概要
データウエストから1989年に発売されたFM-TOWNS用アドベンチャーゲーム。
サイキック・ディテクティヴ・シリーズの第1弾。
正式名称は「INVITATION 影からの招待状」
リメイク版でのタイトルは副題が無くなり「INVITATION」となっている。
あらすじ
主人公・降矢木和哉(ふるやぎかずや)は、 人間の心の中(心象世界)に潜入する特殊能力「サイコダイブ」を備え持つ「サイコアナリスト」であり、サイコダイブによって複雑に交錯する事件の謎を解明する心の探偵である。
しかし、かつての恋人をサイコダイブの際の過失で失った悔恨から、かれはサイコアナリストとしての仕事を止め、今ではごく普通の探偵として、活動していた。
そんなある日、白鳥財閥の顧問弁護士からサイコアナリストとしての依頼が来る。過失の件もあり一旦は渋るが、その過去を盾に脅迫され降矢木はやむなく地方の旧家・白鳥家へと赴く。 そこで降矢木を待っていたのは、 意識不明の美少女・白鳥麻美だった。
対象者のことを詳しく知らないままサイコダイブするのは危険であるため、降矢木は白鳥家に滞在して、情報収集することになるが…。
登場人物
降矢木和哉
特A級のサイコアナリスト。白鳥きくの依頼で白鳥麻美の治療のために白鳥家に赴く。サイコダイブ前に必ずクライアントやその周囲の事情について確実に調べ上げていく慎重派。
森崎梨絵香
降矢木の恋人。降矢木の調査をサポートする、クラブのホステスを思わせる色気たっぷりの熟女。独自に調査をして白鳥家や安井家の内情を探るなど、探偵のようなことをやってのける有能な女性。
白鳥きく
今回の依頼人。白鳥財閥家総帥を務める女性であり、屋台骨が傾きかけている白鳥家の再興に尽力している。またその存在感から陰で『白鳥家の鬼婆』とも言われている。孫娘・白鳥麻美の意識回復を降矢木に依頼するなど、意外に孫思いの面があると思われたが・・・。
朝5時に起床して茶をたてるのが日課。
財前五郎
白鳥家の顧問弁護士。きくの信頼も厚い。降矢木に依頼の連絡を入れたときは、乗り気のしない降矢木に真行寺彩の一件をちらつかせて脅迫的に迫るなど、手段を選ばない狡猾な性格。
宮園誠一郎
白鳥家の執事。スーツを着こなして、そつなく仕事をこなす老人。
白鳥麻美
白鳥きくの孫娘。半年前より昏睡状態になり意識不明。原因はバルコニーからの転落による事故とされているが、どうも不審な点があるらしい。
白鳥弥生
白鳥家の長女。息子の紘輔が麻美転落の事故現場にいたと証言する。
白鳥麻夜
白鳥家の次女。麻美と静香の母。美しいが、線の細い女性。なぜか麻実の治療を止めるように訴えてくる。
白鳥珠代
白鳥家の三女。妖艶な女性。
白鳥義清
白鳥きくの夫だが、現在は隠居している。きくとの仲は冷え切っていて別居状態。「私は生ける屍だからそっとしておいてほしい」と言うなど、無気力な性格。
白鳥静夫
白鳥麻美と静香の父で、麻夜の夫。仕事中心主義のビジネスマン。
白鳥正志朗
白鳥弥生の夫。婿養子で恐妻家。
白鳥紘輔
白鳥弥生と正志朗の長男。内気な少年。
村川秀三
白鳥家に居候しているオタク男。白鳥家の女性たちの下着を盗んで集めている。
松山熊吉
白鳥家の庭師。極端に無口な男。麻美の意識不明の原因は事故ではないと発言する。
石本きよ
松山熊吉の内縁の妻。でっぷり太った女性。話好き。
石田三樹夫
白鳥家の専属医。
五代慶永
三友財閥の人間。白鳥家乗っ取りを企んでいる。
神谷ゆかり
麻美と静香のクラスメイト。降矢木に白鳥静香の存在を教える。ちなみに麻美とは親しかったが、わがままな静香とは仲が良くなかった様子。
白鳥静香
麻美の双子の妹。姉とは瓜二つだが、静香は目元にほくろがある。わがままで自分勝手な性格だが、人一倍姉思い。
安井道綱
安井財閥会長。きくほどではないが、貫禄のある男。安井家は名家で財力もあるが、息子の安井道実は愚鈍で後継者とするには不安があったため、道実と麻美を結婚させることで、白鳥家と結託して安井財閥の強化と共に白鳥家再興に協力することを承諾した。
安井道実
安井道綱の長男。麻美の婚約者。幼稚な性格の肥満児で、きくに従順な麻美が嫌だと訴えるほどのブサイク。
森野さき
麻美と静香の乳母をしていた老女。二人を最後に白鳥家の乳母としての仕事を終えて隠居し静かに暮らしていた。訪ねてきた降矢木に麻美と静香の違い(右の頬にほくろがある)を教え、それが静香の心象世界に囚われた降矢木の助けとなった。
事件の真相
実は、麻実は半年前の事故の時に亡くなっていた。そしてベランダからの落下というのは偽りであり、安井道実の結婚を嫌がっていた麻実が、妹の静香から2人で心中することを持ち掛けられ、それを受け入れ睡眠薬で服毒自殺を図ったものの致死量に至らず意識不明に陥いる。そして、白鳥家乗っ取りを企む五代の差し金である専属医師の石田に薬物注射を打たれた麻実は死亡し、静香は紘輔によって阻まれたことで一命をとりとめた。つまり、意識を失っていたのは妹の静香だったのである。
麻実が死んだことを知ったきくは、予定通りに安井家との縁談を進めるために昏睡状態の静香を姉の麻実と偽り、意識を回復させるよう降矢木に依頼したのである。彼女たちの母親である麻夜が麻実を回復させるのを止めようとしていたのは、麻実がすでに死亡していることを知っており、静香が意識を取り戻せば麻実の代わりとして白鳥の家の為に安井家へ嫁がされてしまうことを知っていたからだった。
全ての真相を知った降矢木は、静香にとっては眠ったままの方が幸せだったのではないかというやるせない疑問と共に白鳥家を後にした。
それからしばらくの後、静香から手紙が届く。
そこには、白鳥家の再興という務めを果たすために麻実として安井家に嫁いだこと、そして自分を目覚めに導いてくれた降矢木への感謝の言葉が記されていた。
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降矢木探偵事務所※個人サイト