曖昧さ回避
- 古代メソポタミア、シュメール初期王朝時代のウルク第1王朝の伝説的な王。メソポタミア神話に登場する英雄でもある。
- FFこと「ファイナルファンタジー」シリーズに登場する架空の人物。
- 「Fateシリーズ」の登場人物 →ギルガメッシュ(Fate)
- 「ドルアーガの塔」の主人公。1をモチーフにしている(ただし、正式には「ギルガメス」)。
- 石ノ森章太郎作の漫画、および、それを原作としたテレビアニメの題名。
- V系ロックバンド →Girugamesh
- ウィザードリィシリーズに登場する酒場。(ギルガメッシュの酒場) パーティーの入れ替えなどができる。
本項では主に1・2について記述する。
概要
古代メソポタミアはシュメール初期王朝時代のウルク第1王朝(BC2600年頃)の王。
最古の英雄譚といわれる「ギルガメッシュ叙事詩」の主人公として有名。
ギルガメシュはアッカド語名で、シュメル語での名前はビルガメシュ。
「歴史上の人物としてのギルガメッシュ」
シュメール王名表によれば彼は風魔リルの息子とされ、都市国家ウルクの王として127年間在位した。
ただし、後世の神話ではルガルバンダの息子とされている。
彼の名は後の王賛歌や神名表等に冥界神として多く現れており、死後すぐに神格化されたと考えられているが、彼自身の発行した行政文書等の、実在を証明する史料は見つかっていない。
しかし、伝説の中でギルガメッシュとともに登場するキシュ王エンメバラゲシの実在が確認されていることからギルガメッシュ王も実在したとする説が有力。
しかしながら、王の神格化が一般的に行われるようになった時期との食い違いを元に、架空の人物だとする説もある。(実在が確認されている王で神格化が最初に行われたのはアッカド王朝第4代王ナラム・シン、在位BC2254〜2218年)
他に彼の業績としてウルクの城壁を建造したことが重要視され、バビロン第1王朝時代にも引き合いに出されている。
彼に関する文書の中で特に著名なのはやはり「ギルガメッシュ叙事詩」である。
これは今日最も知られているアッカド語文学であり、シュメルのビルガメシュ伝承を元に編纂され、BC1800年頃に古バビロニア版が成立、その後も幾度かの改変を経たのち、BC1200年頃に現在標準版と呼ばれる版が成立し、様々な言語にも翻訳されてセレウコス朝時代まで広く受け継がれた。
標準版は11枚の書板から成るが、新アッシリア時代(BC1000〜BC609年頃)に、ビルガメシュ伝承「ビルガメシュ、エンキドゥ、冥界」が第12の書板として追加される。
叙事詩全体で3000行程度あったと推測されているが、欠損も多く現存するのは約半分の1500行ほど。
またこの文学作品は聖書よりも古い人類最古の文学作品としても著名である。
叙事詩のあらすじ
第一書板
ウルクの王ギルガメッシュは、ウルク王ルガルバンダと女神リマト・ニンスンの間に生まれ、3分の2が神で3分の1が人間だった。(この3分の2が神、3分の1が人間という設定はビルガメシュ伝承にはない)
ギルガメシュは暴君だったため、それに苦しんだウルクの人々の祈願を聞き入れたアヌ神は、アルル女神に命じてその競争相手として粘土からエンキドゥを造らせた。
しかし生まれたばかりのエンキドゥは知性を持たず、全身を毛に覆われた姿で動物たちとともに行動するなど野獣そのものであった。
エンキドゥは狩人(ヒッタイト語版ではシャンガシュ)の仕事を妨害したため、彼に怯え、悩んだ狩人はそれを父に訴えたところ、父はウルクのギルガメッシュにこの事を報せるよう息子に言った。
報せを聞いたギルガメッシュがエンキドゥに神殿娼婦のシャムハトを遣わせると、エンキドゥは彼女と6夜7日を一緒に過ごし、力が弱くなったかわりに思慮を身につける。
第二書板
不思議な夢を見たギルガメシュは、母であるニンスン女神にそれについて尋ねたところ、ニンスン女神は息子に、おまえに対抗する者が野に生まれ、やがてウルクにやってくると告げる。
