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ダッジバイパー

だっじばいぱー

アメリカの自動車メーカー「クライスラー」が「ダッジ」ブランドで販売したスポーツカー。
目次 [非表示]

概要

ダッジ・バイパー (Dodge Viper) とはクライスラー社が展開するダッジブランドで販売したスポーツカーである。1991年12月に販売開始された。


ロングノーズ・ショートデッキのボディと、蛇を彷彿とさせるフロントデザインが特徴。そのスタイルは人によってはスポーツカーよりレーシングカーだと感じる人も。

エンジンはアメ車でお馴染みのV型8気筒OHVエンジンではなく、専用のV型10気筒OHVエンジン (通称バイパーV10エンジン) が採用されている。

このV型10気筒OHVエンジンは元々ダッジの大型ピックアップトラック・ラムのエンジンであり、それを当時クライスラーの傘下だったランボルギーニがブロックをアルミニウム化してパワー重視のチューニングを施したもの。足回り (特にサスペンション) にもランボルギーニの手が加えられている。


バイパーは自然吸気 (NA) エンジンのみであり、ターボやスーパーチャージャーを採用しておらず、変速機も6速MT (マニュアル) のみ、さらに純正ホイールはハイエースキャラバンランドクルーザーなどの大型車に使用される6穴ホイールを採用しているなど、他のスポーツカーとは一線を画していることも特徴。

その異色な所がバイパーの魅力だともいえる。


バイパーの歴史

バイパーは大まかに三世代に分けることができるが、初代と2代目は前期・後期にも分けて解説する


コンセプトカー

当時、アメリカのスポーツカー市場で大きなシェアを得ていたシボレー・コルベットに対抗するために開発された。バイパーは60年代の名車・シェルビー・コブラを意識して造られており、コブラを生み出した元レーサーのキャロル・シェルビーも開発スタッフとして関わった。

1989年に北米国際オートショーにてコンセプトカー (VM-01) が発表された。この時はアメ車らしくV型8気筒OHVエンジンを搭載していたが、1990年4月にV型8気筒ではなくV型10気筒のOHVエンジンを搭載したコンセプトカー (VM-02) を発表。これが後にダッジバイパーとなった。



初代バイパー

前期型 (SR I)

DODGE VIPER RT/10

初登場時はオープンカーモデル (RT/10 ロードスター) しかなかった上にエアコンも無かったという、90年代のスポーツカーとしては異例のスパルタンマシンだった。また、マフラーはサイドに取り付けられていた。

この時のエンジン排気量は8.0リッター。最高出力400馬力に最大トルク64kgf・mと、当時としては圧倒的な性能だった。

当初は3年間だけ少量限定生産する計画であったが、発売後大きな反響と予想以上の売り上げから継続販売されることとなった。


後期型 (SR II)

1998 Chrysler Viper GTS

1996年にブレーキやサスペンションがアップグレードし、マフラーはリアに移った。

エンジンは415馬力に67kgf・mまでパワーアップ。

同時に初めてのクーペモデル (GTS クーペ) も登場。エンジンは450馬力にまで強化され、最高時速300kmに達した。

日本では1997年に「クライスラー・バイパー」として販売を開始。2002年12月まで正規輸入していた。

ちなみに、名探偵コナンに登場する黒の組織のスナイパー・キャンティの愛車でもある (青色に白いストライプ)。

Chianti


2代目バイパー

前期型 (ZB I)

ダッジ・バイパー

初代と異なりボディに直線的なラインが少し増えたことが特徴。SRT-10のグレード名も2代目バイパーの特徴である (SRTはクライスラーのハイパフォーマンスカー開発部門 “Street and Racing Technology” の略語であり、10は10気筒のことを指す)。

2代目はさらに排気量が上がって、なんと8.3リッターV型10気筒OHVエンジン。500馬力・73kgf・m (後に510馬力・74kgf・m) にまでパワーアップを果たした。

当時は鹿戸治という日本人デザイナーがデザインを手掛けたことも話題になった。

その一方で、再びサイドマフラーになったことが原因で日本の保安基準に対応できず、日本では正規販売ができなかった (現在はサイドマフラーの規制が解除されたため登録可能)。


