「オレが許す 殺せ 邪魔する奴は残らずな」
概要
世界中にその悪名を轟かせるA級首の盗賊団。通称「 クモ 」。これは彼らが 12本足の蜘蛛(団長を蜘蛛の頭、団員たちを手足に見立てている) を自分たちにシンボルにしていることに由来する。そのことから旅団に近しい者は彼らを「クモ」と呼ぶことが多い(旅団のメンバー自身も、自らを「クモ」と呼んでいる」。
これまでにクルタ族の虐殺やヨークシンシティの地下オークション襲撃などを行っている。
前者はクラピカの同胞であり、一族の緋の目を奪い去ったことでクラピカの仇敵となり、ヨークシンでの戦い以降、深い因縁を持つことになった。後者は世界中のマフィア相手に大立ち回りを演じた結果、マフィアの勢力図を一変させたという。
団長は結成以来、クロロ=ルシルフルが務めている。
メンバー全員が凄腕の念使いであり、個々の戦闘能力も(個人差はあるが)極めて高い。その戦闘能力と凶悪さから、「熟練のプロハンターでも迂闊に手を出せない」と言われるほど危険視されており、ハンターを目指す者なら知らない者はおらず、史上最凶とも評されている。
まだ念の基礎しか修得していないヨークシン時点のゴン=フリークスやキルア=ゾルディックでは全く太刀打ちできないレベルの相手。
ハンター専用の情報サイトでは、旅団に関する情報は1億もの高額で取り引きされている(団員個別の情報代金はさらに高いとの事)。
団員の多くは流星街の出身で、社会的に存在を認知されていない者たち。そのためか、他者に対しては極めて酷薄な一方で、仲間意識は非常に強い面も見受けられる。しかし、その一方で、眼の前で仲間がピンチに陥っても助ける気配を見せず、「殺されたら次の奴が戦う」と順番を決めるなど、常人には理解しがたい独特の思想を持っている(ゾルディック家=伝説の暗殺一家という特殊な環境下で育ったカルトですら、そのやり取りを見て「こいつら絶対、変!!」と思うほど)。
その個性豊かなキャラクターや作中での魅力ある描写から、敵でありながら読者人気は非常に高い。
劇中の活動
作中で初めて団員が総登場したヨークシン編では、マフィアによって開かれるオークションの商品を狙って活動を行い、次々とマフィアや彼等に雇われたハンター達を虐殺していき、マフィアの中心である十老頭の実行部隊である「陰獣」も壊滅状態に追い込む。
しかし、旅団を激しく憎悪し復讐を望んでいたクラピカによって、古参で上位の実力者であったウボォーギンが捕らわれる事態となり、その後は救出に成功するものの、鎖野郎(クラピカ)への復讐を望んでいたウボォーギンは単独で戦いを挑み、あっけなく返り討ちに遭う形で死亡してしまう。
その後は、ネオン=ノストラードの占いに従う形でウボォーギンへの「弔い」と称してヨークシンシティのマフィア達を標的とした無差別虐殺を行い撤収しようとするも、十老頭からの依頼を受けたシルバとゼノ=ゾルディックの二人がクロロと交戦。しかし、実際はクロロの方がゾルディック家と依頼関係にあり、この戦いの隙を突く形でイルミ=ゾルディックにより十老頭の暗殺が実行に移された(クロロはシルバとゼノ、十老頭はイルミが担当した為、一応契約の反故にはなっていない。かなり微妙だが)。
ネオンから奪った「天使の自動筆記(ラブリーゴーストライター)」による占いをクロロが行った後、ノブナガ=ハザマを始め鎖野郎への復讐を望んでいた団員がいた事やヒソカの扇動もあって、ヨークシンシティへの残留を決定。鎖野郎に関する情報を求めてゴンとキルアの二人を二度に渡って捕らえるものの、逆に彼等の仕掛けた罠に掛かる形で、団長のクロロがクラピカに捕らわれてしまう最悪な事態となる。
他人の記憶を読み取る能力を持つパクノダを危険な存在と見なしていた鎖野郎からの指示により、人質となっているクロロと引き換えにゴンとキルアの二人を返却する事になるも、その際に「クロロを助けるか」、「旅団の存続を優先してクロロを見捨てるか」で二分化寸前に陥る事態となる。更にはクロロとパクノダの二人が鎖野郎の「律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)」によってルールを定められた結果、クロロは念能力を封じられた上で旅団のメンバーと別行動をとらざるを得なくなり、パクノダは定められたルールを破って旅団の初期メンバーにクロロや鎖野郎に関する情報を提供したのと引き換えに落命。結果的に鎖野郎の正体であるクラピカに関する情報やクロロの身に起きた事実を知るに至ったが、ヨークシンシティでの戦いで団員が2名も死亡し、下手すれば旅団の瓦解になり兼ねない事態にまで陥る顛末となった。
