仮面ライダールシファー
かめんらいだーるしふぁー
「ここからは、私が楽園の創造主となる！」
ルシファー！
「変身！」
プログライズ！アーク！
"The creator who charges forward believing in paradise."
"OVER THE EDEN."
CV：福士誠治
スーツアクター：中田裕士
変身者
・ベル
『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』に登場する仮面ライダー。
変身者はエスが作った闇サイト「シンクネット」の一員であるベル。
シンクネットの最終目標である「楽園ガーディアの創造」に隠されたエスの本当の目的を知ったことでエスを見限ったベルが、エスから奪ったエデンゼツメライズキーとエデンドライバーで変身した。
変身音声の英文の前半は仮面ライダーエデンと共通で、自ら名乗る通り「楽園を信じ突き進む創造主」を意味する。
後半の “OVER THE EDEN” は「エデンを超える」という意味だけで無く、変身までの経緯やライダーの名前を踏まえると「楽園を追放された者」の意味合いもあると思われる。
シルエットは仮面ライダーエデンとほぼ同じだがメインカラーが黒と白に変化しており、口の模様を始め全体的に骸骨のようなデザインになっている。
顔や胴体等の基本的な造形はエデンとほぼ同じだが、両肩の装甲はホッピングカンガルー、脛周りの装甲はバイティングシャーク、肘と膝の先はメタルクラスタホッパーに近似するといった風に四肢の造形はかなり異なっている。
対決するのが初代と同じバッタモチーフの仮面ライダーゼロワンである点から、スカルマンまたはショッカー戦闘員を意識したとも考えられる。
変身時には巨大な骸骨がベルを噛み砕いてアンダースーツを纏い、各部のアーマーが取り付けられる形で変身が完了する。女性のロストモデルに抱き締められて変身するエデンと比べると強烈な対比となっている。
| 身長 | 191.2cm |
|---|---|
| 体重 | 84.0kg |
| パンチ力 | 46.3t |
| キック力 | 98.9t |
| ジャンプ力 | 57.3m（ひと跳び） |
| 走力 | 1.1秒（100m） |
スペックはエデンの上位互換。
エデンとの3度の戦闘を経てボロボロだったとは言えリアライジングホッパー相手にやや優勢に戦える強さを見せた辺り、性能面で言えば中々の高水準に位置する（もっとも、スペックだけを見るとキック力を除けばアークゼロとランペイジバルカン以下だったりもする）。
また、エデンと同じく無限の再生能力も備えていることから、或人は更なる苦戦を強いられることになる。
と、思われたのだが……。
何れもエスが使っていた物を強奪する形で使用した。
エスが所持していたものを回収して使用。
特別な操作はしていなかったが、起動と同時に音声が変化している。
台座に刺さっていた物を引き抜き、エスから奪ったヘルライズプログライズキーを装填して使用した。
格闘攻撃や衝撃の物体化を軸としたエデンとは異なり、ルシファーは専らジャッカー頼りな戦闘スタイルであった。
- パラダイスインパクト
エデンドライバーに装填されたエデンゼツメライズキーを押し込んで発動する。
劇中ではゼロワンとゼロツーに蹴り飛ばされた時に発動し、キックでゼロツーのキックを受け止めたが、上空からゼロワンに妨害されてしまった。
Blu-ray収録のDATA FILEでは「エデンインパクト」と誤記されている。
- サウザンドブレイク
「こんな世界、滅ぼしてやる！」
「楽園の創造主は……俺だぁあああッ！」
サウザンドジャッカーにエネルギーを纏わせた刺突で、ゼロワンとゼロツーのダブルライダーキックに対抗したが、撃ち負けてしまいルシファーは爆散。ヘルライズプログライズキーとサウザンドジャッカーも大破し、カウントダウン終了直前で機能を停止した。
エスに代わって「楽園の創造主になる」と語り、満を持して変身し或人達に挑むルシファーだったが、結果として「ラスボスとは思えない程呆気無く倒される」醜態を晒す事態に陥ってしまう。
ただ、こんなにも無様に終わったのには一応ちゃんと理由がある。
第一の理由は、エスがアバターの無限復活を不可能にしたこと。
これによってエデンの最大の強みでもあったナノマシンによる超再生能力が消滅したことで、ダメージを考慮しなくても良かったこれまでのやり方が通用しなくなった。つまりベルは初戦で無限復活に頼らない新しい戦闘スタイルを確立しなければならなくなったのである。
変身者であるベルの特性故に使えなかったのかは不明だが、エデンが度々見せた衝撃波の実体化能力も全く見せておらず、ゼロツーの攻撃が直撃している場面も多数見受けられた。
