概要
仮面ライダーの中でも異色の雰囲気が漂う作品だが、これは前作『仮面ライダーX』が試行錯誤及ばずヒットしなかったためそれまでのライダーとは違った作風を求められたためである。本作は初期仮面ライダーの怪奇性を基にしつつも、そこに南米アマゾンの野性味と古代インカ文明をモチーフとした設定を混ぜ合わせた事によって、それまでとは全く違った仮面ライダー像を作り出すことに成功した。だが、如何せんその怪奇性とアマゾンの凄惨な戦い方が児童達からドン引きされてしまい、視聴率はふるわなかった。だが全24話でコンパクトにまとまったストーリーや主人公アマゾンの素朴なキャラクター、一種独特な雰囲気の内容から今でも根強いファンを有している。
腸捻転
毎日新聞社系の毎日放送(MBS)が朝日新聞社系の日本教育テレビ(NET、現テレビ朝日)と、朝日新聞社系の朝日放送(ABC)が毎日新聞社系の東京放送(TBS)と系列を組んでいた。これを俗に「腸捻転」と呼ばれていた。
「仮面ライダー」シリーズは毎日放送製作で日本教育テレビにネットされていた。
これを「仮面ライダーアマゾン」放送後に本来の系列に戻すという措置から、全24話で放送が終わると最初から決定しており、打ち切りではない。次作の「仮面ライダーストロンガー」から毎日放送製作で東京放送にネットされるようになった。
アマゾンライダー
南米アマゾンで育った日本人、山本大介が長老バゴーの持つ古代インカの秘術によって生体改造された後、神秘のパワーを持つインカの秘宝「ギギの腕輪」を移植されたことによって変身したライダー。昭和ライダーとしては珍しく機械的な改造を施されていないライダーである。当初はバイクも嫌っていたが、インカの遺産「太陽の石」をエネルギー源にしたバイク「ジャングラー」は気に入ったのか野生の勘で乗り回している。
変身の掛け声が「変身」ではなく、「アァ゙~~~ッマァ゙~~~ッゾォオオオオオンッ!!!」という全力シャウトなのも印象的。両腕を「ア」で凹の字に掲げ、「マ」で交差させ、「ゾン」で腕をまた開いて掲げると、両目が赤く輝き変身する。
必殺技は手の爪やカッターを活かした切断技「大切断」。その他にも牙を使った噛みつき攻撃「ジャガーショック」や引っ掻き技の「モンキーアタック」などなど、ワイルドな攻撃方法を用いる。
十面鬼ゴルゴスの持つ(後にゼロ大帝に奪われる)「ガガの腕輪」を「ギギの腕輪」と合わせると能力を増幅することができ「スーパー大切断」を放つ。
南米の大自然の中で育ったためか性格は純粋で素朴な人間。手を組んで見せ合う「トモダチ」の仕草は彼の純粋な友愛の印である。薬草から自然薬を作ったり古代インカ文字を読み解いたりと多才な一面も見せる。
なお、本名は山本大介なのだが本人は完全に忘れているため終始アマゾンと呼ばれている。
また、割と序盤に日本語をマスターし、最後はスーツ姿で南米に帰って行ったのだが、その設定は後の作品で登場の際には忘れられていたのか、結局野性児のように扱われている。もうすっかり都会派です。
ちなみに、当初はそれ以前のライダー同様昆虫モチーフのデザインの予定であったが、石ノ森章太郎の閃きによりマダラオオトカゲをモチーフにしたデザインに変わったらしい。
見た目はザ・野生児といった感じで仮面ライダーの中でもかなりロングヘア。『仮面ライダーストロンガー』に登場したときは、まとまった短髪でいつもの服装で登場した。八重歯が見える純粋無垢な笑顔で描かれることが多い。
余談
漫画『仮面ライダーSPIRITS』にも出演しているためpixivでも知られた存在。その純朴な人柄から女性ファンも多いが、ありがちな腐向け指向なイラストは少なくむしろ彼個人をフィーチャーした作品が多い。今も昔も母性をくすぐるなんとなく放っておけない男なのである。
ちなみに、名前つながりで通販のamazonネタも大く投稿されている。