「読む・書く・話すにひとり一冊」
「日本語を丁寧に使いたい」
岩波国語辞典とは?
標準的で、保守的。語釈は簡潔で、用例は比較的豊富。一時的な流行や、不安定な誤用にとらわれないという。活字が大きく見やすさ抜群。言葉の意味の変遷(年代つきで解説している語もある)や、類義語や関連語も多く掲載してある。敬語や文法的解説が懇切丁寧である。
品詞の表示も、特に副詞については「【にこにこ】〔副(と)・ス自〕」のように、あとに続く格助詞が示してあり、分かりやすくなっている。オノマトペ(擬音語・擬態語)に関しては、微妙な語感の差まで解説が施されている。「さくさく、ざくざく、ざっくり」「ふわふわ、ふわっと、ふわり、ふんわり」など。
100年の日本語を対象とし、項目数は第八版では67,000語と、類書と比べるとやや少なめだが、紛れやすい同音異義語は一括で掲げたり、慣用句などは用例で解説したりしているので、他の小型の国語辞典と比べても、互角といったところであろう。
しかし、たいていの国語辞典には立項されている国民の祝日に関する語や、品詞に関する語が載っていない。
第八版では語義や補説の追加・語釈の用語を改めるなど、全項目の見直しが行われた。項目については、スポーツや介護に関する語が重点的に加わった。
和語にも、「一眠りする」のように「○○する」の形でも用いられる語には追加で「ス自」などの品詞が表示されるようになった(旧版では、例えば「空回り」の用例で「議論が―する」のように「○○する」の形で使えることを示すことはあった)。
Googleの検索結果でも採用
Googleで「○○ 意味」「○○ 定義」「○○ とは」「○○ ってなに」などと検索したら、検索結果で真っ先に国語辞典の語釈が表示されるようになっている。出典は示されていないが、岩波国語辞典の第七版新版が採用され、一部内容を省略して掲載されている。
ただし、リアルタイムで記述が更新されたり、新語が増えたりしないので、その点は注意されたい。
- 書籍版との相違
- 補足的解説や、大部分の用例などが削られている。そのため、大半の慣用句やことわざ、比喩的用法・誤用・文法的解説・別表記、関連語・派生語などの解説が示されなくなっている。
- 「はかる」では、「謀る」「諮る」が、どの用法で当てればよいのかが分からなくなる。
- 語釈については、すべて書籍版のまま掲載。したがって、「右」「左」といった語釈も書籍版のままで記述は変わっていない。「この辞典…側を言う」の解説は、書籍版以外では通用しない。以下その内容。
- ひだり【左】1.相対的な位置の一つ。東を向いた時、北の方、また、この辞典を開いて読む時、奇数ページのある側を言う。「―が利(き)く」(酒飲みだ。さかずきを左手に持ったからか)
- 表記についても、書籍版の見出し表記と同じように入力しないと、この辞典での定義が表示されない。
- 交ぜ書きはNG。「改竄」は「かいざん」「改竄」で検索。「改ざん」はNG。
- 新常用漢字・表外字の新字体はNG。「涜職」「剥がす」は「とくしょく・瀆職」「はがす・剝がす」で検索。「涜職」「剥がす」はNG。
- 「おわる」「かわる」などは「終わる」「変わる/代わる・替わる」などと検索しても、この辞典での定義は表示されない。
- 「終(わ)る」「変(わ)る」など、省略可の括弧が付いている表記は、漢字表記で検索しても表示されない。括弧の中を省いても表示されない。
- 書籍版では漢字表記が示されていても、Googleの検索結果だと、漢字の表記が示されていないことがある。
- 「付く・着く」などがそれに当たる。漢字では検索できるが、検索結果による、その語の漢字表記が表示されなくなる。
- 岩波国語辞典に載っていても、接頭語と接尾語で検索してもヒットしない語がある。「=かん(握りずしを数える語)」「つん=」など。
- 補足的解説や、大部分の用例などが削られている。そのため、大半の慣用句やことわざ、比喩的用法・誤用・文法的解説・別表記、関連語・派生語などの解説が示されなくなっている。
書籍情報〔第八版〕
項目数
67,000語〔第七版新版より2,200語追加,200項目削除〕
編者
西尾実・岩淵悦太郎・水谷静夫・柏野和佳子・星野和子・丸山直子
発行日
2019年11月22日発行
- 1963年4月10日 初版発行
- 1971年2月5日 第2版発行
- 1979年12月4日 第3版発行
- 1986年10月8日 第4版発行
- 1994年11月10日 第5版発行
- 2000年11月17日 第6版発行
- 2009年11月20日 第7版発行
- 2011年11月18日 第7版新版発行
ページ・価格〔税抜き〕
1,808ページ
B6新判 3,200円
※2020年5月31日までは、特価として税抜き3,000円で販売された。
その他
第七版新版は、日本語入力ソフト「ATOK2017 プレミアム」でも搭載された。
外部リンク
関連タグ
広辞苑 同出版社の大型国語辞典。