シャムハトに導かれたエンキドゥは、都市での作法等を彼女から教わり野人から文明人へと変化を遂げ、ギルガメシュの対抗者としての使命を果たすためにウルクに向かう。
やがてウルクに現れたエンキドゥとギルガメシュは力比べをするが決着がつかず、やがて二人は友人となり、さまざまな冒険を繰り広げることとなる。
(余談だが、この力比べ以降のギルガメッシュは友となったエンキドゥの諌言を受け入れるようになり、暴君ぶりは鳴りを潜めた事から『最古の光落ちキャラ』と言えなくもない。)
第三書板〜第五書板
ギルガメシュは、後世に残る名声を打ち立てるため、杉の森に住む守護者フンババを倒し、杉を得ることを考える。
フンババの恐ろしさを知るエンキドゥはこれに反対するが、ギルガメシュは彼を説得して遠征に出発、シャマシュ神の助力を得て遂にフンババを捕らえることに成功する。
命乞いをするフンババをギルガメシュは見逃そうとするが、エンキドゥがそれに反対、短剣でフンババの首を切り落として殺害、二人は杉をウルクに持ち帰った。
第六書板
帰還し、盛装したギルガメッシュに惚れ込んだ女神イシュタルは彼に求婚したが、ギルガメシュはかつて求婚を受けた男性たちが彼女により与えられた破滅の末路をあげつらった挙句、完全に彼女を拒絶した。
怒った女神は父であるアヌ神に彼が私をなじったと訴え、復讐のために天の牡牛を要求。
アヌ神は彼女が彼を挑発したから、彼もお前の愚行をなじったのだと諭すも彼女は聞き入れず、冥界の死者たちをよみがえらせ、彼らに生者を食わせ死者が生者より多くなるようにするぞと言ってアヌを恫喝。
困ったアヌはウルクに七年間の飢饉が起こると言うが、七年間の豊作を用意すると彼女は答える。
アヌ神はイシュタル女神の怒りの大きさに、ついに「天の雄牛」を造りその手綱をイシュタルに渡してしまう。
イシュタルによりウルクに送り込まれた牡牛は大暴れし、街を破壊し多数のウルク市民を殺した。
ギルガメシュとエンキドゥは協力して天の雄牛を倒す。
第七書板
これを見た神々は二人がフンババと天の雄牛を殺した廉で神々の会議を開催、シャマシュ神の弁護も虚しくエンリル神によりエンキドゥの死が定められる。
(神々の会議のシーンは標準版では欠損、ヒッタイト語版に描写が残る)
これによりエンキドゥは病に倒れ、ギルガメシュに看取られながら死んでいった。
第八書板〜第十書板
ギルガメッシュは大いに悲しむが、自分と同等の力を持つエンキドゥすら死んだことから自分もまた死すべき存在であることを悟り、死の恐怖に怯えるようになる。
そこでギルガメシュは昔、エンリルの起こした大洪水を箱船に乗ることで生き延び、そして永遠の命を得たウトナピシュティムに会って永遠の命の秘密を聞き出すために旅に出ることを決意し、荒野を、マーシュの山の暗闇を、ついには死の水をも超えて、ウトナピシュティムに会うことに成功する。
第十一書板
ウトナピシュティムによる大洪水に関する説話ののち、生命の秘密を教えるための試練を課されるがこれに失敗し、ウルクへの帰路につく。
しかし、出立の際にギルガメシュの労苦を哀れんだその妻の助言により、ウトナピシュティムから若返りの草(シーブ・イッサヒル・アメル:老人を若者にの意)のありかを教えられ、それを手に入れることに成功する。
が、ウルクへの帰路の途中、水浴びの際の隙をつかれてそれを蛇に食べられてしまう。これにより蛇は脱皮で若返りを繰り返すことによる永遠の命を得た。
若返りの草を失ったギルガメシュは失意のままウルクに戻った。
ギルガメシュの墓発見の可能性
2003年にドイツの発掘隊により、ウルクそばの古代のユーフラテス川床跡より、ビルガメシュ伝承の一つ、「ビルガメシュの死」の描写に似た、ギルガメシュの墓の可能性のある遺跡が発見されているが、イラクのその後の混乱の為その後の情報はない。
ファイナルファンタジーシリーズ
元ネタは1、ただし名前だけ。どちらかといえば「武蔵坊弁慶」が主なモデルのようだ。
エンキドゥと共に様々な形で登場する。
CVは12では郷里大輔。DDFFでは中井和哉。チョコボでは真殿光昭。
