概要
足が三本生えているのが一番の特徴。(別名「金烏(きんう)」とも呼ばれ、「玉兎(ぎょくと)」とは対のものとされる。)
咫(あた)は長さの単位で一咫=約18cmとされるが、八咫烏の場合、単にそれほどに大きいという意味で使われている。
なぜ三本足と曲解したかを語ると些か数秘術的でこじつけ臭い。
日本古代神話において、神武天皇が熊野の暗い山道を抜ける際に金色に発光して天皇を導き、大和への道を案内したとされる。また『日本書紀』でも金鵄(きんし)という金色に輝く鳶が出現し、神武天皇を助けたとされ、同一視されることもある。
熊野三山では神の使いであるミサキ神として祀られており、熊野山系の一部では、烏は今でも神鳥として大切にされている。
また、JFA(日本サッカー協会)、陸上自衛隊中央情報隊のシンボルマークなど、各所で八咫烏をモデルとしたマークは使用されている。
戦国時代の傭兵集団・雑賀衆の頭目である雑賀孫市の紋所も『雑賀黒鳥(さいかこくちょう)』という八咫烏を元としたものを用いている。
その他にも壬申の乱で大海人皇子の挙兵に参加した十津川村の住人(後の十津川郷士)なども八咫烏をその象徴としている。
芥川龍之介の小説版桃太郎では、桃太郎が生まれた原因を作ったのも八咫烏とされている。イザナギが黄泉の国から逃げた際に植えた桃の実をつついたのが八咫烏であり、それが落ちて川に流され、御婆さんに拾われたということになっている。
科学的な観点から見た八咫烏
現実の遺伝子異常では結合双生児と同じ原理で足の本数が余分に生えてうまれる確率は高いが大多数は合計して偶数本であり、アシンメトリーとなると(理論的には有り得るが)天文学的確率に及ぶ。