概要
JR東日本がひたち運用の485系置き換えのために製造した特急形電車。4M3Tの7両からなる基本編成と2M2Tの4両からなる付随編成がある。この列車には特急形電車としては珍しく、ひたちとして運用していた頃はグリーン車が無かった。また民営化以降の列車としては珍しく、国鉄485系電車同様に汎用形特急電車として他の路線への転属を考慮した耐寒装備や3電源対応(直流1500V・交流20000V-50/60Hz-)構造となっている。ただし、狭小トンネル通過は対応していない。
編成・車両
車体はアルミニウム合金製ダブルスキン構造となっている。主変換機は近年の車両ゆえご多聞にもれずVVVFインバータ制御(IGBT)となっており、パンタグラフもシングルアーム形を採用している。また、死区間内(デッドセクション内)通過中の交直切替はE501系と同じくATS-P地上子を利用した交直自動切換であるため、その間の車内照明は蓄電池からの供給となり基本的に消灯しない。ただし、何らかの理由により手動で交直切替を行う場合は消灯する。
制動装置は電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)であり、耐雪ブレーキ(補足参照)、抑速ブレーキを装備している。また発電ブレーキ(補足参照)を装備する準備工事がなされている。
2013年にひたちの運用がE657系に置き得られて、運用離脱。その後1000番台に改造されて、2013年秋より羽越本線の特急いなほで運用されている485系を置き換えるとの発表があった。これにより新潟支社にも民営化後の特急型車両が導入されることになる。
編成と色
1.スカーレットブロッサム(赤)-偕楽園の梅の花と好文亭。
3.イエロージョンキル(黄色)-ひたち海浜公園の黄色い水仙。
4.グリーンレイク(緑)-霞ヶ浦の水面とその上に浮かぶ帆曳舟。
5.オレンジパーシモン(朱色)【増結編成】-袋田の滝と紅葉の風景。
細かい装備の差異
上野寄りの先頭車(1000番台では秋田寄り先頭車)は乗客用の扉が左右2箇所ずつ、それ以外は左右1箇所ずつという変則的な配置となっており、いわき寄りの先頭車(クハE653)の付随編成(100番台)はいわき寄りに車両の併結を行わないため連結器には電気連結器が併設されていない。
また上野寄り先頭車は新潟支社への転属に伴いグリーン車に改造されたため製造番号のほかに形式記号も変更となっている。(クハE652-0 ⇒ クロE652-1000)
補足
- 耐雪ブレーキ・・・車輪と制輪子を常時弱く当てた状態にして凍結や雪の入り込みを防ぐ。
- 発電ブレーキ・・・モーターを発電機として動作させ抵抗器で熱として消費し速度を落とすブレーキ。架線に電力を戻すことはできないが、饋電区間内の他の列車の走行状態に左右されないため安定した電制がかけられる。
関連タグ
E751系・・・本稿の車両を基にして製造した交流50Hz区間専用特急形電車。
もしかしなくても→スーパー戦隊