イプシロンロケット
いぷしろんろけっと
JAXAとIHIエアロスペースが開発を進めているM-Vの後継となる次期固体ロケットの名称である。
解説
「はやぶさ」等の打ち上げで知られるM-Vロケットの後継として開発が進められている小型衛星打ち上げ用の固体ロケットである。M-Vロケットが性能は世界最高水準と謳われる反面、打ち上げ費用が高額でかつ製造に時間を要した点をうけて、低コストと即応性の高さを主眼に開発が行われている。初号機の打ち上げは2013年度を目標としている。
構成
基本構成は固体ロケット三段で、軌道投入に高精度を要する場合はオプションとして最終段にPBS(Post Boost Stage)と呼ばれる小型の液体推進系を装備する。
一段目に H-IIA, H-IIBのブースターとして使用されているSRB-Aを使用し、上段はM-Vロケットの上段のモーターを改良して使用する。
ロケットの機器の点検を自立化することで打ち上げ前の準備期間の短縮を図り、ネットワーク接続されたノートPCで管制が可能な「モバイル管制」を可能にすることを目標としている。
射場
射場は歴代の固体ロケットを打ち上げてきた内之浦宇宙空間観測所の施設を改修して使用する。M-Vを含む歴代の固体ロケットは海側に向けて斜めに打ち上げられてきたが、イプシロンロケットでは垂直打ち上げとなる。
開発状況
- 2010/07/14 次期固体ロケットの名称をイプシロンロケットに決定
- 2011/01/12 射場を内之浦宇宙空間観測所とすることが決定
- 2011/09/30 上段サブサイズモータの地上燃焼試験を実施
- 2013/04/04 「イプシロンロケットの開発及び打上げ準備状況」が公開される。
- 2013/04/10 イプシロンロケット試験機掲載応援メッセージの公募が開始される。(~2013/5/7まで)
- 2013/04/18 M型ランチャ発射装置の改修工事がほぼ完成し、ダミーロケットによる旋回試験が報道公開される。
- 2013/08/22 13:30~14:30に初号機打ち上げ予定・小型惑星望遠鏡SPRINT-Aを搭載。