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223系の編集履歴

2020-07-24 01:42:00 バージョン

223系

にひゃくにじゅうさんけい

JR西日本を代表する近郊型電車。

概要

1994年から2008年までに927両が製造され、JR西日本の在来線用車両で最大勢力を誇る車両である。


当初は関西空港へのアクセス列車用に0番台が投入され、1995年より1000番台がJR京都線JR神戸線東海道本線山陽本線)の新快速快速電車用として投入された。1999年からは大量生産タイプの2000番台・2500番台の増備が続けられ、大阪近郊区間(アーバンネットワーク)エリアにおける主力車両となっている。


2003年には岡山駅高松駅間の瀬戸大橋線快速「マリンライナー」用として5000番台が投入され、JR四国も同型車を5000系として導入した。2008年には福知山地区向けの5500番台と、車両性能を221系相当に固定した6000番台も登場した。


座席は扉間転換クロスシート、車端部が転換クロスと同等のシートピッチを確保したボックスシートの配置が基本だが、関空アクセス向けは横2列-1列配置だったり、ローカル線向けは車端部がロングシートになっている車両があったりと、運用線区に合わせて異なる仕様となっている。


営業最高速度130km/h、120km/h(0・2500番台、221系性能車)
起動加速度2.5km/h/s、2.1km/h/s(221系性能車)
減速度4.3km/h/s(常用最大)、5.2km/h/s(非常)
3.5km/h/s(常用最大)、4.2km/h/s(非常) ※0・2500番台、221系性能車
歯車比15:98=1:6.53
駆動方式平行軸歯車継手式
制御方式PWMインバータによるVVVF制御・電動機個別制御
  • WPC4(0番台)
  • WPC7(1000番台)
  • WPC10・WPC13(2000番台以降)
制動方式回生ブレーキ併用電気指令式(遅れ込め制御付き、221系性能時には無効)
主電動機三相誘導電動機 ※出力は1時間定格
  • WMT102A(1000番台・220kW)
  • WMT102B(2000番台ほか・220kW)
  • WMT102C(0番台ほか・230kW)
台車ボルスタレス空気ばね台車
  • WDT55A・WTR239A(0番台)
  • WDT56・WTR240(1000番台)
  • WDT59・WTR243・WTR243A(2000番台ほか)
  • WTR243E(駐車ブレーキ準備工事済)
製造所川崎重工業近畿車輛日立製作所(W3編成のみ)

番台別・特筆事項

0番台・2500番台

他の223系とは外観が異なり、窓下に関西国際空港のイメージカラーである青と白の帯が巻かれている。2500番台や225系では窓周辺にパールブルーの帯を追加した上でこのデザインを引き続き採用。


0番台は、関空快速と一部の阪和線普通列車用として、6両編成9本・2両編成7本が製造された。

1999年に紀州路快速が運行開始することに伴い、5両編成と3両編成に組み替えることとなったのだが、組み替えの際に先頭車が不足してしまい、これの補充用として2000番台をベースとした2500番台1次車が4両だけ製造された。2006年には輸送力増強として、2500番台2次車を5両・3両編成1本ずつ製造し、2500番台の中間車がようやく登場した。


運用効率の改善を目的として、日根野電車区所属の223系を4両編成に統一することとなったため、2008年3月15日ダイヤ改正にあわせて再び組み替えが行われ、不足分に応じて2500番台3次車が製造された。5両+3両の構成では、電動車が3両、付随車が5両となっていることから、主にモハ223形を補充し、余ったサハ223形を新製したクモハ223-モハ223-クハ222の3両編成に組み込む形で組み替えが行われた。


客室設備は大型荷物の持ち込みを想定し、扉間が横2-1列配置のオールクロスシートで、補助椅子はない。0番台は扉間6列、2500番台は扉間5例である。

0番台は全ての戸袋部に戸袋窓が存在し、扉間のうち中央部の2枚が一段下降窓という、221系と同等の仕様となっている。前照灯は丸型2灯であり、他番台の角形と比べると柔らかいデザインになっている。また、登場時は輸入品の座席を採用していたが、現在は2500番台と同じものに取り換えられている。


