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ジークフリート

じーくふりーと

英雄叙事詩「ニーベルンゲンの歌」に登場する英雄。及びその名をとったキャラクター。 この記事は一部Wikipediaの記事を引用しています。
目次 [非表示]

概要

ジークフリート(Siegfried)は、ドイツの英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』の主人公。


北欧神話の『古エッダ』、『ヴォルスンガ・サガ』に登場するシグルド(シグルズ)と同一起源の人物だが、性格や素行には異なる点がある。

例えばシグルドは王の血こそ引いているが両親を早くに亡くしており、レギンという鍛冶屋を親代わりとして育ったが、そのレギンがシグルドを散々利用した挙句、価値が無くなったら殺してしまおうとする毒親の類であり、その本心を途中で見抜いたシグルドは親代わりのレギンを殺害している。後述の誠実な性格からは乖離した人物像と言えよう。

さらに言えば、ニーベルンゲンの歌の元ネタとなっている民間伝承では、ジークフリートは高貴な血こそ引いているが森の中で育った孤児とされており、野生児的なキャラ付けがされていることもある。


『ニーベルンゲンの歌』の主人公は、いくつかあるジークフリートのバリエーションの1つに過ぎないことに注意が必要である。

例えば中世後期から初期近代にかけての英雄バラッドの一つである『不死身のザイフリート』は、ザイフリート(ジークフリート)は鍛冶師に師事するが、炭拾いに遣わされた途中でリンデの樹の竜を倒す。さらに無数の竜類を一網打尽にして火にくべ、溶け出した液体を自分の身体に塗りたくり、角質硬化した皮膚体質となる。ブルガンディア王ギービッヒ王の娘クリームヒルトが竜(じつは竜に変化させられた男)に拉致されたと知り、救助に向かう。侏儒(ドワーフ)のオイゲルの助力を得、竜の岩窟の鍵の番人である巨人クペラーンに勝利し、竜を倒す。ザイフリートはニープリング(ニーベルンク)一族の財宝を得、クリームヒルト王女を妻に娶る。


後にリヒャルト・ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」の主人公となるが、ワーグナーは当時の定説であった「北欧神話のシグルドが全てのジークフリート伝承の起源である」という説に影響を受けて、ジークフリートという名前だが生い立ちの3分の2ぐらいはシグルドという人物像を作り上げているので、混同しないように注意。


人物・経歴

基本的には誠実な人間であり、頼まれごとがあれば断らない人物。だがあまり細かいことは考えないのか、時々よくわからない行動をする。これはキリスト教的な騎士像とゲルマン的な勇士像が混在しているからだとか。

力はめっぽう強く、戦場では後にフン族の宮廷で無双するブルグントの勇士すら足元にも及ばなかった。

あんま興味ない人でも聞いたことはあるだろう、恋愛面ではヘタレだった。


王ジークムントと王妃ジークリントの息子でネーデルラントの王子とされる。ちなみに両親は生き別れの双子の兄妹である。

ノルウェーのニーベルンゲン族を倒してその呪われた財宝と魔法の隠れ蓑タルンカッペ、名剣バルムンクを奪う、竜を倒し不死身の体を手に入れるなど、多くの軍功を立てる。この竜退治の際、魔力のこもった竜血を浴びて全身が甲羅のように硬くなり、いかなる武器も受け付けない不死身の体となる。しかしこの時、背中に菩提樹の葉が一枚貼り付いていて血を浴びられず、この一点のみが彼の弱点となった。


成人後、それまでは冒険や戦で色恋沙汰には縁の無かったジークフリートは、ブルグント王グンターの妹クリームヒルトというそれはもう可愛らしい王女がいるという噂を聞いた、彼女への興味が燃え上がり、彼女こそ高きミンネ(当時の騎士の徳目であった奉仕愛)を捧げるべき相手だとして思いつめるようになった。

彼女に求婚すべくブルグントの国に渡りブルグント軍に加わって多くの手柄を立てる。


しかしここで問題が起きる。

クリームヒルトのあまりもの可愛さにタダでさえヘタレだったジークフリートの心はは完全に折れ「こんな可愛い子が俺を好きになるはずが無い!」と絶望してしまうのだった。

そして戦後処理が終わると、そのまま何もせずに国へ逃げ帰ろうとした。恋愛は最初の勢いが大事ということがよくわかる場面。

が、いざ帰る時に彼女の弟ギーゼルヘアが熱心に退きとめたので、ジークフリートはもう少しだけこの国に留まることにした、きっと心の底では胸をなでおろしていたんだろう。


これを認めたグンターは、さらにアイスランドの女王ブリュンヒルトと自分の結婚を手助けするように依頼する。その過程で、二人はブリュンヒルトに嘘をつき、ジークフリートはグンターの臣下であるということにする。ブリュンヒルトは、自分に求婚した男と力比べをし勝てば求婚を受け入れ負ければ殺していた。ジークフリートは魔法の隠れ蓑でグンターに手助けして勝利に導き、ブリュンヒルトはグンターとの結婚を承諾する。これらの功績をあげたジークフリートはようやくクリームヒルトと結婚、ネーデルラントに帰って王位に就く。


