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マツカサトカゲの編集履歴

2019-10-16 16:22:00 バージョン

マツカサトカゲ

まつかさとかげ

マツカサトカゲ(Tiliqua rugosa rugosa)は、爬虫綱有鱗目トカゲ亜目スキンク科マツカサトカゲ属マツカサトカゲ種に分類されるトカゲ。

概要

マツカサトカゲ(Tiliqua rugosa)は、爬虫綱有鱗目トカゲ亜目スキンク科マツカサトカゲ属マツカサトカゲ種に分類されるトカゲの一種。

現在、ニシマツカサトカゲヒガシマツカサトカゲシャークベイマツカサトカゲロットネスマツカサトカゲの4亜種から構成される。各亜種についての詳細はリンク各項目を参照。

学名

Trachydosaurus rugosus

和名

マツカサトカゲ

古くは図鑑などで「尾なしトカゲ」と紹介されていた時代もあった。太くて短いが尾が無いわけではない。

英名

  • Sleepy Lizard(ねぼすけトカゲ)
  • Pinecone Lizard(マツボックリトカゲ)
  • Shingleback skink(小石だらけの背中のトカゲ)
  • Stump-tailed skink(切り株しっぽとかげ)
  • Bobtail skink(切り尾のトカゲ・尾なしトカゲ)

分布

オーストラリア連邦 オーストラリア西部から南部・南部から東部の主に海岸沿いの内陸部に分布

森林・乾燥した荒れ地に生息する。

オーストラリアの南側の海岸沿い内陸部に生息する理由として北部には捕食者のイリエワニオーストラリアワニジョンストンワニ)が、さらに中部から西部にかけてオーストラリア最大のオオトカゲであるペレンティモニターオーストラリアオオトカゲ)が生息していることが考えられる。フトアゴヒゲトカゲレースモニターとの生息競合もあり自然と今の分布になったと考えられる。

形態

成体で37~50センチメートルに成長する。(ロットネス亜種とアスパー亜種の一部は30センチ前後)

舌は濃い青紫色。口腔内は明るいピンク色。

普段はひどく臆病でおとなしいが危険を感じると口を大きく開け舌を出して威嚇する。

動きが緩慢なトカゲだが太陽の紫外線下では俊敏に行動する。

短い尻尾に栄養をため大きく肥大するためどちらが尾か頭部かわかりにくくこれによって外敵を混乱させて身を守っていると推測される。

脱皮を繰り返し成長する。


個体差が激しく外見上から雌雄判別することは困難である。


顱頂眼【ろちょうがん】がレンズ状に発達している。

顱頂眼(もしくは頭頂眼)は光の感受性を持った「第三の目」で体温の維持に役立っていると言われている。


松かさのような強靭なうろこに覆われる。幼体の体は柔らかいが成体の体はワニ革のハンドバッグような硬さがあり外敵を寄せ付けない。

雌雄の判別

個体差が激しく外見上から雌雄判別することは困難である。総排泄口を開きペニスの有無を確認することで判別する。

オスは鼻筋が太い・メスは鼻筋が細い鼻筋の細いオスが存在する。雌雄は関係ない。
オスは頭が大型化する。エラがはっているのがオスである頭部の小さいオスが存在する。頭の大きさや形だけでは判別がつかない
色がはっきりしているのがオスである色の違いは生息地の違いと個体差であり雌雄は関係ない。
尻尾が長いのがオスであるオスの方が尻尾が長い傾向があるが栄養状態で尻尾の形状が変化する。亜種によって尻尾の形状が異なり個体差もあるのでこれをもってして雌雄判別はできない。
オスメスで尻尾の形状が違う。アスパーでは尻尾の先が丸みを帯びる個体と紡錘状に尖る個体がいるが雌雄は関係ない。

ポッピングは強い力で絞り出すためしっぽや背骨を損傷する可能性があるので通常行わない。

分類

日本での呼称別名亜種分類英名Tiliqua rugosa年号
ニシマツカサトカゲルゴッサ基亜種Tiliqua rugosa rugosa1825年
ヒガシマツカサトカゲアスパーTiliqua rugosa asper1845年
ロットネスマツカサトカゲコノウィー最小亜種Tiliqua rugosa konowi1958年
シャークベイマツカサトカゲパラーラ希少亜種Tiliqua rugosa palarra 2000年

生態

草原森林や乾燥した荒れ地などに生息する。

雑食性で何でもよく食べ昆虫、カタツムリミミズ甲虫の幼虫・動物の死骸、花、果実などを食べる。

昼行性だが昼間から眠って過ごすことも多い。(出典:英名のSleepy Lizard(ねぼすけトカゲ)の由来となっている。)

自然下では春に植物質のえさを食べて栄養をたくわえ、食料の乏しくなる夏から秋にかけては食事量が少なくなり冬眠する。

冬眠明けの早春に出産ピークを迎える。

親の半分ほどのベビーは、春の間にたくさん食べ、厳しい夏の天候に耐えられるように大きく成長する。


マツカサトカゲは自然下では多くの寄生虫やダニを媒介するとされる。しかし当のマツカサトカゲはダニや寄生虫がいても問題なく元気な事が多い。


飼育下でも低温下では冬眠する。

飼育下での寿命は10年~30年

天敵

ディンゴ・飼い犬・野良猫などの哺乳類

ペレンティモニター(オーストラリアオオトカゲ)・レースモニターなどの大型爬虫類

オナガイヌワシなどの猛禽類

その他 自動車にひかれて死亡する個体も多い。

繁殖について

繁殖様式は胎生。1回に1頭・まれに2頭の幼体を産む。

現地の立て看板やドキュメンタリー番組によると一度カップルが成立すると生涯相手を変えないとされている。(←飼育下で要検証)