近年、南海トラフ巨大地震による津波からの避難を想定し、同じ日根野支所に所属する225系などと共に避難はしごの設置が行われた。


1000番台

1995年8月にデビュー。

阪神・淡路大震災で被災廃車された在来車両の代替、及び路線復旧に伴う逼迫した輸送需要に対する輸送力増強のため、当初の予定よりも試運転期間を削減し、その上で敢えて前倒し投入を行った。このため、車両から発生する電気ノイズによって近傍を走行する201系の保護回路を誤作動させて緊急停止させるなどの初期不良や、離線による消灯と空調の停止が頻発し、関西では新聞記事で取り上げられるほどになった。現在はいずれも対策済みである。


外観は、221系のカラーリングを基本とし、ステンレス車体に合わせたアレンジが行われた。223系で唯一ビードの入った車体で、車端部にのみ戸袋窓がある。2000番台以降とは尾灯の位置や側面のデザインで容易に区別が可能である。

内装は、詰め込みと着席定員の両立を図り、扉間5列の転換クロスシート+補助椅子の構成を初採用。1000番台独自の仕様として、補助椅子を展開すると背もたれがせり出すようになっており、座席の仕様可否を表すランプが装備されている。座席は窓側に肘掛けがあり、ヘッドレスト部が窓側・通路側で独立している。


5000番台

213系「マリンライナー」の置き換え用として2003年に登場。5500番台が登場するまでは223系唯一の貫通型先頭車であった。関西圏の新快速以外では唯一130km/h運転を行う車両でもある。

車体構造の都合で一段下降窓を採用できなかった2000番台と異なり、窓周辺を骨組み工法に限定することで一段下降窓を実現した。この構造は2000番台5次車以降にも反映されている。頑丈な窓枠が追加されたため、窓枠に干渉しないよう茶帯が細くされ、1000番台と同じ太さになった。

駆動装置にTD継手を採用しているという情報が出回っているが、これは誤りであり、実際はJR四国5000系も含めてWN継手を装備している。

輸送力増強のため、一時期2000番台の中間車を組み込んでいたが、増結されたサハ223形は全車の開閉可能な側窓が内折れ式であったため、全編成で帯幅、窓構造が揃っていなかった。なお、この期間中に5000番台先頭車の事故修理のため、2000番台の先頭車が一時的に編成に組み込まれたことがあった。


JR四国内の線路使用料を相殺する関係上、早朝深夜を除き、JR四国5000系と常に併結する運用を組まれている。


6000番台

223系には、加減速性能を221系と同等にするスイッチが付いている。新快速の130km/h運転開始前は、このスイッチを切り替えることにより、定期列車でも221系との併結運転を行っていた。


2008年頃、網干総合車両所に所属する221系4両編成が、嵯峨野線の113系を置き換えるためにほとんどの車両が転出してしまい、その穴埋めとして223系を221系の運用に回すこととなった。しかし、221系の運用に併結列車が多数存在することと、ダイヤ自体も221系の性能を基に作成されていることから、スイッチ切り替えの際のトラブルを防止するため、2000番台1次車の一部を221系性能に固定、車番を+4000して6000番台とし、網干本所に所属する他の223系と区別されることとなった。

外観は前面非常扉と乗務員室扉にオレンジ色の帯が追加され、運転台には「221系性能」と書かれたシールが多数貼られている。


ほぼ同時期、2008年3月に開業するおおさか東線への直通車両を用意するため、当時製造されていた2000番台5次車の一部と6次車を福知山線に投入することになった。当時、福知山線では221系・113系が多数運用されていたので、これらの223系も221系性能化により6000番台に区分された。2008年3月の改正時点では尼崎〜奈良間の直通快速専属であり、同年6月の改正から福知山線で運用開始。

剛体架線を採用するJR東西線内での離線対策として、6000番台化の対象となる編成は、製造当初から電動車にパンタグラフを2基装備。しかし、2011年3月にJR東西線北新地駅にホームドアが設置されたことから、223系は直通運用から外されてしまった。


2012年、再び223系と新たに225系に221系性能化が行われた。223系のうち対象となったのは、最終増備車である2000番台7次車。同年のダイヤ改正で、福知山線の221系・113系を完全に置き換えている。

