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クリームヒルト

くりーむひると

英雄叙事詩「ニーベルンゲンの歌」に登場する英雄の妻。及びその名をとったキャラクター。
目次 [非表示]

概要

ドイツの英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』の登場人物。

ジークフリートの妻。


前半はヒロイン的な役回りだが、後半はジークフリートの仇を討つためにフン族の地に王エッツェルと再婚しに行き、ジークフリートを殺したハーゲン達を呼び寄せると彼らに戦いをしかけた。

最後は捕えられた無抵抗のハーゲンを斬り殺したために、この仕打ちにキレたヒルデブラントに斬り殺されて生涯を終えた。


冒頭で彼女が夫の仇討ちのために多くの人間を巻き込んだ争いを展開することを示した後にジークフリートの話が始まるので、ぶっちゃけ物語を通しての主役はクリームヒルトだったりする。

要するにジークフリートの話は、ジークフリートを活躍させ彼がクリームヒルトの愛を得るためにいかに努力したかを語ることで、クリームヒルトの悲しみと復讐心を納得のいくものにするものなのだ。


物語の前半と後半で人格が著しく変わっているが、これはもともと二人の異なる人物をまとめたため起こったのではないか、との説がある。


生涯

ライン河の流域近くに住むブルグント族の姫として生まれ、兄グンターとゲールノート、そして弟ギーゼルヘアや数多くの勇士たちに守られ、母ウーテと共に花よ蝶よと華やかな暮らしをしていた。

母ウーテの夢占いで夫となる人物が聞かされ、当初は「結婚なんてしないでお母さんとずっと一緒にいるわ」と言っていたのだが、ジークフリートと出会うとアッサリ恋に落ちた。まあ運命だからしかたない。


美少女の噂を聞いたジークフリートに求婚されるたが、当人がヘタレ極まりなかったためなかなか2人は結ばれない…もとい顔を合わせることもままならず、代わりにギーゼルヘアが二人の仲を取り持っていた。

それでもジークフリートは王の信頼を得るため、グンターがブリュンヒルトブリュンヒルデ)に武術で勝つのを手助けした。


ジークフリートの手助けを得て、グンターはブリュンヒルトと結婚するが、クリームヒルトとブリュンヒルトは互いの夫の上下関係についてある日口論になった。クリームヒルトは感情的になり、ブリュンヒルトを打ち負かしたのがジークフリートだと公の場で暴露してしまう。


ブリュンヒルトはジークフリートへの報復を誓い、ジークフリートは重臣ハーゲンの手で暗殺される。

クリームヒルトはジークフリートの死後、13年たっても喪服に身を包み、嘆き悲しんで暮らした。

クリームヒルトはジークフリートの遺産であるニーベルンゲンの財宝を得て、これを貴賤を問わず惜しみなく施し人臣の人気を博した。しかしハーゲンは財宝で彼女が兵を雇い復讐を成すのではないかと警戒し、グンター王に讒言してニーベルンゲンの財宝をライン川の底へ隠匿してしまった。

最愛の夫と財産両方を奪われたクリームヒルトは復讐のために、フン族の王エッツェル(アッティラ)と再婚する。数年後、友好を装って兄たちをフン族の館へ招待させると、騙し討ちでブルグントの使節団を襲撃した。報復としてハーゲンが幼い王子を斬り殺し、ブルグントとフン族は完全に決裂した。


またブラコン(弟限定)かつマザコンでもあり、フン族の地に嫁いだ後にはギーゼルヘアとウーテと共に楽しく散歩する夢を見てたりもする。フン族の地で全面戦争になった時にも、ギーゼルヘアの嘆きの言葉でそれまでの殲滅姿勢を和らげ、ハーゲンの身柄を引き果たすことを引き換えに他のブルグント族は解放しようとしたほどである。まあ結局ギーゼルヘア含め、彼らが仲間を裏切ることを良しとしなかったので意味はなかった。


