解説
通常は衆議院解散あるいは任期満了に伴い執行される衆議院議員総選挙を指す。
衆議院議員の任期は4年となっているが、衆議院が解散された場合はその時点で全議員が失職し、新たな議員を選出するための選挙を行う。全ての議員を一斉に選出することから総選挙と呼ばれる。
直近では2021年10月31日に第49回衆議院議員総選挙の投票・開票が執行された。
議員選出方法として1996年から小選挙区比例代表制を採用しており、小選挙区制と地域ブロック別の比例代表制に候補者が立候補し、両者の重複立候補も認められている。また、比例代表においては政党等の名「のみ」を記載することになっているのが参議院議員通常選挙(参院選)との違いとなっている。
また、本選挙と同時に最高裁判所裁判官国民審査も実施される。
選挙権は従来満20歳以上であったが、2015年6月に満18歳以上に引き下げられた。
被選挙権は満25歳以上である。
選挙制度
1890年7月1日の第一回選挙から今日に至るまで様々な方式が採用されたが、この項目では普通選挙実現後に限って記述する
現在(第41回選挙~)
- 小選挙区比例代表並立制
1996年10月20日に行われた第41回衆議院総選挙以降に採用されている制度。定数465名。選挙区数289で議員定数289名の小選挙区制、および選挙区数11で議員定数176名の比例代表制を、小選挙区制選挙区と比例代表制選挙区とを必ず等しく重複させる形で同時に併存させている。
二大政党を生み出しやすいが死票が多くなる小選挙区制と、投票を最大限に反映し死票が少ないが小党分立を招きやすい比例代表を組み合わせた制度で、小選挙区に若干重みを置いているものである。
通常小選挙区では最大得票を得た候補のみが当選するが、日本では比例代表との重複立候補を認めているため、同一選挙区から一名以上の当選者が出る可能性がある。これを復活当選、比例復活と呼び、死票を少なくすることで様々な有権者の声を拾うことができる一方、小選挙区で負けているにもかかわらず当選することへの批判や「比例復活」というイメージから当選後もレッテルを貼られることなどの問題点も存在する。
比例代表では基本的に政党側が順位を決めて候補者名簿を確定しておく拘束名簿式比例代表制を採用している。このため、参議院選挙とは異なり比例代表の投票用紙には政党名のみを記入する。基本的に得票率によりドント式で配分され議席数が割り振られたあと、順位に沿って当選者が確定するが、前述した重複立候補者は同一順位とすることが認められているため、その場合は小選挙区での惜敗率により当選の可否が決定される。
重複立候補は任意であるため、政党として認めていない場合(例:公明党、新進党など)がある他、党首が自らをアピールする目的であえて小選挙区のみで立候補する場合がある(森喜朗以外の自民党総裁など)。
ちなみに、日本では候補者名や政党名を自分で投票用紙に書く自書式を採用している。政治改革の際一旦記号式が採用されたものの、選挙を経ぬまま自書式に戻されたという経緯がある。
当たり前だが、小選挙区と比例代表の投票を一致させる義務はない。あくまで個人の自由であり、正反対の政策を取る政党に投票することもできる(逆も然り)。
過去(第16回~第40回選挙)
- 中選挙区制
一つの選挙区から複数人の当選者を出す制度。同士討ちなどの問題から金権政治の温床と言われ1994年の政治改革によって衆議院選挙としては廃止された(参議院選挙や地方議会選挙では現在も採用されている)。
ピクシブ百科事典に記事がある衆議院議員総選挙
1972年の第33回衆院選以降は慣例として投開票日は日曜日となっている。
関連タグ
衆院選(本選挙の略称) 最高裁判所裁判官国民審査