概要
設定としての初登場はチャンドラ・ナラーが主役の小説である「The Purifying Fire」が初出。
カードとしての初登場はゼンディカー・ブロックのエルドラージ覚醒(2010年)からである。
屈強な人間男性のプレインズウォーカーであるが、頑なで余り多くを語らない性格。
かつては敬意も道義も知らぬ若者だった。父の顔を知らずに育ち、若くして母とも死に別れる。
荒みきった彼は罪に手を染め、ついには牢に繋がれてしまう。
しかし、ある老いた魔術師が獄中の彼を見出したことが、彼の人生を大きく変える。
魔術師の下で魔術の素養と物事の善悪を学んだ彼は、過去の失敗を乗り越え、正義と名誉の魔道士として成長した。
上記の事柄もあり、過去をあまり語ろうとしないので、プレインズウォーカーとして覚醒した時期や切っ掛けについても不明である。
ストーリーでの活躍
The Purifying Fire
次元レガーサの法治組織、ヘリウド騎士団に仕える工作員、ギデオン・ジュラ。騎士団の命令で、巻物を盗んだチャンドラ・ナラーを追って次元ケファライに向かうところから彼の物語は始まる。
チャンドラを追っている最中、彼女の身に起こった災難から助けた事から、やがて彼女の事を異性として認識し始める。
が、レガーサへと戻った際にチャンドラは騎士団に捕縛される。
そして、チャンドラは浄化の炎に焼かれて処刑されることが決まってしまう。
処刑を知らなかったギデオンは激しい罪悪感を抱き、牢につながれたチャンドラと互いの辛い過去を語り合う。そして、彼女もギデオンのことを意識し始める。
そして処刑日。チャンドラは浄化の炎へ身を投じる。
が、ギデオンとの対話により過去と向き合った彼女は炎に焼かれなかった。
そしてその喜びと怒りをもってチャンドラは騎士団の守る寺院を破壊した。
ギデオンは廃墟となった寺院から彼女を発見するが、その際にチャンドラの家族が騎士団の手により殺されていたことを知ってしまう。
そしてギデオンは自らの信じる道が誰かにとっての、チャンドラにとっての敵となる可能性を知った。
そして、レガーサから去るチャンドラへ「また会おう」とだけ残して彼女のプレインズウォークを見送った。
ゼンディカー・エルドラージ覚醒
その後もチャンドラのことを忘れられず、彼女の力になりたい一心で後を追ってゼンディカーへと向かう。
命がけで辿りついたその次元に彼女の姿はなく、既にこの危険極まりない次元を去った後だった。
すぐにチャンドラを追いたかったギデオンだが、疲れ切った彼は休息できる安全な場所を求めてケフ砦へ向かう。
ギデオンは歓迎され、砦の戦士からこの次元の様々な話を聞く。
が、翌朝。奇怪な姿をした怪物達の大群が砦を襲撃。
彼は中心となって戦い、怪物達を倒して何とか生き延びる。
だが、直後に地平線の彼方から復活した巨大なエルドラージの怪物・エムラクールが出現。
全てを破壊し向かってくる巨大な存在に対し、敵わないと悟ったギデオンは砦の戦士らを避難させ、自らは助けを求めてラヴニカへ向かう。
そこには次元を股にかけるプレインズウォーカー達の組織、「無限連合」があると聞いていたからだ。
ラヴニカへの回帰・ギルド門侵犯
ラヴニカへと渡った彼は、無限連合の情報を得るため行動を開始していた。
その途中、大勢のならず者達に襲われている騎士の一団を発見する。
ギデオンは不利になっている騎士たちを見捨てられず、襲われている騎士たちに助太刀し一団を救う。
ギデオンは騎士達に的確な指示を出し、共に戦いながらならず者たちを追い払う。
彼らに感謝をされたギデオンは、その一団の指導者の下に案内される事となる。
彼らはラヴニカの10大ギルドのうちの一つ、「ボロス軍」の団員であり、同じく10大ギルドの一つの「ラクドス教団」のならず者らの奇襲を受けていたところだったのだ。
