最高裁判所裁判官国民審査
さいこうさいばんしょさいばんかんこくみんしんさ
概要
最高裁判所裁判官の国民審査権は日本国憲法第七十九条に定められた国民の権利、審査に関する事項は最高裁判所裁判官国民審査法で定めされている。
衆議院議員総選挙と同時に実施され、小選挙区と比例代表の投票と併せて投票所で審査用紙が発行され審査投票が行われる。
審査対象となる裁判官は最高裁判所の裁判官に任命された後に初めて行われる衆議院議員総選挙を迎えた裁判官、審査の日から10年経過する毎に初めて行われる衆議院議員総選挙の投票日に更に審査を受ける。
最高裁判所裁判官に任命される者はほとんどが60歳以上であり、裁判所法第五十条(定年)最高裁判所の裁判官は、年齢七十年、高等裁判所、地方裁判所又は家庭裁判所の裁判官は、年齢六十五年、簡易裁判所の裁判官は、年齢七十年に達した時に退官する。と定められているので任期中に1回審査を受けるかどうかとなる。
審査の方法
審査を受ける裁判官の氏名が印刷された投票用紙を受け取り、裁判官ごとに辞めさせたい意思があれば氏名の上にある空欄に「×」を記載するか、信任する意思が有れば空欄に何も記載せずに投票。
「×」以外の事項(〇・△・その他)を記載した投票は無効票となる
有効票の内「×」が記載された票が、何も記載されていない票の票数を超えた場合、その裁判官は罷免、投票総数が選挙人名簿登録者数の100分の1に達しないときは、この限りではない。
余談
上述のように衆議院議員総選挙の際に併せて行われるので、投票に行ったことがある人ならば実際に体験したことがあるだろう。もっとも名前が書かれている判事の為人がほぼほぼ分からない、(選挙運動をしている議員候補者と違って)知る機会がないので、誰に✕をつければいいのか分からず、誰にもつけない、あるいは全員に付けて投票した人がほとんどであろう。一応、官報や新聞には過去にどういった判決を出しているかなどが掲載されるが、一般の人は官報などまず見ないし、そもそもこの制度で実際に罷免された裁判官が一人として存在しないので「形骸化している」「意味がない」との批判の声も多い。
関連イラスト
投票用紙の例。