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概要

『望み』は、雫井脩介による日本の小説。電子小説誌『文芸カドカワ』(KADOKAWA)2016年1月号から7月号に連載、2016年9月5日にKADOKAWAから刊行された。思春期の息子の友人が遺体で発見され、その事件に関わり行方不明となった息子を巡って「加害者か、それとも被害者か」と葛藤する夫妻の心理を描く。第七回山田風太郎賞候補作、「週刊文春ミステリーベスト10」2016年国内部門第9位。


雫井の以前の作品に家族が多く登場することから、次は「家族を扱ったもので」との編集担当者からの要望を受けて、それまでストックしていたアイデアの中から本作を構想。少年犯罪に見られるグループ内のトラブルから殺人事件へ発展するケースで、事件報道を見てもグループ内の人間関係や事件に至る経緯が漠然として捉えにくいことから、「事件の関係家族、特に親は、どういう心境で報に接しているのだろう」「自分の子供が被害者なのか加害者なのかも分からなかったりするかもしれない」と、そこを掘り下げることで意外に深いテーマとなるかもしれないとして本作執筆に至った。


2020年に映画化。主演は堤真一。主題歌は、森山直太朗の「落日」。


原作からの変更点として、季節を夏から冬に移しており、冬休みおよび年末年始の間で物語が展開される。それ以外は原作通り。


あらすじ

埼玉県戸沢市にて建築デザインの仕事をしている石川一登と校正の仕事をしている妻・貴代美は、長男の規士と長女の雅とともに何不自由なく幸せな生活を送っていた。ただ、息子の規士は高校生になってからというもの無断外泊が頻繁となっていたが、一登と貴代美は特に注意を払ってはいなかった。


夏休みを迎えたある週末、いつものように無断外泊をしていた規士が翌日になっても自宅に戻らない。連絡をしようにもまったくその手段が通じない状況になった。そんな最中に、息子の友人が複数人の何者かに殺害されたとのニュースが流れ、一登と貴代美は不安を隠そうとしない。逃走している2人の中に息子がいるとすれば、果たして息子は殺人者なのか、それとももう1人の被害者なのか。息子の無実を信じたい父の一登と、たとえ殺人者であろうとも生きて罪を償ってほしいと願う母の貴代美の思いが交錯する。


登場人物

建築デザインの仕事をしている一家の主。殺人容疑がかけられて逃走している息子の無実を信じている。


一登の妻で校正の仕事をしている。たとえ息子が殺人者であろうと生きて罪を償ってほしいと願っている。


一登と貴代美の息子で高校1年生。夏休み(映画では冬休み)の週末に行方不明となり、友人を殺害した容疑がかけられた。


一登と貴代美の娘で中学3年生。兄・規士の殺人容疑により人生が一変し、学校・塾でいじめに遭うことになった。


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雫井脩介

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