このポイントを1000万ポイント以上貯めると、エリートクラスである「天組」に配属され、豪華な食事（フランス料理や学年1位にはカニ鍋）などの恩恵を受けられるが、逆にマイナスになった生徒は最下級クラスである「カス組」に配属され、購買部のパン争奪戦に参加しなければならないなど差別的な風潮が蔓延している。そのためカス組は「今更努力しても無駄」とばかりにポイント低下を気にしない面々が集う。というかほとんど学級崩壊し不良のたまり場になっている。

一方天組も天組で、高ポイントの維持さえできていれば僅かなポイント低下は問題ないため、生活態度などの改善に無頓着になる者が多くなっているなど、双方に問題を抱えている。

一応、トイレや寮等のプライベート空間は例外で、天組カス組どちらも同じ。またプライバシーの尊重の為かここのみオツムンの介入はない。

入学希望者は一週間の体験入学に参加し、ここでエリートポイントを一定以上貯めれば特待生として入学ができる。

このところ、学園内では生徒を無差別に襲撃しケツを吸って人間をおバカにしてしまう怪人「吸ケツ鬼」の存在が騒がれている。

各クラス

天組

1000万ポイント貯めたことで配属されるエリートクラス。

所属者

カス組

ポイントがマイナスになった生徒が配属される落ちこぼれクラス。

所属者

不良たち

教員

問題点

システムの項目の段階でかなり大きな問題があることは述べたが、システム面以外でも様々な問題点がある。

まず、学校で生徒に授業を行うのはAIのオツムンであり、校内に存在する教師陣は全員、単なるお目付け役となっており、テストの作成に関しても手を出せない状況になっている。そしてそのAI自体が、合理化と効率化を求め過ぎたために、エリートになる為ならば何をしても良い、卑怯な手段を使おうとも勝てば良い、エリートとは自分の利益の為に他人を切り捨てるものと言う思想に取り憑かれており、作中の端々においてその考えが垣間見える。

また、過激すぎる競争社会が故に、エリートを目指す人間、エリート側の人間においても強烈なストレスを与えており、実はこれが本作の事件である吸ケツ鬼事件の動機となっている。

また、本作のメインストーリーである吸ケツ鬼事件に関しては、何人もの生徒に被害が出ておりながらも学園長は単なる噂とまともに取り合うことはせず、被害に遭い、おバカになってしまった被害者に対しては、エリートを目指す重圧に耐えられずに精神を壊した『弱者』として蔑み、切り捨てる方針を露わにしており、極端すぎる弱肉強食主義であることが明かされている。事件そのものに関しては事件の存在そのものを否定し、隠蔽しようとすらしていた。

これらの出来事は作中ではエリートに拘る余りに追い詰められていく風間くんの姿を通して描かれており、また、この方針により風間くんとしんちゃんの二人の仲に今までにない亀裂を与えていることから、天カス学園の教育環境は、単に格差が激しいと言うだけでなく、人間関係を破壊し、人間そのものを壊してしまう環境であることが暗示されている。

これに加えて全寮制を導入していることも考えると、学園生にとってこの学校は基本的に事件が隠蔽される様な逃げ場のない完全閉鎖型の競争環境で、日夜格差を味わわされると言う、非常にストレスの多い教育機関であることが窺える。加えて、AIによって管理されていない場所も存在しており、そこを抜け穴にすることもできる。

その為、やろうと思えば外部から持ち込みを禁止されたものを持ち込むことができるし、場合によっては自室で隠れてルール違反を行うことができる。事実、しんちゃんたちもこの抜け穴を利用して、夜中に枕投げをして遊んだり、みさえがお菓子を隠して持たせており、そのこと風間くんが明日の授業に差し触りがあるとして引き止めていた。

これを更に悪用すればストレス発散の為に暴力を振るうこともできるし、場合によってはシンナーなどの薬物犯罪も起こしうる非常に危ない環境である。

これらのことを勘案すると、冗談抜きに、自殺や傷害致死などの人死にが起こりやすい、非常に危険な学校であることが窺い知れる。