なお、これらの車両は網干総合車両所宮原支所に所属する。


5500番台

5500番台も221系性能車である。福知山線・山陰本線の113系・115系を置き換えるべく2008年8月に登場。

221系性能となっているのは、定期運用で京都〜園部間の嵯峨野線に直通し、嵯峨野線内では原則として221系と併結運転を行うためである。


ワンマン運転を考慮し、入口・出口標識や運賃表、運賃箱、整理券発行機、自動放送装置が装備されているほか、車端部の座席は321系に準じたロングシートで、妻面窓が設けられている。また、223系では唯一トイレの汚物処理方式が真空吸引式。

ドアボタンも独自仕様であり、登場時は金属製のボタンを装備し、後に視認性向上のためボタン周囲が光るものに取り替えられている。


9000番台

事業用車として9000番台が1両だけ在籍している。2000番台を製造するため試作されたクモハ223-9001号車のこと。後に改造を受け、クモヤ223-9001号に改番。詳しくは「U@tech」の記事を参照。

2000年3月13日、クモハ223-3040を始めとするW26編成の4号車に挟まれ、9両編成で川崎重工業兵庫工場を出場。この時の帯色は2000番台と同一であり、車番は貼り付けされていなかった。

2019年3月31日付で廃車され廃区分番台となった。


Aシート導入

JR西日本は、2019年春より新快速に有料座席サービス「Aシート」を導入することを発表した。223系1000番台4両編成のうち2編成のクハ222形(12両編成の9号車)を専用車両に改造したうえで、12両編成の新快速に1両導入する。車体は中央部の扉を埋め2枚扉となる。かつて運行されていた「関空特快ウイング」指定席車とは異なり、車内はテーブル付きのリクライニングシートとなり、JR西日本の在来線普通車では初めてとなる全座席コンセントも設置、さらには公衆無線LANのサービスも行われ、荷物スペースも設置される。このサービスでは乗客が空席の中から自由に選び、乗務員に着席料金500円を支払う。

その後2019年3月16日のダイヤ改正と同時に導入することが発表。1日あたり上下2本ずつの新快速12両編成のうち、京都・野洲寄り先頭から4両目となる9号車が「Aシート」となる。


WESTビジョン導入

2020年から2021年にかけて1000・2000番台330両を対象にWESTビジョンの設置が行われる。


余談

1995年12月以降、0番台2両編成のクモハ223形100番台に、大阪シティエアターミナル(OCAT)の荷物搬送サービスに対応するための荷物室が設置された。乗務員室寄りドアの周辺が仕切られ、客室から独立した構造となった。1996年3月に運用を開始したが、OCATの利用率低下により、1998年に客室に復元。

また、1995年4月には0番台使用の指定席を設けた快速列車「関空特快ウイング」号の運転を開始。関空行きリムジンバスへの対抗であったが、指定席への誤乗が絶えないこともあって1999年に廃止された。


体質改善工事

製造から20年以上を超えたため、2018年より体質改善工事を行っている。2018年5月には0番台の体質改善車が初登場し、2019年6月には1000番台の体質改善車も初登場している。


主な改造内容は以下の通り。

  • 前照灯をLEDに変更、合わせて尾灯をステップから前照灯ケースの下半分の部分に移設(0番台)、前照灯の外側に配置(1000番台)
  • 種別・行先表示器を共にフルカラーLED化、運番表示器を撤去
  • 内装は化粧板や座席、ドア、手すり、吊革を交換、室内灯をLEDに変更、トイレを円筒形に改良、1000番台では化粧板、座席、室内灯の交換は省略。
  • 衝突時の安全性向上のため車体隅部と台枠に補強を追加
  • 制御装置などの床下電子機器は内部部品を取り換え(0番台)、または新品に換装(1000番台)
  • 運転台の改良、アナログ計器化(0番台)

なお、0番台・2500番台は混成編成が在籍していることから、混成編成の0番台車両の体質改善工事に合わせ、組み込んでいる側の2500番台車両についても手すり・吊革の交換、室内灯のLED化、種別・行先表示器のフルカラーLED化などの簡易的な工事を施工している。

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