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概要

ラウルの亡き姉・クレアの夫でラウルの義兄。

ラウルがいなくなったクルツ王国で国王派とラウル教に分かれ、激しい戦闘が起きていた際、ラウル教の粘りに痺れを切らした国王派が彼をリーダーへと選ぶ。

普段は温厚そうな優男であり表向きでは自身から全てを奪ったラウルへの怨みを涙ながらに吐露するが、その本性は心優しいクレアの夫とは思えない程に傲岸不遜であり、周りを見下し陰で暴言を吐く下衆である。

暗躍

国王派とラウル教との争いにも全く興味が無く、リーダーに推薦されるも本人はリーダーに就く気など更々なかった。国王派への断りの返答の仕方を自宅で考えていたところ、国家魔導士長のサーバと補佐のリプリーが自らの元を訪れる。

ラウルを討伐する為の強力な魔法を発動させる為に生贄になる事を依頼されると、逆にこの機会を利用して今よりも楽で贅沢な暮らしをする為に国を救う英雄になる事を思いつき、自らが生贄になる事を断る代わりに他の生贄となる人間を集める事への協力を申し出る。

生贄を集める際、「ラウルに殺された者と血の繋がった者だけが協力者になれる」という嘘の条件を作り出し、ラウルによる復讐の被害者の身内達を生贄として集めた。

儀式の生贄となる人間が集まり、いざ儀式が始まると、余りにも残酷な命の差し出し方を目の当たりにして多くの人間達がパニックを起こす。現場が混乱する中、儀式の部屋の片隅で待機していた彼がその姿を見せる。

魔法を発動させて生贄達を落ち着かせ、皆の前で自己紹介する。

「ラウルに殺された者と血の繋がった者だけが協力者になれる」という条件に当てはまらない自分が命を差し出せない悔しさと、愛する者の為に命を差し出せる皆が特別な人間である事を涙ながらに訴えると、混乱していた生贄達も彼に同情し、命を差し出す決意を固める。

ちなみに義兄である彼もラウルの復讐対象であり、ラウル曰く、「何もしなかった者」とのこと。

国家魔導士達がラウルと対峙する様子を陰から傍観していたが、既にラウルにバレていたらしく、国家魔導士達が全滅した後で名指しで呼び出される。

ラウルの前に姿を現すと、先程までびくついていた態度とは打って変わり、ラウルのせいで妻子を殺されたと彼を責め立てるが、ラウルには彼の言葉が全く響かなかった。と言うのも、ラウルは彼が嘘八百を並べて自分の身代わりとして他人の命を差し出した事を知っていたのであった。

それでも往生際悪く自らを正当化する様な尤もらしい言い分を主張する彼に対し、ラウルはクレアが神官達に犯されていた当時の映像を見せて彼の醜い正体を暴き出す。

クレアが神官達に犯されていた時、彼は間女お楽しみの真っ最中であった。その時の会話で、彼の更なる醜い正体が明らかとなる。

義兄の正体

「前職って、結婚詐欺師だっけ?」

彼の正体は結婚詐欺であり、クレアと結婚したのも「勇者ラウルの義兄」というステータスやラウルが勇者として王国から受け取っていた報奨金が目当てであり、クレアの事など本気で愛していなかったのだ。

クレアが教会に呼び出された日、自身の正体がバレる事を恐れ教会を訪れた彼が窓から様子を覗くと、クレアが神官達から強姦されている現場を目撃する。更にラウルが反逆者として捕らえられたという情報も、拷問に屈しないラウルに絶望を与える為にクレアを痛めつける予定であるという情報も盗み聞ぎして得ていた。

しかし彼は彼女を助けることなく(それどころかクレアが犯されている様子を窓から見ながらシコっていた)、寧ろこれ幸いとばかりに間女の元へと向かっていった。ラウルが捕まり、更にラウルが報奨金の殆どを孤児院や救貧院に寄付していて財産が残っていなかった為「勇者ラウルの義兄」という立場に旨味を感じなくなっていた彼は、次のターゲットを見つけるまで雲隠れを決め込んでいた。

つまり彼は全てを知っていた上で彼女とお腹の子を見捨てていたのだ

ラウルに全てを暴かれ、顔面蒼白になる。