解説
一年戦争時に制作されたバストライナー砲の流れを組む航宙用の大型メガ粒子砲で、大きさはモビルスーツの全高に匹敵する。
スラスターを搭載しているため、フライトシステムとしても活用可能。
主にZガンダム本編にて、クワトロ・バジーナが宇宙空間での長距離狙撃を行うために使用された。
利点と欠点
登場当初は威力もあまり高くなかったが、アーガマ内で強化改修を行って以降は、一撃で多数のMSを消滅させる程の威力を持つようになる。
反面、莫大なエネルギーを消費するため原則として連射はできない。これを補うため、TV版では廃棄品をリストアしたゲルググ、劇場版第2作においてはメタスをエネルギー補給用として随行させ、ランチャーと随行機のエネルギータンクと連結させる事により3~4回発射していた。また、普通のライフルなどのように出撃前から百式が携帯することができないほど大型なため、アーガマのカタパルトから別途射出してもらわないと装備できない等、試験兵装ならではの弱点が多い。
クワトロの戦果
TV版で狙撃作戦が実行されたのは4回。
①10話
ランチャーの初登場。パプティマス・シロッコの操縦するメッサーラを狙ったが外れる。
②32話
パプティマス・シロッコの搭乗する戦艦ドゴス・ギアを狙う。
第1射は艦橋を狙ったが外れ
第2射は右舷カタパルトデッキに命中
第3射は艦橋前方付近を通過し外れ
第4射は左舷カタパルトデッキに命中
ドゴス・ギアは撤退に成功したため撃沈できず。
③38話
ガディ・キンゼーとレコア・ロンドが搭乗する戦艦アレキサンドリアを狙ったが、レコアのニュータイプ能力により狙撃を感知され、ガディの指揮で戦艦に回避行動をとられて本命の目標である戦艦には命中せず。
だが狙撃を阻止しようと火線上に接近してきたラムサス・ハサの乗るハンブラビを中破させた(ラムサスは生還)。
④49話
ハマーン・カーン率いるアクシズのガザC部隊を狙い、部隊を半壊させるほどの多数機を撃墜する。
だが、その後にハマーンのキュベレイによるファンネルの射撃でランチャーは破壊された。
以上、合計7発を撃ち、完全な外れは4発。全く当たらないというほどではないが、劇中でクワトロ本人が意図していた作戦目標を達成できたのは恐らく49話の一度きりであろう。
このメガバズーカランチャーの微妙な戦績が、かつて「赤い彗星」と恐れられた凄腕にしてはあまり高くはない、クワトロ・バジーナのパイロット評価の材料のひとつとなっている。
スーパーロボット大戦シリーズなどの各種ゲーム作品でも、ランチャーには厳し目なマイナスの命中補正が設定されていることもしばしば。
メタ的な事情を分析すると、「当たりさえすればオシマイ」な高威力兵器で終盤まで関係する重要キャラクターを狙って本当に当ててしまうと物語がそこで終わってしまうので、何らかの妨害が入る等でこういう結果になるのは已むを得ないことではあるが。
その後
続編となる機動戦士ガンダムΖΖでは、多機能化したメガ・ライダーの登場により、第一次ネオ・ジオン抗争で使用されることはなかった。
だが後の歴史においても少数ながら量産はされていたらしく、第三次ネオ・ジオン抗争時にECOASによってネェル・アーガマの甲板に固定される形で使用されている。
立体物
当初は、BB戦士Gジェネシリーズの【百式&メガバズーカランチャー】に同梱されていた。展開状態のみの再現となっている(これが、初のメガバズーカランチャーの立体化である)
後にB-CLUBよりガレージキットとしてラインナップされたが、高額であるため購入がし難いものであった。
そして、HGUC【百式&メガバズーカランチャー】に同梱され劇中同様に巡航形態⇔砲撃形態の再現が可能。展示用スタンドも付属する。