新明解国語辞典とは?
「明解国語辞典」から派生した国語辞典。語釈や用例に、独特な表現を用いていることで有名。特に語釈は「ユニーク」であると評される。国語辞典においては、日本で一番の売上を誇る。
待遇表現などに関する語の運用欄、文法欄、アクセント、数え方も示されている。ただし、表記については「作る・造る・創る」「暖かい・温かい」「戦う・闘う」など、漢字の使い分けが示されていない語が少なからずあり、それに関しては明解ではないので、他の辞書で賄うことを勧める。
新版を発行するたび語釈、用例などを変更することがある。例えば、【ラジオ】は、第七版までは「最近の-はつまらない」だが、第八版では「-から得られる情報は多い」となった。
「恋愛」は、旧版では「出来るなら合体したい」と語釈で表記することがあった。ちなみに「合体」の項目では、八版では2番目の意味で「〔有性生殖で〕雄性・雌性の生殖細胞が融合して一個の細胞になること。〔「性交」の、婉曲(エンキョク)表現としても用いられる〕」と書いてある。
第八版ではどうなった?
2020年11月発売の第八版では、初版をほうふつとさせる箱のデザインになった。
新規項目も、新型コロナウイルスにまつわる「テレワーク」「クラスター」や「LGBTQ」「草食系」など計1,500語追加された。既存の語も加筆され、「忖度・沼・刺さる」などに新たな補説や用法、「草・聖地・鉄板・ナウ(Twitter用語の「なう」)」などに新たな語義区分が加えられた。「恋愛」などの語釈もこの版で男女の縛りがなくなった。
なお、「爆笑」は「その場に居る人が一斉に」のように大勢前提の語釈になっていたり、「御宅(オタク)」の語釈が「病的に凝って、ひとり楽しんでいる」のようにネガティブな解釈になっていたりと、加筆すべき語釈がそのままになっている項目もある。
書籍情報〔第八版〕
項目数
79,000語〔第七版より+1,500語〕
編者
山田忠雄・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之
発行日
2020年11月20日 第8版発行
- 1972年01月24日 初版発行
- 1974年11月10日 第2版発行
- 1981年02月01日 第3版発行
- 1989年11月10日 第4版発行
- 1997年11月03日 第5版発行
- 2004年11月23日 第6版発行
- 2011年12月01日 第7版発行
ページ・判型
1,792ページ
B6判(赤・白・黒・革装)
A6変型判(小型版)
A5判(机上版)
B5判(大字版)
その他
一太郎2021プラチナでは、電子版として第八版を利用できるようになっている。
関連タグ
同出版社の国語辞典。「三省堂国語辞典」は、明解国語辞典から派生したもう一方の国語辞典。