三省堂国語辞典
さんせいどうこくごじてん
『三省堂』が出版する国語辞典の一つ。最新版は第八版(2021年)。略称「三国(さんこく)」。
辞書はかがみ。
三省堂国語辞典とは?
「明解国語辞典」から派生した国語辞典。記述主義を標榜していることで有名。
三国はこれを実例主義と呼んでいるが、実例主義の反対は作例主義であり、そういった意味でも三国は記述主義である。
新語・カタカナ語・口頭語に強く、収録する語の入れ換えも類書に比べて多い。類書にない項目や語義も、他の辞書に先駆けて収録することが多い。
中高生から年配など、幅広い層を対象にしているため、語釈は簡潔かつ平明な表現を用いている。基本的に、小学校で習わない漢字には振り仮名が付いている。
第八版ではどうなった?
- 新規項目は約3,500。新たに「ラスボス・リアタイ・陰キャ・身バレ・マリトッツォ・ぴえん」などが載る。「誤爆・忖度・尊い」などいくつかの項目に新しい語義区分も追加された。既存の語についても語義区分や品詞の付与基準などが見直され、さらに用例も増補するなど大幅な加筆がなされた。
- 大多数の語にアクセントや音調が表示されるようになった。
- そのほか、怪しい誤用説・謎マナー・嘘語源に関する記述が加わるのと、用法の発生の年に関する記述も増えるなどの改訂がなされた。事実「すべからく・役不足・姑息」など、「あやまって」「あやまり」などの注記が別の表現に書き換えられたり、俗語〔俗〕と示されるようになったり、誤りの注記そのものがなくなったりした用法も少なくない。
書籍情報〔第八版〕
項目数
84,000語〔第七版より約+3,500語〕
▼本書では、改訂のたびに使われなくなった語は削除することになっている。第七版は82,000項目だったが、今回の改訂で約1,100項目削除。「着メロ・コギャル・携帯メール・スッチー・MD」などが第八版で削除された。「ふえる・さらす・つかう」など統合された項目もある。なお、「スタントマン・プロフ」など項目自体が削除されても、別項目の語釈中に残ったケースもある。
編者
見坊豪紀・市川孝・飛田良文・山崎誠・飯間浩明・塩田雄大
発行日
2022年1月30日発行
- 1960年12月10日 初版発行
- 1968年01月10日 新装版発行
- 1974年01月01日 第2版発行
- 1982年02月01日 第3版発行
- 1992年02月10日 第4版発行
- 2001年03月01日 第5版発行
- 2008年01月10日 第6版発行
- 2014年01月10日 第7版発行
判型・ページ
B6判・A6変型版 1,760ページ
▼第七版も1,760ページだったが、判型が少し大きくなり、1ページの収容量と活字の大きさが上がった。
球団コラボ版もあったよ
第七版をベースに、2018年に阪神タイガース版、2019年に広島東洋カープ版、2020年に福岡ソフトバンクホークス版が発行された。
それぞれケース、ビニール表紙、見返し、扉など、装丁関係はもちろん、本文の用例の一部もその球団の仕様に変わっている。表紙は球団をイメージしたカラーで、表見返しには球場の写真も掲載されている。
- 2018年3月 阪神タイガース仕様発行
- 2019年3月 広島東洋カープ仕様発行
- 2020年3月 福岡ソフトバンクホークス版仕様発行