概要
兵器として作られた少女型のアンドロイド。
正式名称は自律式機械人形(読み方は自律人形と同じくオートマタ)。
高度な論理機関と、人型の義体を備えた人形を指す。
その名の通り、自分の意思で考えて行動することができる。
自律人形には必ず管理・監督を取り仕切るマスターが存在する。マスターとは人形の所有者であり、同時に命令権を有するただ一人の人間でもある。
自律人形はマスターの意に沿い、その命令を実行することが役目とされる。
人形は所有者を「マスター」と呼ぶことが国際人形憲章で定められている(ただしナギは人形達に名前で呼ぶように言っているため、彼をマスターと呼ぶのは真面目な鴉羽ぐらいである)。
戦争が終わった現在は兵器として使用することは禁じられ、灰桜達のように、武器以外の用途で用いられることもある。
戦前は戦後の今より人々に親しまれており、第六区でも機械人形によるステージが開催されていたが、戦時体制強化による華美の禁止などにより行われなくなり、廃棄されている。
戦後、兵器として使われた自律人形への警戒感は根強く、黒猫亭に顧客があまり来ないことにもそれは現れている。
そうした兵器として使用された経緯から、何がしか壊れている部分があったりする。また、兵器として再利用しようと目論む軍人らの一派・皇統派がおり、彼らによるものと見られる謎の暴走事件も相次いでいる。
歴史
帰還歴561年
遠間甲太郎博士が最初の自律人形『桜花』を開発。
帰還歴564年
帝政ローベリア、「桜花」型をベースとした少女型自律人形「シアナス」開発。遠間博士とボールマン博士の共同研究。
帰還歴571年
「桜花」型自律人形の軍事転用を決定。以後両国共に、戦闘用人形の増産体勢に入る。
帰還歴574年
「桜花」型の論理機関を複製し、第二世代自律人形を製造開始。
構造
感情や意思、記憶を司る論理機関と呼ばれるものが胸元に収まっている。
論理機関はとても繊細で工場でゼロから作ることは出来ないため、親機から時間をかけて複製して、そうして新たな人形を産み出す。複製するごとに機能は劣化していく。
論理機関は大きな負担がかかると壊れてしまうこともある。論理機関には修復機能があり、多少の機能障害であれば時間が経てば直るが、無理させすぎると直らなくなる。どうしても直せないときは、初期化することで直ることがある。ただしそれは、全ての記憶が消えてしまうリスクとの引き換えである。
また、初期化でも直せない場合は論理機関を入れ替えるという選択肢もあるが、それはもう本人ではなくなるとのこと。
ランドセルと呼ばれる追加燃料タンクを背負っている。体内燃料だけでは活動時間が限られ、およそ半時間ほどで燃料切れを起こすが、ランドセルを背負うことで約24時間の継続活動が可能になる。
月下のランドセルには飛行機能がついており、高度6000mまで飛行が可能。
ちなみに、アニメではランドセルを外しても人形の背部との接続部分は見当たらないが、実際は配線で繋がっている。
主に油脂を燃料源としており、人形用の燃料油が推奨されているが、生物由来の油で駆動することも可能。その場合、ピーナッツ油、パーム油、ひまわり油の使用が推奨されている。燃料貯蔵ランドセルが取り付けられることで経口摂取が可能となる。飲みすぎると燃焼温度が上がってしまう。
少量であれば人間と同じ食事を摂って、ランドセルの火室で燃焼させ、燃料とすることも出来る。ただし、某国民的ロボットのように核レベルで反応させるわけでないため、食べ物に応じた香り(例.アンパン→カラメルのような香り)のする煙がランドセルから伸びた煙突より排出される。
味覚は人間と同じというわけではないが、味は分かるとのこと。
感情が昂ぶると論理機関が発熱し、温度を下げようと冷却液が体を巡って、その余分が涙や汗となって出てくる。
また、興奮すると排熱が追いつかなくなりランドセルの煙突から蒸気を噴き出してしまう。
外装には人工皮膚が使われている。鴉羽の場合、旧式のものが使われているため定期的に揉みほぐさないと固くなってしまう。灰桜の外装は高級素材が使われているため、ほっぺたはお餅のように柔らかい。
世代と分類
