登場作品
- 1997年 - ディディーコングレーシング(NINTENDO64)
- 1999年 - Conker's Pocket Tales(ゲームボーイカラー)※日本未発売
- 2001年 - Conker's Bad Fur Day(NINTENDO64)
- 2005年 - Conker:LiveandReloaded(Xbox)
概要
1997年に発売されたNINENDO64ソフト『ディディーコングレーシング』で初登場したキャラクター。
それから2年後の1999年に海外のみで発売のゲームボーイカラーソフト『Conker's Pocket Tales』で初主役を果たし以降独立する。
当初は見た目通りのかわいい冒険好きの純粋なキャラクターだったが、2001年発売の『Conker's Bad Fur Day』に於ける彼は性格が大きく豹変する事となる……
ディディーコングレーシング
冒険が大好きなアカリスの男の子。
あまりの冒険好きに、ガールフレンドであるベリーを置いてけぼりにしてむくれさせてしまうほど。
海外版の説明書によると、”ディディーにとってはドンキーコングとの冒険の最中に出会った、もう1人の友人“とのこと。
ディディーからティンバーアイランドを救う事に協力して欲しいと言う知らせを受けて目的地に旅立った。
性能はディディー・ティンバーのような中量級かと思わせて、バンパーと同じ中重量級。尻尾の重さを甘く見てはいけない。バンパーよりもハンドリングが悪く最高速度に優れる。
ビークルの色は白でナンバーは8。
好きなものはナッツ、嫌いなものは静かな生活。
Conker's Bad Fur Dayのコンカー
両親には「真っ当な人生を歩むなら、酒や現金に溺れるな、公共の場所で立ち小便をするな、悪態をつくな」と言われていたが、聞き分けは悪く、金に意地汚く酒に溺れ放送禁止用語を連発し人前で容赦なく小便を撒き散らすという正反対の性格に。
行きつけの酒場のマスター曰く、少なくとも酒に関しては「違いのわかる男」らしい。舌は肥えているのかもしれない。
飲み会の帰りが遅くなり、彼女であるベリーはご立腹だったが、
彼の口から出た言葉は「戦争の壮行会」という、ドッキリでもあり得ないクラスの言い訳。
しこたま呑んだくれた後にゲームが始まるが、当然オープニングでゲロをぶちまけ、酒に酔っ払って道に迷ったところから二日酔い状態でスタート。
道中のイベントもメチャクチャで、おっぱいをジャンプ台にし(踏まれた女性もかなり喜んでいた)、ウンコ製造のために雄牛を利用して雌牛を何頭も殺害。
更に巨大なウンコの怪物(ウンチ大王)が投げてくるウンコに対してトイレットペーパーで応戦するという、世界中のゲームを探しても片手で数えるほどしか見つからない超展開。プライベート・ライアン、マトリックス、エイリアン等の有名映画のパロディも多数。
コンカーのことをママと呼んで懐いてくれた恐竜の赤ん坊を容赦なく生贄にし生きたままプレス、自分はティラノサウルスを操って原始人たちを一方的に虐殺。
先祖も先祖で、アンデッドになっており吸血鬼と化していたが、持っている遺産目当てに館に踏み込むことになる。
しかし、パロディーシーン満載の戦争イベントは、壮行会という言い訳が嘘から出た誠になってしまうという皮肉であると同時に、戦争の本質をズバリ突く社会風刺になっているのも特徴。等身大のキャラクターという一面がここで垣間見え、出来の悪い友ロデントをなんだかんだ大事にしていたりする。また、真に間違ったものに対してはきちんと批判できる人物であり、決して真性のサイコパスなどではない。
上記のやりたい放題に見えるようなシーンも、シリアスな場面かそうでないかで匙加減が異なる点は留意したい。シリアスでない場面の場合、御伽噺の黒い部分をオブラートなしで表現するようなニュアンスに近い。
と、そんなシリアスなシーンにちょっぴり感動していると、最後は銀行強盗を実行するといった暴虐ぶりを発揮する。
挙句の果てに、世界の王様として支配者の頂点に立ってしまう。
