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泉鏡花による戯曲。1917年に書かれた。

鏡花の生前には舞台化されることはなかったが、戦後にようやく上演され、何度か映像化されている。


あらすじ

舞台は播州姫路、白鷺城

かの天守には人ならざる美姫・富姫が主として住まい、藩主であろうとも近づく事の出来ない魔の住処となっていた。

腰元が露を餌に秋の花を釣り上げ、女童が歌を歌って遊ぶ中、妹の亀姫が猪苗代城から遊びにやってくる。帰りの手土産にと、富姫は藩主が鷹狩りに使う鷹をさらって与えるが、そこへ若き鷹匠、姫川図書之助が主命を帯びて鷹の行方を捜しに来た。

はからずも恋に落ちる富姫と図書之助だったが……


登場人物

富姫

姫路城に住む妖姫。外見年齢27,8歳の気高き美女。

物語冒頭で『夜叉ヶ池』の白雪姫に頼み、亀姫の道行きの邪魔にならないよう、藩主の鷹狩りに雨を降らせて中止させている。

基本的に人間を見下しているが、農家から拝借した蓑を後からきちんと返させるなど義理には篤い。亀姫の土産にととらえた鷹が、思わぬ騒動を引き起こす事に。

かつては人であったが、二代前の城主が鷹狩りの折に気に入り、無理やり妻にしようとしたのを拒んで自害。その場に祀られていた獅子頭が涙を流して彼女の血をなめとり、祟り成して人々に恐れられた。祟りを笑い飛ばした城主によって獅子頭は天守の最上階に据えられるが、それ以来天守は人が近づけない魔所となる。

侍女

桔梗。萩。葛。女郎花。撫子。それぞれの名にちなんだ着物をまとっている。

露を餌に秋の花を釣って花籠を作るという雅な遊びに興じる。いずれも人間ではなく、天守に鉄砲が撃ちかけられた時は身を挺して主たちを守った。

女童

三人の少女。歌を歌い戯れる。

朱の盆坊におどかされても少しも怖がらないなど、肝が据わっている。

御殿奥女中。侍女のとりまとめ役。

亀姫

猪苗代城に住む妖姫。富姫の妹。外見年齢は20歳ほど。

姉の許に遊びに来た折、自分の城の「軒を貸していた」藩主が頓死したのをいいことに、その生首を土産に持ってくる。

朱の盤坊

亀姫の随身。恐ろしげな山伏の姿をした大男。舌長姥とは憎まれ口をきく間柄だが、主の危機には共に身を挺して立ち向かう。

舌長姥

亀姫の随身。名前の通り異様に舌の長い老女。土産の生首にこびりついた血を舐めとり清めたが、後にこれが思わぬ切り札となる。

姫川図書之助

人間。姫路城主に仕える若き鷹匠。美青年。

主君の鷹の行方を捜し為天守に訪れ、富姫と出会って互いに恋に落ちた。謁見の証として持たされた藩主伝来の兜を盗み出したものだと言いがかりをつけられ、追われて富姫の許に逃げ込む。

近江之丞桃六

終盤、富姫達の危機に突如として現れる老人。

デウス・エクス・マキナであり、自らが作った獅子頭の目に鑿を当てて二人の危機を救った。生前の富姫が愛用していた牡丹の簪の作者でもある。


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