人形は四世代で分けられており、第二世代までは自律人形、第三世代以降は機械人形(メカニカ)と呼ばれる。
第一世代
桜花型
史上初の少女型自律人形。
表向きには桜花はただ一人の第一世代自律人形とされているが、姉妹機である二番機・菊花が最高機密として隠されていた。
型不明
- シアナス(桜花型をベースに作られたローべリア製自律人形)
特殊な型
- 灰桜(重大なネタバレを含むため、詳細は本人の記事を参照)
第二世代
第一世代の論理機関を直接複製してできた自律人形。
白羽型
次世代省燃料機であるため、スレンダーな体型をしている。
- 白羽
- 雪羽
月光型
偵察用人形。義体は軽量化されており、子供のように小さいのが特徴。ランドセルに付いている羽で飛ぶことができる。
- 月下
- 月天(未登場)
- 月虹(未登場)
- 月桂(未登場)
流星型
砲撃戦用人形。支援砲撃機を指揮するのが役目。
論理機関がとても繊細。
- 箒星
- 彗星
型不明
第三世代、第四世代
機械人形。第二世代の論理機関をさらに複製してできた人形。完全な自律行動は出来ないが、簡単な命令は実行することができる。二足歩行人形から無骨な戦闘用人形までその形状は多岐にわたる。
能力
上位の世代は自身と規格の合った下位の世代を操ることが出来る。また、同世代の個体はリンクすることで互いに記憶を共有することが出来る。リンクすると双方の目が赤く光る。
月下やレーツェルのように直接戦闘ができる人形もいるが、戦時中の自律人形の役割は機械人形を指揮することである。
人形によって一度に指揮できる数は異なる。
月下は二〜三体、箒星は支援砲撃機を指揮するのが役目だったため数百機は指揮できる。
レーツェルはローベリア製の人形のため皇軍製の人形と規格が合わない。
また、能力の巧拙もあるようで、戦闘経験の無い雪羽は場数を踏んでいる鴉羽から機械人形の指揮権を奪い返すことができなかった。
その他性能
人間よりほんの少しだけ頑丈。
寒さには強く、凍える寒さの中でも活動できる。
寝なくても活動することができるが、論理機関は長時間稼働させると負荷がかかるため、電源を切って休眠状態にするという形で休ませる必要がある。
また、スリープモード中にそれまでの経験を論理機関に蓄積させて整理している。
椅子の一脚でもあれば十分休むことができるが、黒猫亭の人形たちはナギから個室を与えられている。
車を運転することもできる。月下は足が届かないため乗ることができないが、灰桜には可能らしい(実際にちゃんと運転できるかはさておき)。
人形に人間の年齢は当てはまらないため、飲酒も可能。ただし飲んでも酔わない。可燃室で焼却され、水分は冷却液となる。
だが、ランドセルが正しく装着されていないと冷却液にお酒が混入し、動作不良を起こす。ドラマCDではそのせいで鴉羽が酩酊状態になった。
また、YouTubeの公式channelでは、ワインで泥酔するレーツェルの様子が見られる。
(外部リンク)
人形は水に浮かないため泳ぐことはできない。そのため水は大敵といえる。
入浴は可能だがその際にランドセルは外すため、長時間の入浴はできない。
ランドセルに水が入ることはあまり良くないことで、水が入った場合は念のため点検が必要になる。雨の日はランドセルに油紙を巻くなどして対策を取る。
論理機関に記録されている様々な国の言語を話すことができる。レーツェルが皇国の言葉を話せるのは、論理機関に東邦語が記録されているため。
スペシャルイベントの朗読劇では、猫語が記録された「猫耳型追加装置」を使って猫の言葉を解析する様子が見られた。
自分で自分を破壊することはできない。
関連タグ
ガイノイド:女性型のアンドロイドの為、この部類にも当てはまる。
レプリロイド:こちらも限りなく人間に近い思考能力を持ったロボット(アンドロイド)の一種。純粋な人型だけでなく鳥や魚類や動物などを模した亜人型もおり、ノベライズ版では亜人型は見下される事もあると語られている。また、今作のメカニカに近いだろうメカニロイドと呼ばれる者も登場。更にこれらも時折暴走して事件を起こしているがイレギュラーハンター等の組織によって鎮圧或いは処分されている。