼む。ネロは渋々Vを引っ張って先に進む。Vはネロに魔王ユリゼンの正体はダンテの兄だと教える。
ネロはVと共に最下層にたどり着くが、ユリゼンは先に到着していたダンテに倒されていた。
瀕死のユリゼンを前にVはトドメは自分が刺すと主張する。ネロとダンテは彼の行動を見守る。
Vはユリゼンの胸を一突きする。すると激しい光と共にVでもユリゼンでもない男が現れた。
ユリゼンの正体は閻魔刀によって自分の人間としての心を切り離したバージルだった。Vはこの切り離された心だった。Vの目的はユリゼンを倒すことではなく、自分の半身であるユリゼンを取り込むことだったのだ。
バージルとして復活したVは、向かってくるダンテを軽くいなすとネロに一言礼を言って去っていく。
バージルを追うつもりのダンテに、状況が飲み込めないネロは自分も行くと言い張る。しかしダンテは相手にしない。力不足を理由に拒否されたと思い込んだネロは激しくダンテに突っかかるが、ダンテはバージルはネロの父親だと告げる。唖然とするネロを置いてダンテは一人バージルを追う。
ネロは別行動を取っていたレディ、トリッシュ、ニコと合流、ダンテの仲間である二人にバージルの件を問い詰める。二人はダンテの主張を認める。苛立つネロをトリッシュとレディは落ち着かせようとするが、ネロは一人ダンテとバージルのもとへ飛び出していく。
二人を追った先で公衆電話を見つけ、キリエに連絡を取る。彼女に胸の内を打ち明け、励ましを受けると落ち着きを取り戻す。
そして誰も死なせまいと、閻魔刀無しで悪魔の力を覚醒させ失った右腕を再生させる。そして殺しあっていたダンテとバージルの間に割って入る。魔人の力で二人の戦いを中断させると、バージルに魔界化した街を元に戻すよう要求する。
バージルは魔界側からでなければこの現象は封じられないと告げる。ダンテは自分とバージルで魔界に行くことを提案、バージルも承諾する。
ネロも当然ついて行こうとするが、二人の鉄拳に阻まれる。ダンテは人間界のことをネロに託すと、バージルと共に魔界に飛び込む。
ネロはニコと共にキリエのもとへ帰還する。道中、クリフォトが崩れ落ちるのを見てダンテ達が上手くやったのだと確信する。
武器
レッドクイーン
魔剣教団技術局が開発した背にジェット推進器のついた機動大剣。
柄の部分がアクセル状になっていて捻ると推進剤が作動、レバーを引いて推進剤を噴射し斬撃を加速・強化させる「イクシード」という機構が搭載されている。
彼の剣はその推進剤の噴射量を極限まで高めており、人並外れた腕力と天性の勘を持つネロだからこそ自在に振り回すことができる。
また無理な強化をした推進剤噴射機構は時折巨大な火炎を噴き、これが銘の由来となっている。
『4』本編の数日前に修理に出されていたらしく、本格的な使用はmission2からである。
(その為、mission1では、ダンテに倒された教団員の剣『カリバーン』を使用している)
ブルーローズ
既存の銃をネロが改造した六連装大口径リボルバー。片手撃ちで一発の威力はやや高いが連射性能はエボニー&アイボリーに比べて低い。
縦に並設されている2本のバレルから、数十分の1秒という誤差で種類の異なる二発の弾丸を発射する。先の一発目で敵の体表を大きく傷つけ、同じ箇所に間髪を入れず着弾した貫通力の高い二発目が敵体内に直接ダメージを与えるという設計思想に基づいており、硬い外装を持つ悪魔に対しても効果的にダメージを与えられる。レッドクイーン同様並の人間では扱うことが出来ない。
近代兵器である「銃」は魔剣教団では卑しいものとされている為、教団内で銃を使用するのはネロだけである。
バレルを無理矢理二つ備えさせてあり、既に原型は留めておらず元となった銃が何であるのかは判別不可能。「有り得ないもの」の代名詞である「青いバラ」の名を持つのは、この銃が「あり得ない」構造のため。
ネロ自らが命名し、銃身のレリーフもネロが彫り上げたものである。
デビルブリンガー
本編の少し前、ネロがキリエを悪魔から守った際に右腕を負傷したことで変質した悪魔の腕。
ネロの数倍はある巨体の上級悪魔でも掴んで投げたり殴り飛ばしたりできる驚異的なパワーを秘め、悪魔に凄まじいダメージを与えられる。他にも遠くへと腕を伸ばして掴んだものを引き寄せる、掴んだままで敵を盾にする、魔力を銃に込めて強化する、など用途は幅広い。
他にもボスを倒したりすることで得られる魔具や肉体の一部を吸収して新たな力を獲得することが出来る。
強度も凄まじく、作中ではダンテ渾身の一突きを防ぎ、クレドの剣撃を弾き飛ばす等防御にも使用している。
この右腕のおかげで総合的な実力はダンテに劣るものの、ダンテをして「パワーだけなら俺より上」と言わせるほどの力を発揮できるようになった。
ネロ自身は初めこの腕を呪っていたが、後に悪魔を倒すためにこの腕になったのだという考えに変わった。
5では何者かに斬り落とされたために失われている。
デビルブレイカー
5で登場する機械仕掛けの義手。失ったデビルブリンガーに変わる新たな力。
ニコが作った対悪魔用義手型兵装であり、悪魔を粉砕するのに十分な力を持ちつつ、複数種の換装によって多彩なアクションが可能。最大8つまで持ち歩ける。