ネタバレ
しかしその結末は、「上げて落とす」の究みとも言える衝撃のバッドエンディング。
- 銀行強盗を成功させるが、依頼したマフィアが黒幕のパンサー大王と裏で結託しており、コンカーとベリーは罠にはめられた。そして、マフィアのボスによる銃撃でベリーが射殺されてしまう。
- その際、パンサー大王の部下である科学者が、パンサー大王に寄生させていたエイリアンを誕生させ、マフィアもパンサー大王も科学者さえも宇宙のかなたに飛ばされた状態で最終決戦をすることになる。見事コンカーはパワードスーツに乗ってエイリアンを宇宙空間に放り出すが、エイリアンは最後の力を振り絞って舞い戻り、コンカーをパワードスーツごと破壊しようと襲ってくる。
- しかしここでゲームがハングアップする(という演出)。コンカーはこれを利用して、開発スタッフ側にコンタクトを取る。要は「バグをばらされたくなきゃ、俺を助けろ」というメタ発言100%の会話である。そして、エイリアンを殺すための武器をスタッフに一式用意させる。バグでハングしているという事は、時が止まっているのと同義であり、そうした「何もかも整った状態」をあつらえさせたコンカーは、ご都合主義的にエイリアンをワンサイドゲームで葬り去った。
- そして、周囲の人々も、パンサー大王が死んだことを実は喜んでおり、大王暗殺という偉業を結果的に成し遂げたコンカーを次の王に据えた。
- めでたし、めでたし。
- …のはずがない。ベリーが死んだままである。スタッフにもう一度言って生き返らせようと試みるが、もはやコンタクトは取れずじまい。
- そして、周囲にいる面々は、コンカーが内心大嫌いだと思っているこれまでの登場人物ばかり。大金持ちになり、王座を手に入れたことで事実上世界を手に入れたに等しいコンカーは、ここにきてベリーの存在価値がいかに彼にとって大切なものかを知った。王の座など、せいぜい憧れているうちが幸せであり、かけがえのない存在であるベリーを失ったことにくらべれば王などはどうでも良い事だった。
- そして、翌朝、いつものように酒場で飲んだくれるコンカーだったが、最も大切なものを失った彼の足取りは、あまりにも重かった…
- なんのフォローもないまま、物語はここで閉じる。
末路
よく考えてみると、ご都合主義で勝利して、王の座を手に入れた引き換えにベリーを失ったことの意味は、コンカーにとって致命的な心の傷である。
- ご都合主義で敵を倒しておきながら、ベリーをご都合主義で生き返らせることができなかった。つまり、ご都合主義を持ち出しても、彼は救われない。鬱フラグクラッシャー殺しである。
- 世界を手に入れたという事は、全ての富を独占したことに等しい。つまり、全てを手に入れた状態でベリーを失ったということは、彼の心に空いた穴を埋めるすべがない。
- これらを統合して結論を出すと、彼を救う手段が残されていない、ということになる。
- ニコニコ動画で「史上最悪のバッドエンド」というタグがつけられたこともあるが、それも納得というもの。
開発中のストーリーでは、エンディングの最後にコンカーは自殺する予定だったらしい。しかしこのような目に遭えば何の不思議もなく、製品版のストーリーですら実際ユーザーには衝撃だったのだが、スタッフは当時「結末がこうなるとは思ってなかっただろう?」と語っていた。本作は17歳未満プレイ禁止の作品だが、年齢制限がかけられた本当の理由は、ある意味このエンディングにあるといっても過言ではないだろう。
唯一の救いといえば友人のロデントが生きていることだろうか……
関連タグ
鬼畜ヒーロー - まあこの作品そのものがブラックジョークのカタマリみたいなセンスなので、その主人公がまともなほうが変ではある。
バンジョー(バンジョーとカズーイの大冒険) - 同じく『ディディーコングレーシング』でデビューし独立したキャラクターだが、こちらはコンカーとは正反対にキャラ設定もシリーズも比較的まとも(ブラックジョークもあるが)である。
表記ゆれ