後期型 (ZB II)

2008年モデルでは、あのマクラーレンとリカルド社と手を組んでボアアップ。乗用車としては最大級を誇る8.4リッターになった。また、インテークマニホールドのポート形状やエアフィルタを改良したことで600馬力・77kgf・mにまで強化。

バイパーSRT-10・ACRというレーシーなモデルもこの年からである。ACRは専用のエアロパーツでダウンフォースを強化し、レーシングサスペンションと軽量化したホイールで性能を向上させている。


2010年、親会社FCA (フィアット・クライスラー・オートモービルズ) の経営戦略に伴い、バイパーは一度市場から姿を消すことになる。


3代目バイパー (VX I)

Viperセンシティブな作品

当時のゼネラルマネージャーの思いや市場での人気の高さから、2012年のニューヨーク国際オートショーにて登場、SRTブランドとして復活を果たした。

3代目は8.4リッターの排気量をほぼそのままにしてエンジン周りに改良を施し、最高出力は640馬力まで向上、最大トルクは83kgf・mで、自然吸気エンジンとして世界最大である。

さらに、ボディ剛性を高めつつ、一部パーツにカーボンパーツ、ドアにアルミを使って45kgに軽量化。トラクションコントロールシステム (TCS) や ABS などの電子装備も搭載された。内装も高級車らしく豪華になり、旧モデルと比べてより洗練されたスポーツカーになった。

2014年にSRTブランドが廃止され再びダッジ・バイパーとなる。

2015年には645馬力までパワーアップ。

2016年に公道走行可能なレーシングモデル・ACRを追加。最高時速が285kmに抑えられているが、ACR専用のタイヤにブレーキ、サスペンション、更にはトップスピード (285km/h) で1トン近いダウンフォースを得る巨大リアウィングを含めたエアロパーツと645馬力を支えながら圧倒的なコーナリング性能を実現させる足回りを持つなど、レーシングマシン級のモンスターとして注目された。


しかし、売り上げが期待されたほど伸びなかったことに加え、米国連邦自動車安全基準をクリアできないことなどから2017年8月に生産を終了した。


現在でもバイパーの復活を望む声はあるものの、再開の見込みは無いという。



バイパーによって生み出された記録

バイパーは様々な記録を生み出した名車としても評価されている。


ニュルブルクリンク北コース

2008年8月にバイパーSRT-10・ACRが7分22秒1というタイムをマークし、当時ニュルブルクリンク市販車最速の称号を得た。

2011年9月 バイパー SRT-10 ACR-X が7分12秒13を記録、レクサスLFA ニュルブルクリンクパッケージの記録7分14秒64を上回り、市販車最速となる。

2017年9月 バイパーACRが7分1秒30と更に記録を更新。この記録は2020年11月4日にメルセデスAMG・GTブラックシリーズが6分43秒616の記録を叩き出すまでFR車最速であった (2021年現在FR車2位)。


ダッジ・ラム SRT10

DODGE RAM SRT10

バイパーの8.3リッターV型10気筒OHVエンジンを積んだピックアップトラック。2004~2006年の間だけ製造された。

最高時速247.3 kmを記録し、世界最速のピックアップトラックとしてギネスブックに載った。


ダッジ・トマホーク

ダッジトマホーク

最高時速420マイル (675km) を誇る世界最速のバイク。バイパーの8.3リッターV型10気筒OHVエンジンを搭載。元々100台製造する予定だったが6000万円以上という桁外れの価格ゆえに売れないだろうと思ったらまさかの購入の問い合わせが殺到。結局10台限定で製造された。




タグについて

「バイパー」のみだと家庭教師ヒットマンREBORN!の登場人物やルーンジグソーの退魔士バイパーなどのイラストが含まれる。

ダッジバイパーのイラストを検索する際は「ダッジバイパー」だけでなく「ダッジ」「バイパー」と分割したり「ダッジ・バイパー」のように点を入れるなどして検索すると良い。



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