鴉羽(プリマドール)
からすば
「たとえ壊れたとしても、この体のままでいたいの」
人物
真面目で責任感の強いしっかり者。指導したり、弛んだときに咎めるなど、黒猫亭の年長者的存在。
一人称は「あたし」。
勝ち気だが面倒見はよく、周囲からも親しまれている。
一方で慎重なところもあり、新しいことや想定外の事態は苦手。
黒猫亭では給仕だけではなく、人形たちの勤務時間や仕事内容の管理、納品業者とのやり取りに帳簿の管理など、店の管理を任せられている。
修理の際に論理機関を初期化しているため、遠間ナギの補佐人形になる前の記憶は失っている。
物資が乏しく元の外装を復元しきれず、見た目が大きく変わったため、その髪色から「鴉羽」という名前を新たに付けられた。(鴉羽とは濡れたような黒という意味。)
元々は白羽型という自律人形で、本来の外見は髪が白かったと窺える。次世代省燃料機で胸も脚もガリガリだったが、ナギの手によってスタイルのいい体型に生まれ変わった。そのためか、現在は他の自律人形と比べて燃費が悪いそうで、とびきりピーナッツバターを多めにしたどろり濃厚なピーナッツバターシェイクを好む。また、様々なパーツが使われているため、体重が重い。
劇中ではそこまで酷い外見には見えないが、皇統派が集めた自律人形たちのスクラップの山に紛れていてもナギ以外気づかなかったり、足を負傷した際にヒビ割れたであろう素体が顕になったりなど、それなりにガタは来てそうな描写はある。
またアニメの物語終盤では、杖なしでは歩行が困難になってしまった描写もあった。
ある経緯からナギと今の義体を何より大切にしている。
過去
- 『プリマドール・アンコール』で描かれた過去
元々は歩兵第383連隊所属していた自律人形だった。
機械人形1200体に対して、 自律人形はたったの1人という厳しい戦いをして壊れてしまった。
その後、倉庫でスクラップとして眠っていたところをナギに拾われ修理される。
義体は修理出来たが論理機関が故障しており、機械人形を指揮できないという戦闘人形として致命的な欠陥を抱えていたため、直るまでヘレナ諸島で休暇中のナギの下でメイド人形として過ごすことになる。
戦闘人形として皇国に偉大な勝利をもたらすのが自身の役目だと思っている鴉羽はその穏やかな生活に戸惑うが、ナギやそこで出会ったローサという少女との交流を通して少しずつ変わっていく。
そんなある日、ローベリア軍がヘレナ諸島に攻めてくる。
鴉羽は皇国のためではなく大切な人を守るために戦うことを決意し、ナギの反対を押し切り戦線に復帰する。生まれ変わったらもう一度誰かの役に立つ人形になることを願いながら戦場に身を投じた。
- 『プリマドール New Order』で描かれた過去
戦いで義体を破損し、ナギによって修復される。論理機関も損傷を受けたため、初期化され記憶を無くした状態で目覚める。
ナギが個人的に直したのであって、軍属の人形ではなくなっていた。だが初期化されても皇軍の勝利のために作られた戦闘人形であることは刻まれており、キミはもう戦う必要はないと言うナギに反発するが──。
- アニメで描かれた過去
機械人形が最も生産されていた頃、故障した自律人形は容赦なく使い捨てにされていた。そんな中、戦いで壊れてしまった鴉羽のために、スクラップの山から懸命に使えるパーツを探すナギの優しさに触れ、彼を慕うようになる。
New Orderで一度初期化されていることが明かされているため、時系列的には、アンコールで描かれた過去→New Orderで描かれた過去→アニメで描かれた過去の順だと思われる。しかし、現状辻褄が合わない部分もあるため明言はできない。
New Orderは現在連載中のため、そこで明らかになることが期待される。
終戦後は色んな仕事を経験したそうで、その過程で箒星や月下、店の機械人形たちと出会い、最終的に喫茶黒猫亭を始めることになる。