概要
投稿型web小説サイト「小説家になろう」にて、平成25年7月から連載開始。
約2か月で累計ランキングトップ10入りという快挙を成し遂げる。
平成25年11月現在、「無職転生」「異世界迷宮で奴隷ハーレムを」に次ぐ累計ランキング3位。
ファンの間での通称は「謙虚」「謙虚堅実」。
短くまとまった日常話を毎日少しずつ更新するスタイルの恋愛(?)コメディ小説。
主人公・麗華様の没落回避生活が話のメインではあるが、それ以外の細かい日々の出来事や事件の描写も多い。
麗華様を始めとした登場キャラの残念な言動で笑わせつつ、時折巧みな伏線回収を行い、話を予想外の方向に転がしていく手腕に定評がある。
一応作品ジャンルは恋愛となっているが、麗華様がとにかく全くモテないため、今のところジャンル詐欺の疑いを持たれている。おいたわしや、麗華様……。
あらすじ
小学校のお受験を控えたある日、主人公は自分が前世で愛読していた少女漫画「君は僕のdolce」の世界に、登場人物の一人として転生していることに気付く。
彼女の名前は『吉祥院麗華』。大金持ちの吉祥院家の令嬢にして、漫画の主人公『高道若葉』を徹底的にいじめ抜く役割の悪役お嬢様だった。
麗華はその悪行が祟って漫画のラストで見事没落し、身の破滅を迎える。若葉は無事運命の王子様と結ばれハッピーエンド。めでたしめでたし……
となっては困る麗華(の中の人)は、可能であれば没落を回避し、ダメでも一生食いっぱぐれない人生を送る!と決意。存在感をできるだけ消しつつ、極力誰も敵に回さぬよう気をつけ、謙虚、堅実を志しながら生きていくことを誓ったのだった。
登場人物
吉祥院麗華(きっしょういんれいか)
本作品の主人公。通称「麗華様」。
ロココ調の縦ロールを装備し、圧倒的存在感を醸し出す名家・吉祥院家の令嬢。「よくできた西洋人形みたいに綺麗」な、優雅な物腰で王者のオーラを放つ大物。
特権階級集団ピヴォワーヌ所属の超お嬢様として、舞台となる瑞鸞学院では「絶対に逆らってはいけない人」「女帝」「女子のラスボス」など様々な通り名で呼ばれ、一般生徒から畏怖されている。
……だが、その中身はド庶民女子だった前世の記憶と人格を持つ転生者にして、奇行が目立つ天然お人好しぽんこつ娘。
その場の空気を読む力に長け、次々とその身に降りかかる火の粉を、卓越した調整力・政治力をもって払いのけてゆく気配りとフォローの達人である。
手先が不器用で料理は下手。前世から今世まで通してモテないことと太りやすいことが悩み。なぜか様々な動物に襲撃される。
鏑木雅哉(かぶらぎまさや)
「君は僕のdolce」の王子様役。
吉祥院家を上回る格を持つ鏑木グループの後継者。通称「皇帝」。
漫画ではいわゆる「俺様キャラ」だったらしいが、この世界では麗華のぽんこつに毒されたのかいろいろと残念な方向に成長してゆく。
文武両道かつ容姿端麗であり、なんでもできる万能の超人。瑞鸞学院では女子ほぼ全員が彼のファンなので、何人たりとも彼に逆らえない空気が醸成されている。
ピヴォワーヌに所属しているが、本人は権力や付きまとう女子にはまるで興味を示さない。相当な負けず嫌いで思い込みが激しい。
円城秀介(えんじょうしゅうすけ)
鏑木雅哉の親友。
やはり大金持ちの息子であり、容姿端麗かつ頭脳明晰。ピヴォワーヌ所属。
「君は僕のdolce」では笑顔で主人公カップルを応援する癒し系のフォロー役だったが、この世界では何かと腹黒的な言動が目立つ。皇帝同様、表立って権力を振りかざすことはしない。皇帝と並び称される瑞鸞の花形である。