凄惨な殺し合いの末に、グンターとハーゲンは生け捕りになり、別々の牢に投獄される。クリームヒルトはハーゲンに「ニーベルンゲンの宝を渡せば命を助ける」と告げたが、ハーゲンはグンターが生きているのを理由に断ったため、クリームヒルトは兄グンターを斬首した。


ハーゲンはグンターの首を見せつけられても宝の在処を話すのを拒んだので、激昂したクリームヒルトはバルムンクでハーゲンを斬り殺した。直後、無抵抗の者を斬る行為に憤慨した騎士・ヒルデブラントによって、クリームヒルトも殺害されている。


モデル

またジークフリート絡みの伝説の例にもれず、古くから原型が存在するキャラであり、様々な伝説にも彼女の同系列キャラが存在する。

代表的なものは北欧神話の『エッダ』に登場するグズルーン

ちなみにグズルーンの母の名前がグリームヒルドである。ただし、『シズレクのサガ』ではグンナル王の妹(グズルーン)の名前がグリームヒルドになっている。


クリームヒルトとグズルーンには下記のような共通点が存在する。

  • 竜殺しの英雄の妻
  • 兄王の妻と対立する
  • 兄王によって夫を殺される
  • 夫の死後、フン族の王と再婚する
  • フン族との抗争によって兄弟が死亡する
  • 彼女の復讐のため、ブルグント族が滅亡する

ただ両者の人間関係には異なる点がある。

  • 竜殺し英雄との関係

クリームヒルトの場合は、クリームヒルトが母ウーテの夢占いで夫となる人物が聞かされあとで、美少女クリームヒルトの噂を聞いたジークフリートに求婚するためにブルグント王国を訪れた。

一方、グズルーンの場合は、グズルーンの母グリームヒルドに忘れ薬を飲まされたシグルドが、ブリュンヒルデとの婚約をすっかり忘れてしまい、グズルーンと結婚することに同意してしまう。


  • 復讐の動機と対象

クリームヒルトの動機は夫の仇を討つ事であり、対象はハーゲン(と兄グンター)である。フン族の王はそのために利用されるにすぎない。

一方、グズルーンの動機は兄弟の仇を討つ事であり、対象はフン族の王である。


なお、リヒャルト・ワーグナーの『ニーベルングの指環』においては、クリームヒルト及びグズルーンに相当するグートルーネというキャラクターが登場するが、ジークフリートの死で物語自体が終わってしまい、その存在感は薄い。


まだ、初期新高ドイツ語の韻文作品『不死身のザイフリート』やハンス・ザックスの『不死身のゾイフリート』では、竜に囚われた姫として登場し、ジークフリートに救け出される。またジークフリートとクリームヒルトは幼い頃にクリームヒルトの父の館で会ったことがあるとされている。

民衆本『不死身のジークフリート』でも、竜に囚われた姫を救け出すという話の流れは踏襲されているが、姫の名前はフローリグンダとなっている。


このジークフリートによるクリームヒルトの救出の物語は、『ニーベルンゲンの歌』の『写本m』に含まれている歌章目録にも言及がみられる。


クリームヒルトがモチーフ及び名前の由来であるキャラクター

  1. テレビアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』に登場する魔女。→Kriemhild_Gretchen
  2. Fateシリーズ』に登場するバーサーカークラスサーヴァント。→クリームヒルト(Fate)
  3. ゲーム『フルボッコヒーローズ』のユニット。→哀姫・クリームヒルト
  4. ゲーム『神撃のバハムート』の登場人物。→クリームヒルト(神撃のバハムート)
  5. ゲーム『相州戦神館學園万仙陣』の登場人物。→クリームヒルト・ヘルヘイム・レーベンシュタイン
  6. ゲーム『グランブルーファンタジー』の登場人物。→クリームヒルト(グラブル)

外部リンク

クリームヒルト - Wikipedia


関連タグ

ニーベルンゲンの歌 ジークフリート アッティラ

ハーゲン グンター ブリュンヒルト/ブリュンヒルデ

ラインの黄金 バルムンク

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