ボロス軍の本拠、要塞サンホームに案内されたギデオンはギルドの長である天使、
戦導者オレリアと出会う。
オレリアは奇襲を退けたギデオンの能力を評価し、ボロスの一軍の指揮権を彼に預け、ギルド間の抗争に巻き込まれる無辜の人々を共に救う事を依頼される。
ギデオンは危機に陥っているゼンディカーを知りつつも、目の前の人々を見捨てられず、ボロス軍へ参加はしないものの、オレリアに協力する意向を伝えた。
ギデオンはレガーサの一件から、他者の命令にあまりに容易に従うことの危険性を知っていた。
だが、その武器を振るう覚悟は彼にはできていた。
そして、彼は行動を開始する。より大いなる善のために…
ドラゴンの迷路
ギデオンはボロスの軍勢の刃、タージクと共にボロスの部隊を率い、第9地区にてグルール一族とラクドス教団の軍勢を迎え撃つ。
よく訓練された勇猛果敢なボロスの兵士たちと共に戦うことは、ギデオンにこれまでにない喜びを与えていた。
しかし、プレインズウォーカーである彼の助力を求める人々は他の場所にいた。
彼はオレリアに暇乞いをすると、彼女は寛容にもそれを受け入れ、いつでも歓迎すると伝えた。
ギデオンはオレリアのカリスマ性に気圧されながらも要塞サンホームを去った。
その後、彼はボロス軍と縁を切る。
平和の名の下に犠牲を問わないオレリアに対し、不信と反発を抱いていたのだ。
ギルドを去る際、彼はオレリアに宛てて以下の言葉を残していた。
「平和の名のもとに多くの人々が命を落とすことになる。それがあなたの言う和解というものか?」
― ギデオン・ジュラからオレリアへ
カードとしての性能
現時点では2つのバージョンが存在する。
ギデオン・ジュラー (3)(白)(白)
プレインズウォーカー — ギデオン(Gideon)
[+2]:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーの次のターンの間、そのプレイヤーがコントロールするクリーチャーは可能ならギデオン・ジュラを攻撃する。
[-2]:タップ状態のクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。
[0]:ターン終了時まで、ギデオン・ジュラは6/6の人間(Human)・兵士(Soldier)クリーチャーになる。それはプレインズウォーカーでもある。このターン、彼に与えられるすべてのダメージを軽減する。
初期忠誠度6
エルドラージ覚醒で登場。後に基本セット2012にも再録された。
構築ではコントロール向けの性能。リミテッドでも1枚で勝てる力を持った強力なカード。
除去を打たれない限りは高い忠誠度や能力がプレイヤーや他のプレインズウォーカーを守る盾となってくれる。
正義の勇者ギデオンー (2)(白)(白)
プレインズウォーカー — ギデオン(Gideon)
[+1]:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーのコントロールするクリーチャー1体につき1個の忠誠度カウンターを正義の勇者ギデオンの上に置く
[0]:ターン終了時まで、正義の勇者ギデオンは破壊されない人間・兵士・クリーチャーになる。これのパワーとタフネスは、それぞれ彼の上に置かれた忠誠度カウンターの数に等しい。彼はプレインズウォーカーでもある。このターン、彼に与えられる全てのダメージを軽減する。
[-15]:他のすべてのパーマネントを追放する
初期忠誠度4
ギルド門侵犯で再び登場した彼は対ビートダウン向けの性能。
忠誠度増加能力でカウンターを多く乗せれば、大マイナス能力を警戒して攻撃は彼に向くだろう。
ただし、少数精鋭で攻めてくるミッドレンジタイプのビートダウンには効果が薄い。
相変わらず味方を守る頼もしい存在となってくれるが、忘却の輪などの除去には気をつけたい。