エクスデスの部下として各地を暴れ回る“自称”剣豪。敵でありながら義理人情に厚く、コミカルな面が非常に目立つ。バッツ達とは何度も刃を交える内に友情が芽生え、最終的に次元の狭間で敵に苦戦する彼らを助けた。
インパクトの強いキャラクターであり、敵として登場するキャラクターでありながら非常に広く愛されている。
数々の名(迷)台詞を残しており。彼の最後の姿はプレイする者皆に感動を与えた。
バッツをライバル視しているが、一方的。
武器を集めており冒険者たちを襲っては得ていたが、それら全てが偽物という。
また、このエクスカリパーが原因でエクスデスから「役立たず」呼ばわりされ、彼によって次元の狭間へ落とされた後は様々なFF世界に出没する事となる。また、本人ではないものの同名の存在も少なからず登場している。
1
PSP版以降のリメイクにて追加された隠しダンジョンに登場。
最強の武器を求めてこの世界にやって来た所を光の戦士(プレイヤー)と出会い、戦闘になる。
彼との戦闘の時だけ、専用BGMの「ビッグブリッヂの死闘」になるなど、妙に優遇されている。
4
4本編の続編にあたる「ジ・アフターイヤーズ」に隠しボスとして登場。
クリスタルの記憶から再生された存在で、厳密には本人ではない。自分を倒したセシル達をバッツと勘違いしながら消滅した。
6
GBA版リメイクに登場。
コロシアムでエクスカリパーを賭け品にして出場すると乱入、そのまま戦闘になる。倒すと召喚獣として力を貸してくれるようになる。
8
オーディンを仲間にしている状態でルナティックパンドラにおけるサイファーとの戦いに突入すると、オーディンがサイファーに逆に真っ二つにされてしまう「斬鉄剣返し」が発生。彼の手元から離れた斬鉄剣を拾ったギルガメッシュが乱入してくる。サイファーをバッツと勘違いした彼が一撃でサイファーを吹き飛ばしてしまうシーンは有名。「ぎにゃあああああ!!!!」
以降は乱入型G.F.として仲間になる。
9
「四本腕の男」として登場。
サブイベントでの存在で、他作品のように戦闘に絡んでくる事はない。
11
エルシモ島にあるノーグの頭領として登場。
こちらは普通の人間で、ギルガメッシュ本人ではない。
12
モブとして討伐対象にされている。「イヴァリース一の剣豪」を名乗っており、依頼を受けたヴァン達と戦う事になる。
スクエニ合併後であるためか、ドラゴンクエストの「ロトの剣」の偽物<トロの剣>を所持している。
13-2
追加DLCにてコロシアムの対戦相手として登場。
最初は「次元の狭間で拾った」らしいマシンガンやロケットランチャーといった近代銃器で攻撃してくるが、ある程度ダメージを与えると剣系の武器に持ち替えて本気の勝負を挑んでくる。
倒すと仲間モンスターとしてパーティーに加える事が可能。
零式
本人ではないが、ロリカ同盟の国主「ギルガメッシュ・アッシュル」が登場。
ミリテス皇国に玄武クリスタルを奪われた影響で自我を失い暴走しており、戦場で対峙した相手から武器を奪っている。
作中で何度も戦う事になるが、最後に戦う時に彼に負けると本当に武器を奪われてしまう。
DFFシリーズ
召喚獣として登場する他、続編のDDFFでは隠しキャラクターとして参戦した。
所属陣営はカオス側だが、神々の闘争に呼ばれた訳でもないのに次元の狭間経由で異世界に現れたらしい(ちなみに公式クエストにて、彼も神に召喚された戦士である事が判明する)。
宿敵バッツとの戦いを夢見て様々な場所に現れ、ついに念願の決闘にまで持ち込もうとするが、次元の狭間の影響で戦いの最中に消えたまま行方不明となってしまった。
戦闘では、物理攻撃の際に様々な効果のある武器をランダムに取り出すという、ややギャンブル性の高いキャラとなっている。それを除けば、カオス側のキャラクターとしては比較的オーソドックスで扱いやすい性能。
関連タグ
ファイナルファンタジーシリーズ FF5 FF8 FF12 じばく 多腕 エンキドゥ
石ノ森章太郎 紀世子(円紀世子) 円竜也 藤崎イサム 影山紘子 ノウェム