※この物語の中ではブリュンヒルトにジークフリートに対する恋愛感情はない。ジークフリートはご覧の通りクリームヒルトまっしぐらだし、ブリュンヒルトはというとジークフリートに対して「求婚してきても命取りになるだけよ。私ジークフリート怖いと思わないし(要するに自分より弱い)」と思っている。

ブリュンヒルトがジークフリートの伴侶とされがちなのは先述したワーグナーの作品の影響。北欧神話におけるシグルドとワルキューレブリュンヒルドの恋物語を下敷きにして創作された。


10年後、ブルグントの王宮でグンター達と再会したジークフリートだが、ここでクリームヒルトとブリュンヒルトの仁義なきマウント合戦が勃発する。ブリュンヒルトはジークフリートは所詮グンターの臣下、クリームヒルトはその妻と見下していたし、クリームヒルトも内心は自分の夫の方が優れていると思っていたのだ。果たして、ヴォルムスの大聖堂にどちらが先に入るかを巡って二人の王妃は口論になる。ブリュンヒルトが公然とクリームヒルトを夫の臣下の妻に過ぎないといって辱めると、クリームヒルトは結婚の際にジークフリートが手助けしたことをバラしうまく騙された愚か者と罵る。


このことでブルグントの家臣の反感を買い、勇士ハーゲンは、ジークフリートの暗殺を計画する。彼は、クリームヒルトに「デンマークが再び攻めてきた」と嘘を言い、ジークフリートの弱点を聞き出す。こうしてハーゲンは投槍でジークフリートの背中を貫き、彼を暗殺する。


翌朝、ジークフリートの亡骸を見たクリームヒルトは、弱点の背中が貫かれている事からハーゲンが仇であると見抜き、夫の復讐を誓う。


ここまでがニーベルンゲンの歌の前半部分である。


ジークフリートをモチーフにしたもの

概要にある通り、ジークフリートという名前でも『ニーベルンゲンの歌』の彼がモチーフとは限らない(ワーグナーの作品もしくは他の伝承がモチーフの場合もある)ので注意。


  1. アニメ版『聖闘士星矢』の登場人物。→神闘士アルファ星ドゥベのジークフリート
  2. ソウルエッジシリーズの登場人物。→ジークフリート・シュタウフェン
  3. 近藤和久の漫画に登場する、『ZZガンダム』のアレンジデザイン版。(正確にはそのうちのひとつに与えられた固有名)。
  4. Fate/Apocrypha』において黒の陣営に召喚されたセイバー。→ジークフリート(Fate)
  5. ソーシャルゲーム『パズル&ドラゴンズ』に登場するモンスター→ジークフリート(パズドラ)
  6. ソーシャルゲーム『グランブルーファンタジー』に登場するキャラクター→ジークフリート(グラブル)
  7. ソーシャルゲーム『モンスターストライク』に登場するキャラクター→ジークフリート(モンスト)
  8. 3DSゲーム『ファイアーエムブレムif』に登場する剣
  9. アニメ「サークレット・プリンセス」に出てきたAIの名前
  10. アニメ『コードギアス反逆のルルーシュ』に登場するメカ。→ジークフリート(コードギアス)
  11. 女神転生』シリーズに登場する悪魔。→ジークフリード(女神転生)

関連タグ

ニーベルンゲンの歌 ニーベルングの指環

クリームヒルト ハーゲン グンター ブリュンヒルト

ラインの黄金 タルンカッペ バルムンク:ジークフリートの武装


シグルド:北欧神話や『ヴォルスンガ・サガ』に登場する英雄で起源が同じなためしばし同一視される


アキレウス:ギリシア神話の英雄。「不死身の肉体を得る際、一部分だけがその加護を得られなかった」という共通点を持ち、比較神話学の一例とされる。


マガタノオロチ:「地中に潜伏して成長いた際、御神木の地下にあった箇所の成長が不十分で弱点になっている」というジークフリートを彷彿とさせる設定がある。


超神バイコーン:ジークフリート同様に鉄壁の守りを誇るも、ごく僅かな守りの綻びが契機となり敗死した者同士。

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