2ポンド砲
にぽんどほう
概要
第二次大戦前にイギリスで巡航戦車 Mk.Iの主砲として開発された口径40mmの戦車砲。
英国の伝統により、口径ではなく砲弾の重量が名前になっている。その後多くの戦車や装甲車の主砲として採用され、主に大戦前半のフランスや北アフリカで運用された。戦車砲型だけでなく対戦車砲型も作られ、歩兵の対戦車大隊で運用された。
詳細
2ポンド戦車砲および対戦車砲は、同時期の他国の37mm砲よりも若干威力が大きかったが、用意されていた砲弾が徹甲弾のみで、装甲目標相手の場合にしか威力を発揮できなかった。このため北アフリカ戦線では、榴弾を持たないために敵の対戦車砲に対して有効な反撃ができず、戦車隊は大きな損害を出してしまった。また当初、AP(徹甲弾)がドイツ戦車の表面硬化処理装甲に命中した場合、弾丸の方が砕けてしまい貫通させることができないなどの問題が発生、この問題を解決すべくAPCBC(低抵抗被帽付徹甲弾)が開発された。また対戦車砲型の2ポンド砲は、車輪を外して姿勢を低くし、360度旋回の可能な凝った砲架を持っていた。
より威力の大きい6ポンド砲に更新されるはずであったが、ドイツ軍に侵攻されたフランスを助けるべく派遣された英軍は、ダンケルクに重装備の全てを放棄して撤退、新型を生産する余裕が無くなったため、そのまま生産と配備が継続された。ヨーロッパでは北アフリカやイタリアの戦いあたりから登場したパンター中戦車やティーガー重戦車の前には全く歯が立たない「ドアノッカー」と化してしまったが、ビルマなど極東で相手となる日本の戦車は装甲が薄く装甲板の品質も劣悪だったため、長期にわたって使用された。
戦車の主砲や対戦車砲が6ポンド砲や75mm砲、さらには17ポンド砲となった後も装甲車の武装として使用は継続された。また大戦後半には1個装甲車小隊中1輌の割合で、貫通力を増すための「リトルジョン・アダプター」を砲口に装着した。これはチェコから亡命したヤナチェク(英訳するとリトルジョン)技師が開発したもので、ドイツのゲルリッヒ砲と同じ原理でタングステン芯を使った40mm砲弾が30mmに減口径(スクイーズド・ボア)され、APSV(超高速徹甲弾)Mk.Iで初速1280m/秒で450m先の90mm/60度装甲を貫通、より重いMk.IIでは同条件で1143m/秒、100mmを超える装甲を撃ち抜いたという。またようやく2ポンド砲用の榴弾も開発され支給されたが、リトルジョン・アダプターを装着した場合には使えなかった。
性能
全長:--m
全幅:--m
重量:814kg
砲身口径:52口径40mm
発射速度:22発/分
連続発射:?発/分
最大射程:約1000m
有効射程:914m
砲弾装薬:装薬式
運用人数:--名