なお、この際に、ヒソカも本性を現す形でクロロに戦いを挑もうとしているが、彼が念能力を使えなくなった事実を聞かされた結果、あっさりと離反する事になっている。
その後は、パクノダの命と引き換えの情報により、クロロが念能力を封じられた上に団員と接触出来なくなった問題を解決しようと奔走。一方で、やる事の無くなったフィンクス=マグカブとフェイタン=ポートオの二人が暇潰し感覚でグリードアイランドの強奪を行いプレイし、飛ばされた世界で殺戮ゲームを実行に移す。
そんな中、シャルナーク=リュウセイの推測によってグリードアイランドの世界が仮想世界では無かった事を突き止め、「ヨークシンシティの東にあった」という事実にクロロの予知と合致する部分があった結果、クロロを縛っている「律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)」を解放出来る除念師がいる可能性を見出す。そして、シャルナークを始めとするメンバーも海路からグリードアイランドへ直接乗り込む事に成功するも、即座にゲームマスターであるレイザーにバレてしまい、島から追放される。
しかし、同じくグリードアイランドに乗り込んでいたヒソカか除念師であるアベンガネを探し出した事でクロロは「律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)」から解放される事になった。
クロロの除念が行われていると思われる中、フィンクス、フェイタン、シャルナーク、ボノレノフ=ンドンゴ、シズク=ムラサキの5人がキメラアントの襲撃を受けている流星街からの依頼を受ける形でザザン率いるキメラアントの一派と交戦。
この際、ヒソカに代わる形で№4として新規加入したカルト=ゾルディックも参戦しており、最終的にフェイタンがザザンを討伐した結果、戦いは終結した。
クロロが念能力を取り戻した後、天空闘技場でクロロとヒソカと決闘が行われる事になり、観客の巻き添えも御構い無しで「盗賊の極意(スキルハンター)」で手に入れた念能力の数々を駆使したクロロがヒソカを殺害する形で戦いは決する事になる。
しかし、一度死亡を確認しただけでヒソカの遺体を完全に破壊しなかった結果、死後に強まる念によってヒソカが自らを蘇生させてしまう隙を与えてしまい、それに加えてマチ=コマチネの不用意な一言を切っ掛けに、ヒソカによって旅団全員の殺害を宣言。その手始めとして、天空闘技場の決闘に関わっていたシャルナークとコルトピの2人が殺害される事態が発生し、これまで圧倒的な力を持って多くの者達の命を奪ってきた旅団の面々が、逆に旅団そのものを壊滅させられかねない程の危険人物2名に狙われてしまう、かつて無いまでに最悪な事態となってしまった。
現在はカキン王族の財宝を手に入れるべく、暗黒大陸へ向かうブラック・ホエール号に乗り込んでいるが、ヒソカの「旅団狩り」に対して、旅団側もまたクロロの命令によって、自分達と同じくブラック・ホエール号に乗り込んでいると思われるヒソカを本格的に抹殺すべく行動を起こす事になり、旅団とヒソカによる仁義なき戦いの幕開けとなった。また、ブラック・ホエール号には緋の眼の件(及びオイト王妃と第14王子ワブルの護衛)で鎖野郎ことクラピカも乗っており、旅団と彼が再び遭遇するのは時間の問題である。
旅団のルール
- 構成員13名で、その証は団員ナンバー入りの蜘蛛のタトゥー(団長がNo.0で、団員は1~12まで)。
- 団員たちは普段、各自自由に行動しているが団長の招集指令に応じて集合し、旅団として活動する。ちなみにマチが伝令役を担っており、招集の仕方には「ヒマなやつ」と「全団員必ず」の2パターンがある。前者の場合はおそらく任意での参加だろうが、後者の場合は全団員に招集がかかり、無視すれば団長自ら制裁に乗り出す可能性もあるという。