いずれも通常攻撃と潜在能力を解放した大技「BREAK AGE(ブレイクエイジ)」の2つを繰り出せる。共通アクションで相手を引き寄せる「ワイヤースナッチ」が使用可能。
ただし攻撃性能と引き換えにとても脆く、ブレイカーでの攻撃中・ブレイクエイジ発動までのチャージタイム中のダメージ、ブレイクエイジ発動で壊れてしまう。
しかし複数を持ち運びでき、また脆さを逆手にとって爆破破棄し敵を怯ませダメージ状態から即座に脱出する「BREAK AWAY(ブレイクアウェイ)」というアクションもあるので、消耗品と言える。使い所を見極めて派手にぶっ放す戦略性が問われる。
ちなみにネロ操作のミッション内で、進む先に何故かデビルブレイカーが落ちている。
(ニコが先行して置いているらしいが、どうやって進行ルート上に置いているのかは不明)
落ちている義手を入手する際は入手した義手が先頭になり、それまで装備していた義手が繰り下がる(1,2,3とあった場合、入手したものが1番目になり所持していた物は2,3,4となる)。
所持数限界だと現在付けている義手を破棄する必要がある為、使い勝手を考えた上で入手しないといけない。
- OVERTURE(オーバーチュア)
「序曲」の名を与えられたニコのデビルブレイカー第1号作品。
奇作ぞろいのデビルブレイカーの中では比較的オーソドックスな性能を持つ。
電撃発生機能によりダメージを与える。この程度はニコいわく「序曲」に過ぎない。
- GERBERA(ガーベラ)
花弁をイメージして造られた。複合式反射炉により衝撃波を放つ。
その反動を利用して瞬時に移動したり、衝撃波を収束させて大出力光線にすることも可能。
DLCで色違いの空中機動特化型「ガーベラGP01」が存在する。こちらは河森正治カラーの特製。
- RAGTIME(ラグタイム)
特異な能力を持った敵からエレメントを得て造られた。
前方に特殊な力場を造りだし、捉えた対象の時間の流れを歪め、スローにする。
- PUNCHLINE(パンチライン)
魔界生物のレア素材から造られた。推進噴射装置で加速し、破壊力を増した拳で殴る。
放たれた本体はブースターで加速しつつ空を舞う。
撃ち出したブレイカーにネロ自身が乗る事も可能。
- BUSTER ARM(バスターアーム)
失った『悪魔の右腕』の再現にニコが挑んだ一品。
相手を強引に掴み寄せて投げつける、豪快で破天荒な性能。
突出した破壊力とひきかえに、耐久力の低さが難点。
- Helter Skelter(ヘルタースケルター)
「大混乱」の名にふさわしく、掘削能力に特化したデビルブレイカー。
らせん状の金属刃で対象を貫き、刃を展開させて相手を粉砕する。
- Tomboy(トムボーイ)
装備中の剣や銃の基本能力を「じゃじゃ馬」のごとく強化できる。
ただし攻撃時にはロックオンが出来なくなるというデメリットがある。
動力はレッドクイーンと繋がっており、レッドクイーンを強化して両手持ちで扱うようになる。
- Rawhide(ローハイド)
ある魔界金属をベースに仕立てられた一品。リーチの長い金属鞭を振り回す。
装備時にワイヤースナッチが「パワースナッチ」に強化され、一部の引き寄せられない重い敵も引き寄せられるようになる。
- Pasta Breaker(パスタブレイカー)
DLC。「パスタの食べやすさを極めた」デビルブレイカー。
先端がフォーク、外装が調理器具、手首の下にスパイス瓶がついている。不器用なネロの為にニコがあまった素材で作った。
使用イメージ的には効果が短いパンチライン。
実用性はない……と見せかけて、デビルブレイカーの順番を変更できる効果を持つ。
ちなみにワイヤースナッチ後、右腕に戻るとレンジなどで聞こえる「チン」の音が鳴る。
- Sweet Surrender(スイートサレンダー)
DLC。「キリエの疲れを癒すために作った」デビルブレイカー。
身体に優しい素材で作られており、優しい振動で腰痛や肩こりをほぐしてくれる。
猥褻は一切ない、いいね?
(まぁ、「キリエを喜ばせる」という含みがありそうな言い方をしたニコが悪いが)
攻撃能力はなく、唯一体力が回復する効果を持つ。
- Rock Buster(ロックバスター)
DLC。往年の名作「ロックマン」を彷彿とさせる、もといそのまんまなデビルブレイカー。
トレイラーで初お目見えした時は観客の爆笑を誘った。
遠隔射撃に特化しているがロックオンできないため自力で狙いを付ける必要がある。
装備時に一部のモーションがロックマンと同じものに変わる。
デビルトリガー
ネロの右腕が真の力を解放した状態。ネロの背後に青白く光る魔人が出現する(その魔人の姿は、バージルというより、ネロ・アンジェロ寄り)。
魔人がネロが攻撃を行う一瞬の後に閻魔刀による追加攻撃を行い、デビルブリンガーの能力も大幅に上昇する。強力な魔人化時限定技も使用できる。
ダンテと異なり自身が魔人化するわけではないのでスーパーアーマー効果がなく、敵の攻撃を受けると怯むという欠点がある。
ちなみにその姿からよくネタにされることが多い。
関連イラスト
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