我田引水
がでんいんすい
四字熟語のひとつ。様々な状況や理論を「強引に」自ら(あるいは自分が所属する団体)「のみ」の利益とするため、本来の在り方とは捻じ曲げて用いること。
単に文字面だけなら「自分の田んぼに水を引く(注ぐ)」事。
しかし「自分の田んぼに水を引く」というのは農村であれば、そのための地域毎の取り決めが存在していた。水道が完備される現代の都会であるならばいざ知らず、農村における水(農業用水)とは紛れもなく地域産業の生死を握る要である。
ゆえに昔は(地域によっては今も)水の利用には村落集落内部の各家はもちろん、村落間ひいては地域共同体間・国家単位間で計画的な取り決めが成されていた。
で、そんな中で「自分の田んぼに水を引く」行為とは、つまりは村落間で争い(戦争)が起こらないように皆が頑張って取り決めてきた事を「自分だけがいい思いをする」ために破る行為なのである。
そこで、これが転じて様々な状況や理論を「強引に」自ら「のみ」の利益とするため、本来の在り方とは捻じ曲げて身勝手に用いることを「我田引水」と称するようになった。