- (蜘蛛の)頭である団長の命令は絶対。
- 「団員同士のマジ切れ(=戦闘行為)は御法度」であり、団員同士で揉めた場合はコイントスで解決する。ただし、このルールが適用されるのは団長の命令の範囲内で、かつ一対一で揉めた場合に限られる。
- 「生かすべきは個人ではなく旅団」であり、団員の命よりも旅団の存続が優先される。これは団長であっても例外ではない。ただし、旅団内にも「特攻」などの役割が存在し、それぞれの役割や能力の稀少性などから、ある程度の優先順位は存在している模様。
- 入団志望者が現れた場合、在団員と戦って倒せば交代が認められる。それ以外で欠員が生じた場合は団長がメンバーを補充する。団員が新入りを推薦する場合もあるが、団長の許可無しに入団は認められない(ただし、団長不在時に入団したカルトなど、例外はある模様)。
団員
団長(No.0):クロロ=ルシルフル cv:旧永野善一 新宮野真守 |
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「もう一度言ってやろうか?オレにとってこの状態は昼下がりのコーヒーブレイクとなんら変わらない平穏なものだ」 |
No.1:ノブナガ=ハザマ cv:旧松山鷹志 新内田直哉 |
「あいつが戦って負けるわけがねェ 汚ねェ罠にかけられたに決まってる!!」 |
No.2:フェイタン=ポートオ cv:旧日比野朱里 新山口勝平 |
「かなり ワタシ腕なまてるね いい練習台見つけたよ」 |
No.3:マチ=コマチネ cv:旧並木のり子→上村貴子 新前田玲奈 |
「どこまででも追いかけて あたしがアンタを殺す」 |
No.4:ヒソカ=モロウ cv:旧高橋広樹 新浪川大輔 |
「やっぱりいいよあなたは♥︎絶対にあなたはボクが殺る……♥︎」 |
No.5:フィンクス=マグカブ cv:旧松本吉朗 新KENN |
「おめーら腐っても流星街の住人だろうが!!最期まで根性見せやがれ!!!」 |
No.6:シャルナーク=リュウセイ cv:旧高戸靖広 新日高のり子 |
「あーあ壊れちゃった 次の人間(マシン)探さなきゃ」 |
No.7:フランクリン=ボルドー cv:旧金子幸伸,乃村健次 新木内秀信 |
「最悪なのはオレ達全員がやられて旅団(クモ)が死ぬことだ」 |
No.8:シズク=ムラサキ cv:旧豊後敦子 新荒川美穂 |
「お掃除 完了!!」 |
No.9:パクノダ cv:旧井関佳子 新朴璐美 |
「あたしの記憶 あたしの想い 全て込める…!!お願い 私で終わりに…」 |
No.10:ボノレノフ=ンドンゴ cv:チョー |
「所詮獣の戯言 オレの心には響かない」 |
No.11:ウボォーギン cv:旧竹本英史 新大塚明夫 |
「悲しいぜ オレはたかが戦車と同じ評価かよ」 |
No.12:コルトピ=トノフメイル cv:旧天神有海 新浜添伸也 |
「50は平気」 |
後に入団
No.4:カルト=ゾルディック cv:旧前川優子 新能登麻美子 |
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「結構時間がかかっちゃった 直さなくちゃ 標的を嬲る悪い癖…」 |
No.11:イルミ=ゾルディック cv:旧高乃麗 新松風雅也 |
「これ刺して命令すると死ぬまで頑張ってくれるんだよ てゆーか頑張りすぎて死ぬんだけど」 |
退団(劇場版オリジナル)
余談
劇場版『緋色の幻影』公開時に観客(先着100万名)に配布された第0巻における作者の一問一答において、原作者は「今後、クラピカと旅団はどうなるのか?」という質問に対し、「全員死にます」と答え、ファンに衝撃を与えた。
ただし、この答えに関しては読者の間でも「戦いなどの何かしらの要因で死ぬのか」「それとも単に人間だからいつかは死ぬというだけの意味なのか」……など、意見(推測)が分かれるところとなっている。
なお、世間では誰彼構わず皆殺しにする「極悪非道の盗賊」と思われているが、本人達は「ムカツく奴等にゃ容赦しねェ」くらいが妥当だと思っている。
シルバは過去に仕事で団員の一人を殺害しているとされるが、その団員が何者であったか、誰の依頼は不明である。