鶴城「平穏に過ごしたいのに……何でお前らは俺を怒らせるんだ……」
「どういうつもりだ? 技に殺気がないぞ?」
鶴城「ごめんなさい。死龍と戦った拷問ソムリエに興味があったんだ」
「興味などで他人を襲うな」
「悪党に地獄を見せる慈善活動家だよ……」
「やかましいぞ、下衆」
「どれだけ腐りゃあ、あの夫婦見てそれが言えんだ。流川ぁ、やるぞ」
「グサグサグサ……」
流川「いよいよ脚がボロボロです!」
「お前らが、この通路を歩き切れれば考えてやる」
「でもお前一生歩けねぇけど、どう?」
「テメェが襲った夫婦は、まさにそうやって生きてたんだろうが。ムカついたわ。もう10往復行ってこい。考えた結果だ」
標的
身体障害者を雇うという慈善事業を隠れ蓑に、雇った障害者を殺害して保険金を奪い取る悪事を重ねてきた宝飾品店店主「矢作」と、その愛人で半グレ「愚羅炭」のボスである「宮崎悟」に執行。
概要
これまでに行った牛裂き、豚の餌、炮烙刑を組み合わせて発展させたような拷問。
宙吊りにした罪人を股関節脱臼させて靭帯を破壊し、両脚をペンで滅多刺しにした上で飢えた豚に貪らせる。そうして依頼人の意趣返しも兼ねて両足不随にし、真っ赤に焼けた鋼板を渡らせるというもの。
経過
風谷から情報を得た依頼人の御坂夏帆は伊集院茂夫に夫の仇討ちを依頼する。
伊集院と流川隆雄が宮崎の確保に赴くと、元CODE-ELの最精鋭である鶴城史之舞が店の常連だった洋一の仇討ちの為にその場に居た。
鶴城は握手するフリをして伊集院に襲いかかり伊集院は応戦したが、鶴城の必殺の攻撃に全く殺意がない事を看破し、「どういうつもりか」と問うた。すると鶴城は「あの死龍と引き分けた相手に興味があった」と言い放った。その後、鶴城はお詫びとして露払いを請負い、愚羅炭の構成員を滅殺。その隙に伊集院達は宮崎と矢作を確保した。
拷問室に叩き込まれた宮崎と矢作は飛び起きるなり喚き出した為、伊集院と流川は罪人二人の股関節を人力で脱臼させて静かにさせ、悔恨の念を問うた。
しかし返ってきたのは「障害者という社会のお荷物は俺らの金蔓になって初めて社会貢献出来る」「あの旦那が買って行った指輪は安物。そんなものをプレゼントされたら憤死もの」という耳が穢れるような暴言だった。これにキレた伊集院と流川は即座に処刑を開始した。
下半身を完全に破壊された罪人二人は、命乞いと共に自らの責任をなすりつけあうが、伊集院はそれを無視して「助命を考えてやるからアレ(赤熱した鋼板)を渡り切れ」と要求。
下半身が使い物にならない二人は四つん這いのまま渡り始めるが、途中で矢作が力尽き、鋼板の上で焼けるだけの肉塊になり果てた。
しかし宮崎は生への執念から何とか渡り切って生存。これで助かるものと考え、歓喜に震えた。とはいえ下半身が完全に破壊されており、生きて拷問室を出られても障害者確定の宮崎に、伊集院は「もう一生歩けないがどうする?」と問うと「何とか頑張って生きる」という言葉が返ってきた。
その考えで頑張っていた依頼人夫妻を嘲笑し殺した者が言うには厚顔無恥極まる妄言に伊集院は完全にブチギレ、「お前が襲った夫婦はそうやって生きてきた。ムカついたからもう10往復してこい」と言い放った。
断る選択肢などない宮崎だったが、流石に10往復出来る力など残っている訳もなく、最終的には赤熱した鋼板の上に転がる黒焦げ死体と化した。
今回の登場人物
- 宮崎悟(みやざき さとる)
今回の断罪対象その1。半グレ集団「愚羅炭(グラタン)」のリーダー。上半身に龍の刺青を彫っている。
恋人で、宝飾店の女店長・矢作とグルになり、雇った障害者を事故や無理心中に見せかけて殺害し、その障害者の保険金を奪い取る、いわゆる保険金詐欺で金を手に入れていた。風谷によると、逮捕歴が山ほどあるという。
最終的に上記の拷問で下半身がグチャグチャの黒焦げ死体と化した。
- 矢作(やはぎ)
今回の断罪対象その2。宮崎の恋人で、宝飾店の店長。障害者を雇用するという慈善事業を隠れ蓑に、雇った障害者に保険をかけた上で殺害してカネをせしめるという詐欺を宮崎と共に長年やっていた下衆女。
宮崎より痛みに対する耐性は高かったようだが(最初の股関節脱臼で苦痛に歯を食いしばっているが、宮崎の方は白目を剥いて気絶寸前だった)、根性や生存欲求は低かったようで、最期は焼ける鋼板の上で無惨に朽ち果てた。
- 御坂夏帆(みさか かほ)
今回の依頼人。5年前、老人の暴走運転による事故に遭い、下半身不随になった。夫の洋一とは貧しいながらも仲の良い夫婦だったが、生活の足しにするために矢作の宝飾店で働き始め、矢作と宮崎による保険金詐欺の標的にされてしまう。結婚記念日に宮崎から自宅を襲撃されて洋一を殺され、自身も胸を切られ、放火によって顔半分が焼け爛れてしまう。さらに偽の遺書で洋一による無理心中だと偽装された事に怒り心頭に発し、風谷を通じて事件の真相を知り、伊集院に復讐の依頼をした。
依頼完了後、お腹の中に洋一との子がいる事がわかり、生きる希望を取り戻した。
- 御坂洋一(みさか よういち)
今回の被害者。夏帆とは学生時代からの付き合いであり、5年前にプロポーズをした。下半身不随になってしまった夏帆を支えたり、夏帆の医療費の為に節約に協力する等、優しい性格の持ち主であり、鶴城からも「真面目で奥さん想いのいい人」と評されている。
結婚記念日に宝飾店で指輪を購入して夏帆にプレゼントしたが、その直後突然侵入してきた宮崎に滅多刺しにされて致命傷を負ってしまう。家が炎で燃える中、重傷の夏帆を助ける為に最後の力を振り絞り、夏帆を床下の収納スペースに入れ、その入り口を守る形で息絶えた。
京極組御用達の情報屋。洋一の死の真相を夏帆に話し伊集院を紹介した。
おにぎり屋「つるのおにぎり」の店主。元はCODE-EL銀田グループに所属していたトップアサシンで、EL戦争では瓜生龍臣や日本刀のバースらと激闘を繰り広げた。現在は株式会社モーリーの協力者としてエルペタスと抗争中。おにぎり屋の常連だった洋一の仇を打つ為、愚羅炭のアジトに乗り込み、愚羅炭のメンバーを全滅させた。
余談
鶴城史之舞の担当声優である小柴大始氏が伊集院シリーズに出るのは乙無慎太郎以来である。
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