冬眠明けに毎年同じつがいが仲良く寄り添い(人間にはそう見える)繁殖行動をとる。

人為繁殖について

不明な点が多く確立されていない。他のトカゲ同様クーリングさせることで繁殖活動が活発化することは知られている。メスは性成熟に数年かかると思われる。

人間との関係

動物園水族館で飼育されたりペットとして飼育される。人為的な繁殖は非常に難しい。現地の立て看板ドキュメンタリー番組によると動きが緩慢なので現地では自動車にひかれて死亡することが多い動物の一つとなっている。オーストラリアでは動物の輸出入を厳しく禁止しているため高額で入手しづらい爬虫類の一つとなっている。性格はおとなしく人にもよく慣れ丈夫で飼いやすい個体が多い。

マツカサトカゲの飼育方法

水槽

ベビー単体なら45センチ~60センチ水槽

成体なら90~120センチ水槽で単独飼育が可能である。中型種であるが尻尾と手足が短いため比較的コンパクトに飼える。

比較的おとなしいトカゲであるがはげしくかむ個体、気性のあらい個体などもいるため個体同士の相性もあり単体での飼育が望ましい。


隠れる場所を用意する。もぐりこめるように布状のヤシガラシート・古タオル新聞紙などでもよい。もぐる・かくれる・掘るができない水槽は落ち着くことのできない空間であり大きなストレスとなる。体を丸めて休息するため丸まった状態で就寝できる隠れ場所が必要となる。

床材

ヤシガラ(ハスクチップ)のマットを使用する。もぐる・ほるが好きなトカゲなのでペットシーツでの長期飼育は向いていない。

誤飲しないよう粗目の物を使用する。細目の物を混ぜて使用しても良い。(餌をあたえるとき注意してやる。床材のヤシガラを口に含んでいたらピンセットで取り除いてやる。)

ライト ・日光浴

スキンクなので紫外線要求量は高くないがクル病予防のため80~100WのUVライトをつける。 食後のバスキングは行わない個体も多いが用意して温度勾配をつける。

真夏以外の晴れている日は5~10分の日光浴をさせてあげられればなおよい。(日光浴熱射病にならないように日陰で行うと良い。カラスに襲われないように決して目を離さない、離席しないこと)

夏場は室内熱中症で死に至ることがあるので窓越しでも直射日光を避ける。エアコンを使わない場合はライトも切る必要がある。

野菜

小松菜サラダ菜サニーレタスチンゲン菜グリーンリーフサンチュなどくせ・灰汁の強くない葉野菜

ニンジンカボチャサツマイモなどの根菜(ゆでるかピーラーで薄くスライスして与える。)

豆腐も食べる。

果物

バナナパイナップルミカンリンゴトマトなど。糖度が高いのでたまに与えるにとどめる。回数・量は少なめにする。

生餌(市販の物)

ピンクマウスイエコオロギフタホシコオロギミルワームデュビアハニーワームシルクワームなど。

冷凍エサ

雛ウズラ・ピンクマウス・レップミールなど。

肉類

鶏肉・生卵・ゆで卵など。

(痛風・肥満の原因になるため肉類は頻繁に与えず、たまのごちそうにとどめる。)

合成フード

爬虫類用の人工飼料、ドッグフードキャットフードなど何でもよく食べる。

乾燥系のえさ

乾燥コオロギ・乾燥ミルワーム煮干し干しエビ・乾燥シルクワーム・乾燥ヒナウズラなど

そのままバリバリ食べるので常温で保存がきき便利である。

給水

水入れを用意する。水入れから飲まない個体もいるのでスポイトで飲ませる、水でふやかしたフードを与える、野菜や果物を与えるなど、脱水予防に常に留意する。

ミネラル・塩分など気になる場合は小鳥用の塩土を置いておくと自分でかじって調節する。


温度管理

飼育温度は23~32度程度。幼体は成体より高い温度が望ましい。

夏場の直射日光は短時間でも熱中症を引き起こし死に至る危険が高い。(爬虫類・トカゲはお日様が好き・という思い込みは危険である。)

日光浴は日陰で行うのが良い。

16~18度以下になると活動・食欲がおちるので冬は注意する。(保温のし過ぎに注意)

秋~冬~春は底面ヒーター水槽の底半分の面積を保温する。

春と秋の夜間および冬は終日、保温球かセラミックヒーター(40~60W)で水槽内を保温する。

クーリングする場合は日本の冬は寒すぎるため室内で行う。

温浴

温浴はほとんどの個体が嫌がりストレスになるので頻繁に行わない。

便秘の時や脱皮前後など限られた場合のみでよい。

出典

学習研究社刊行 学研の図鑑 「爬虫・両生類」1973年版 カラー38ページ

別表記

テラチドサウルスシングルバック松毬蜥蜴

注意事項

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関連項目

トカゲ爬虫類 スキンク科

ニシマツカサトカゲヒガシマツカサトカゲロットネスマツカサトカゲシャークベイマツカサトカゲ

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