定型発達
ていけいはったつ
概要
定型発達(typical development)とは発達障害でない人々(あるいはそのような状態)を意味する用語である。
定義の推移
当初の使用法では、自閉症でないか、または自閉に似た脳を持つ類縁者ですらないような、全ての人々を指していた。つまり自閉的な脳を持たない人々を指していたのである。例えば、自閉的な傾向性を持たないが学習障害である人々は、この用法では「定型」と呼ばれる。
最近では、どんな種類の精神障害の人々も、先天性であれ後天性であれ、しばしば定型のラベルから除外される。(すなわち「非定型」とされる。)
その意味で現在では発達障害、学習障害、気分障害、不安障害、解離性障害、精神病、人格障害、摂食障害といった、多様な精神障害や行動障害がない人間全般を指すことが多い。
しかし定義は状況や人に応じてバラバラになることが多い。主に、発達障害的な傾向から遠い人間を指すことが多い。
解説
よく誤解されているが、発達障害とはそもそも簡単に言えば「能力に凹凸がありピーキーであること」であり、
①全人類が発達障害的な特性を少なからず持ち、
②その上で、特性が所属コミュニティと衝突した際に「障害」とされる。
言い換えれば厳密に「発達障害」と「定型発達」に明確なボーダーラインはない。
国や時代が変われば誰が障害者とされるかは変わるのだ。
あくまで、「その時代その場で求められる能力」に凹凸があるから発達障害とされるのである。
つまり定型発達とは「社会の多くの場面で求められる能力」のバランスが取れている人、という意味合いになるだろう。言い換えれば、「広く浅く、より多くのコミュニティに適応できる人間」ということだ。
そうなると現代日本における定型発達の特徴とは、「権力や権威に逆らわない」「締め切りを守り忘れ物がない」「手先や体が器用」「建前と本音を巧みに使い分ける」「異分子や多様性が苦手」「序列意識が強い」などになるだろうか。実はこれらは模範的な市民や優秀な兵士の特徴である一方でいじめっ子、体育会系、陽キャ、凡人、老害、サイコパスの特徴でもある。