千反田える
ちたんだえる
本作のヒロイン。神山高校1年A組の女生徒で、神山市の「豪農」千反田家の一人娘。
「一身上の都合」により古典部に入部するが、部員がおらず廃部寸前だったために1年生で部長に就任する。地域の祭祀にも深くかかわる名家の娘として、物心のついた頃から社交づきあいをこなしており、あまり物怖じしない。
身長はやや高めで、すらっとした印象を与えるが、アニメ版では着痩せするタイプとして描かれている。肩まで伸びた黒髪、薄い唇と清楚な印象で、誰に対しても敬語を使う典型的なお嬢様キャラ。全体の印象からかけ離れた一際大きな瞳が特徴的。
聴覚や嗅覚が鋭く、視力2.0で夜目も利き、それらを総合した観察力も然ることながら、記憶力にも人並み外れたものがある。学業優秀で成績は学年でも五本指に入るとか。料理も心得ており、文化祭ではその腕前を遺憾なく発揮した。
進級にあたり文理選択では理系を選択している。「システムとして把握していない方法」を能動的に使うことに抵抗を覚えるなど、物事の捉え方も理系寄りらしく、劇中では人心掌握が必要な場面で指南された手順に戸惑いを覚えながらも実践を試みる様子も描かれる。
神山高校への入学前後、ある問題に対して手詰まりになっていたところ、古典部で出会った奉太郎の推理力を見込み、問題解決への協力を請う。他者との距離のとり方が独特で、よくパーソナルスペースに進入しては奉太郎をどぎまぎさせている。
真面目で率直、まず本題を話すタイプで、促されないと詳細を話さないこともしばしば。普段は物腰柔らかだが、興味を引かれること、納得のいかないことに出会えば、「わたし、気になります」という決まり文句を呟き、大きな瞳を輝かせて好奇心の権化(あるいは好奇心の猛獣)と化す。
謎を解く過程で他人の感情にまで踏み入るようなことはしないものの、状況が誰かの不利益につながるようなら突っ走ることもある。奉太郎曰く「押しは強いし誠意にも事欠かない」人物。
不和は苦手としながらも怒る時ははっきり怒り、片や自分に非があると感じればどこまでも自省的。旧知の入須が「自助しようとする人間」と語るように、他者に頼りすぎることには引け目を感じる性分で、奉太郎との関係においても思うところはある様子。
『氷菓』での一連の出来事をきっかけとして、奉太郎に信頼を寄せていくとともに、自身のおかれた環境や進路などの話を少しずつ共有するようになる。
『遠まわりする雛』では千反田の娘としてのしがらみや、自分と結ばれる者が負うであろう負担の一端を体験させた上で、自分はその全てを受け入れるつもりだと奉太郎に告げており、言外に「それでも傍に居てもらえるのか」と窺うような、非常に遠回しな告白とも取れる言動を見せている。
カフェインやアルコールに弱く、ウィスキーボンボンで酔った際には「笑い上戸の絡み酒」と分析され、二日酔いで寝込んでしまった。
カフェインに対する耐性のなさについての豊富な実例は、奉太郎も聞かされている。
ファーストネームに関しては、 〈古典部〉シリーズの没企画を基にした米澤の作品『さよなら妖精』にてえるに相当するキャラクター「白河いずる」が「本来は漢字二文字の名前だがある理由から平仮名にしている」という設定であるため、読者の間では「える」も同様の漢字二文字ではないかとする説がある。
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