概要
物質の状態を指す言葉。「液晶」という言葉は本来、液体と固体の中間を意味する。液晶に電気的な刺激を与えると光の映り方が変化し、その現象を応用したのが液晶ディスプレイである。
液晶ディスプレイ
かつて使われていたブラウン管に比べて薄く軽く、消費電力も少ない。かつてカラーの液晶パネルは視野角が狭く、反応速度が遅く、コントラストが弱く、コストが高いなどの問題があったが、これらの問題が解決されたことにより、コンピューターなどの表示装置の主流になった。
ただし、液晶そのものは有機ELなどと違って光らないのでバックライトで背後から照らすか、外光やフロントライトを当てる必要がある。かつて液晶パネルのバックライトには冷陰極線管 (CCFL) が使われていたが、現在では消費電力を抑えたLEDが用いられる。
方式
主に3種類ある。かつてはTNが安くIPSが高価だったが、現在ではそれほど大きな違いはない。
方式 | 長所 | 短所 |
---|---|---|
TN | 応答速度が速い | 視野角が狭く、発色がやや劣る |
IPS | 発色と視野角に優れる | 応答速度がやや遅い |
VA | 応答速度、発色とも両者の中間 |
経年劣化
古い時代に生産された液晶パネルは、経年劣化で偏光フィルムが酢酸化して黒ずんでしまう「ビネガーシンドローム」が発生しやすい。このビネガーシンドローム、発生している個体と一緒に他の液晶搭載の機器を置いておくと酢酸化が伝染るとの事で注意が必要である。例えば1989年発売のゲームボーイは2003年に生産を終了、2007年に修理サポートも終了しており、すでに多くの個体が液晶パネルの劣化で使用に耐えない状態になっている。同機やゲームボーイアドバンスなどのサポートの終了した携帯ゲーム機の液晶パネルをDIYで交換するユーザー向けに、専用パネルも売られている。