概要
2017年9月28日に衆議院が解散されたことに伴い開催された選挙であり、2017年10月10日に公示、同月22日に投票、同日開票された。
同時に第24回最高裁判所裁判官国民審査が実施された。
主な動静
今回は選挙前にすでに新党立ち上げを視野に入れた各党の離党や再編が活発化しており、直前に民進党が事実上希望の党及び立憲民主党に分裂、自由党も比例区に候補を立てないことを決め、民進党の事実上の消滅のため立候補予定者が無所属で立候補する事例も見られた。
また日本のこころも比例区のみで出馬させる状況となっていた。
さらに小選挙区の区割り変更が行われ、高齢や病気を理由に引退する議員も相次いでおり、さらに政党状況の変化政党間の選挙区調整、公認争いのため無所属での出馬を余儀なくされたり、比例区単独での出馬となったり、出馬自体を取りやめる候補者も相次いだ。
候補者調整に関しては立憲民主党、日本共産党、社会民主党間で行われたほか日本維新の会と希望の党で双方の本拠地である東京と大阪で候補を擁立しない協定が結ばれた。
こうした事情から勢力図の入れ替わりが激しく、専門家でも結果が読みづらい選挙とも言われており第47回衆議院議員総選挙からの「自民党の過半数割れ」から「野党勢力の壊滅」まで予想は分かれた。
結果
選挙の結果与党であった自由民主党が310議席と圧勝するものの、公明党は議席を若干減少させた。なお、日本のこころは議席を獲得できず、政党要件を喪失。新党大地も議席を獲得できなかった。
野党においては以下のとおりである。
改憲容認派の希望の党は民進党合流の際の「改憲反対等の一部議員の排除」により立憲民進党に票が流れたこと、他の野党との違いを示すことができなかったこと、ビジョンが不明だったこと、また初めての国政選挙で経験がないことにより苦戦、公示前よりも議席を落とし、小池劇場は幕切れとなった。また日本維新の会も希望の党などに票を食われる形で議席を減らした。
改憲反対派では立憲民主党が公示前よりも大幅に議席を増やしたものの、選挙協力を行った共産党が票を食われて9議席を失い、社会民主党も関西ブロックで議席を取れなかったうえ比例区の得票率2%を割り込み、革新票の食い合いが発生する結果となっている。なお自由党は現職議員であった玉城デニー議員および小沢一郎議員が無所属で出馬し、当選したため政党要件が存続する見通しである。
果たして誰が勝利したのか
結論から言えば数字上は与党の勝利、報道上は立憲民主党の勝利、そして希望の党の敗北である。
この選挙では大勝した自民党に対し、もともと民進党の勢力が強かった信越・愛知県・三重県・沖縄県・北海道と言った地域では苦戦し、現職が選挙区で落選しており、各党とも手放しの大勝利とはいかない選挙となった。
ところが今回の選挙において衆議院議員の議席数自体が前回より減っているため、前回と結果が同一とすれば前回より議席数を減らしているのが当然のハズだが、自民党に関しては議席数が前回とほぼ変わっていないため、これは実質自民党は議席を増やしたことになる。実際、新たに当選した自民党議員も多いため、圧勝という表現に間違いは無いと言える。
しかし報道上の前評判は「希望の党の躍進」が予想されていたため、立憲民主党の野党第一党という結果に驚きが上がり、立民勝利に近い報道がされた。これに乗っかる形でジェンダー研究系の学者などが「若い世代リベラル説」をしきりに唱えそれが定説になっていったため、立民は次回の衆院選までの間に戦略ミスを重ねることになる。
この選挙を機会に引退した政治家
自民党
民進党
無所属
直前に出馬を取りやめた主な候補者
無所属
そのほか
- この選挙においては台風による悪天候のため開票が一部地域で遅延、正式の結果が発表されたのは翌日以降となった
- 立憲民主党は比例区東海ブロックにて「候補者より多い得票」を得たため、その分は自民党に割り振られた
- 選挙後民進党系の無所属候補は衆議院会派である無所属の会を結成した。
- 18歳選挙権導入後初総選挙だった。
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前回選挙:第47回衆議院議員総選挙
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