麗華のことは愉快な観察対象として認識している模様。身体の弱い弟がいる。
吉祥院貴輝(きっしょういんたかてる)
麗華の年の離れた兄にして吉祥院家の跡取り。「君は僕のdolce」では未登場。
人当たりの良い好青年だが、中身は策士で腹黒。とはいえ面倒見はよく、物事の筋も通す人物である。庶民を見下す両親とは違い、部下への敬意を忘れない人間として、立派な吉祥院の後継者となるべく勉学に励んでいる。
無邪気に自分に懐いてくる麗華を若干シスコン気味に可愛がっている。妹のぽんこつな本性をいち早く見抜き、天然な妹をときどき手のひらで転がして遊んでいる。
高道若葉(たかみちわかば)
「君は僕のdolce」の主人公。
超大金持ち学校・瑞鸞学院に特待生として入学してきた庶民の女の子。
漫画では鏑木と恋に落ち、それが気に食わない麗華から苛烈な嫌がらせを受けていた。
天才的な頭脳と鋼のハートを持つのんきな少女。実家は町のケーキ屋さん。高等科からの瑞鸞外部生で、瑞鸞独特の校風の枠に収まらない型破りな言動が多い。
水崎有馬(みずさきありま)
「君は僕のdolce」において、鏑木と主人公(若葉)を取り合った正々堂々系ライバル当て馬キャラ。
この世界においても理想に燃える熱血男子だが、政治的配慮がいささか足りないため、何かと空回り気味。
中等科から瑞鸞に入学した外部生で、生徒会に所属する。
蕗丘桜子(ふきおかさくらこ)
瑞鸞学院と並ぶ名家御用達のお嬢様学校・百合宮女子学園に通うお嬢様。「君は僕のdolce」では未登場。
一見すると大人しく清楚な和風美少女だが、本性はひどい毒舌のガミガミ妖怪。
こっそり買い食いをしたい一心で塾に通い始めた麗華を、同塾に通う想い人を狙う泥棒猫と勘違いして敵対、のち和解した。
お互い本性をさらけ出して話ができる麗華の一番の親友となる。
古東璃々奈(ことうりりな)
麗華のひとつ下のいとこ。とてつもなく気が強くて我侭な少女。
麗華の兄・貴輝に懐く一方、麗華にはひどく反抗的な態度を取っていたが……
委員長
本名不明、瑞鸞学院の一般男子生徒。言動の端々から乙女な空気を漂わせるオトメン。
ひょんなきっかけで麗華に恋の相談をしてから、気軽に話せる良き理解者となる。
用語
瑞鸞学院(ずいらんがくいん)
この世界の上流階級子女が数多く通う、小中高一貫の超大金持ち学校。本作の主な舞台。
およそ常識では考えられないほど充実した設備と広大な敷地、豪華絢爛な校舎を誇る。
生徒は初等科から通う良家の子女が中心だが、学院の偏差値維持のため、中等科・高等科では「外部生」として高額な奨学金で外から秀才を招いている。
牡丹の会(ピヴォワーヌ)
十分な血筋・家柄・財力を兼ね備え、かつ初等科から瑞鸞に通う生徒だけが所属することを許される瑞鸞学院中等科・高等科の特権階級集団。
学内に専用のサロンを持ち、学院から様々な特別待遇を受けている。
一般生徒からは憧憬半分畏怖半分の目を向けられており、うかつにメンバーとトラブルを起こそうものなら本人はおろか家族まで社会的に抹殺されかねないため、基本的にアンタッチャブルとして扱われている。
麗華・鏑木・円城たちが所属。初等科には次期ピヴォワーヌメンバーが集う組織「プティ・ピヴォワーヌ」がある。
関連イラスト
公式のイラストは存在しないため、pixivに投稿されているのはそれぞれの投稿者のイメージイラストである。