カブトガニとは、
節足動物門 鋏角亜門節口綱 カブトガニ目 カブトガニ科 カブトガニ属に属する動物種。
古生代からその姿を変えていない「生きた化石」。
日本に生息するオオカブトガニは、高度成長期の乱開発の煽りから絶滅危惧種となっている。
概要
漢字では、『鱟(學-子+魚)』、もしくは『甲蟹』、あるいは『兜蟹』と表記する。
フライパンのような独特の形態をもつ、古生代からその姿を変えていない生きた化石の代表選手のひとつ。
ただし分類を見れば解るとおり、殆ど独自の種と言っていい。クモやサソリもあくまでもカニより近いというだけで、亜門まで分類を遡らねばならない。同じくカブトガニ(節口)綱に属するウミサソリ(古生物)がクモ綱の生物にも近いためこのように説明される事が多い。
この他仲間とされるのはウミグモ類。
またカブトエビは似たような外見的特徴を持っているが、同じく亜門まで分類を遡るとカニの仲間であり、カブトガニとは比較的かけ離れた種である。
血液の酸素結合物質が銅のため、その血は淡い青色をしている。
干潟などの遠浅の穏やかな海に生息している。日本に生息するものは日本だけにいる固有種であり、カブトガニ類の中でも最大級の大きさに成長し、個体によっては80cm前後までになる。
主な食糧はゴカイなどの小型の水棲生物。
日本では環境汚染によってその個体数を激変させており、環境省の保護動物の中でレッドリスト(絶滅危惧種)に指定されている。また、その生態が生物の進化の謎の一端を解明することに繋がるとして、一部の地方に棲むものは天然記念物にも指定されている。
ちなみに絶滅危惧種になる前は畑に肥料として撒かれていたり、釣りや家畜の餌として使用されるといったぞんざいな扱いをされていた。現在は絶滅危惧種として指定されているため、その様な事をしようものなら当然処罰の対象になる。
生息地
国内での現在の主な生息地は、瀬戸内海の本州沿岸の一部と九州の一部の干潟や海岸で生息が確認されている。
亜種
北アメリカにアメリカカブトガニ、東南アジアにマルオカブトガニとミナミカブトガニが生息する。
たまにカブトエビと間違われることがある。
その他
引っ繰り返ると起き上がれなくなる……
……というようなことはないが、多少は苦労する。
近年、その血液に細菌試験の突出した効能を示す酵素が発見され、医療機器の細菌汚染を確認する「LAL試験」で重宝されており、現代医療にとってカブトガニの血中の酵素は不可欠な存在になりつつある。
アメリカ東海岸で主に生産され、年間25万匹以上のカブトガニが捕獲される。血液採取のために捕獲されたカブトガニも30%の血液を採取したのちは、ある程度の療養をさせたのち海に還される。
しかしそれでも全体の30%は放流後に死亡しているため、現在カブトガニへの負荷を減らすために人工的な高性能LAL試験薬の研究開発が進められている。
なお、福建省の一部などの中国南部から東南アジアにかけての地域では、カブトガニ類を食用として食べる習慣がある。
関連タグ
創作・フィクション関連
アンシェントドーザー(ダライアス外伝)