第二の理由は、事前準備をしていなかったこと。
アップデート前のエデンがゼロツーから勝利をもぎ取れたのは、エスの特殊な身体構造と回復力や回避不可能な必殺技等の初見殺しな特性等々エスの周到な準備に依る所が大きい。これは裏を返せばそもそも真っ向勝負ではエデンに勝ち目が無い、ということでもある。
その上この時点での或人は3度もエデンと戦っており、その結果相手の手の内を知り尽くした状態だった。
土壇場でエスから変身ツール一式を奪ったベルには、当然エスのように先述したスペック差を埋めるための準備をする暇などなかった。
しかもルシファーを初めて扱うベルが能力を理解していたとは考えづらく、実際ナノマシン及びサウザンドジャッカーのライダモデル抽出・召喚機能の有効活用はできていなかった。
このように、ベルは（割と自業自得だが）かなり不利な状況での戦闘を余儀なくされた訳であり、苦戦するのも仕方ないといえば仕方なかったのである。
変身者のベル自身も元は普通のメンタルクリニックの医師だったことを考えると、非常に高い戦闘技術を持つ或人や優れたラーニング能力を備えた滅、徹底した理詰めによって世界を大混乱に陥れたエス達と比較すると、アーク由来の他の仮面ライダーの中では最も戦闘センスが劣っているとも取れる。
そもそもベルが変身する動機自体も、ちっぽけなその場限りの感情に飲まれて「自分が楽園の創造主になる」と高望みな野望を抱いてしまった時点で、嘗ての経験を乗り越えた或人を倒すのはあらゆる意味で不可能であった。
ベルの敗因自体は幾つかあるが、〈仮面ライダー〉としても〈人〉としても、勝てる余地が無かったのは確かである。
だが、前述した通り一応リアライジングホッパーを相手に純粋な真っ向勝負ではやや優勢に戦えていた事実を踏まえると、決してそこまで弱い訳ではないハズ……なのだが、変身者がエスと比べて同情出来ない小物かつ戦った相手が余りに悪過ぎたのが重なり、映画を観た人達からの意見は概ね「そこまで強くない」で一致しており、そもそもこの時の或人が度重なる戦闘やヘルライジングホッパーへの変身でボロボロになっていて本調子ではない状態だったのもあり「全快の或人ゼロツーorリアライジングなら1人でも倒せそう」とあんまりな（しかし頷けてしまう）評価をする視聴者も……。
更にBlu-ray収録のオーディオ・コメンタリーでは杉原監督から「ぽっと出のラスボス」呼ばわりされていた。
一方で、ぽっと出だからこそ物語の根幹たる「ありきたりな人間がラスボスになり得る」脅威が明確になり、ゼロワン作品群における悪意をより明確に描ける為、寧ろ「『仮面ライダーゼロワン』の敵としてはこれ以上なく完成されている」と評価する人も少なくない。
『装動仮面ライダーセイバーBook6』にて収録。上記のエデンとの差異をちゃんと再現している（シールを取り付ける前のパーツはエデンと共通）。
オプションとしてはTV本編での最終決戦を再現可能な瓦礫が同梱。
同弾では『拡張パーツforゼロワン』で新造されたサウザンドジャッカーが収録されており、組み合わせればヘルライジングキーが装填されたサウザンドジャッカーを持つシーンを再現出来る。
- テレビ版・劇場版の両方から見ても「部下が首領の変身ツールを奪って変身した」ケースは非常に珍しい。
- また、アイテムの組み合わせ変更or進化もない、全く同じアイテムを使用しながらフォームの領域を超え、変身するライダーその物が変化している点も珍しい。
- エスの真意が判明しベルにベルトが奪われる展開は本作の根幹をひっくり返す大きな仕掛けとなっており、真意判明後のエスと、倒すべき真の敵であるベルとを明確に区別する意図で、変身後の姿や変身シークエンスを差別化した物と考えられる。
- 登場とビジュアルがアナウンスされていた他の劇場版限定ライダーであるエデンやアバドンとは異なり、このライダーの登場が発表されていなかった。
- 上述の装動やDX玩具においても映画に先駆けて登場と商品化がなされていたエデンと異なり、映画公開から遅れての商品化となっている。
- 撮影用スーツは塗装を変更したエデンがベースとなっている。その後、スーツの上半身が仮面ライダーゼロスリーへと流用された。
- 仮面ライダーエデンと似たフォルムながらも、細部が違うデザインをしているのは、“エス役の伊藤英明氏が「同じ変身システムを使用していても、変身者の性質が違う以上異なる姿になるハズだ」との提案をしたためである” と『全仮面ライダー大投票』で明かされた。
- これは「エデンは自分だけのライダーであって欲しい」とする思い入れの強さから来る物でもあったようである。
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