概要
ローマ神話に登場する勝利の女神。ヴィクトリアとも表記される。
その名はラテン語で“勝利”を意味するとされ、ギリシャ神話の勝利の女神・ニーケーに相当し、戦争の女神・ベローナと関連付けられる事が多いとされる。
また、元々はザビニ人たちが信仰していた農耕神・ヴィクナを置き換えた女神で、パラティーノに神殿が設けられ、女神・ヴィカ・ポタと同一視される事もあったという。
ニーケーとは違ってローマ社会において重要な位置を占めていたとされ、ニーケーが競技における勝利の女神とされていたのに対し、ヴィクトリアは死に対する勝利を象徴しており、戦勝の勝敗を決定する者とされていたと言われている。
なお、彼女の翼の意匠は後にキリスト教における天使の姿へと繋がったとされている。