概要
0番台
JR西日本が2006年の北陸本線敦賀以南及び湖西線の直流化に際し投入した交直流近郊形電車。
デザインは223系5000番台とよく似ているが、車体は321系の設計を流用し、レーザー溶接の活用によって強度が向上している。また、主要機器は683系が基本となっている。
223系とは異なり、最高速度は120km/h。システムも違うので、相互に併結はできない。
敦賀運転センター車両管理室所属の1次車は、滋賀県と福井県が製造費用を負担しているため、両県内で優先的に運用されている。また2009年度からは北陸本線系統で長年運用されてきた475系や413系、419系の置換用としても増備され始めた。
2013年11月に増備された3次車は前面の形状が変更され、後に227系や225系100・5100番台にも採用されている。
そして、2015年3月の北陸新幹線金沢延伸開業に合わせて、一部編成がIRいしかわ鉄道とあいの風とやま鉄道に譲渡となった。
また、2021年度に、増備車である4次車2本が川崎重工業にて6年ぶりに製造された。
0番台の所属会社(車両番号)
所属会社 | 1・2次車 | 3次車以降 |
---|---|---|
JR西日本 | 1,2,3,4,5,19,20,22,25,26,27,28,29,33~35 | 36~54,57,58 |
IRいしかわ鉄道 | 10,14,30 | 55,56 |
あいの風とやま鉄道 | 6,7,8,9,11,12,13,15,16,17,18,21,23,24,31,32 |
1000番台
あいの風とやま鉄道保有。同社への移管後の2017年以降に製造されたグループで、続番を避けるため新たに「1000番台」へ番号が振られた。車体は0番台の3次車と同じで、413系の置き換え用。
100番台
JR西日本七尾線向け。帯色は0番台の青色ではなく、七尾線電車と同じ輪島塗をイメージした赤色。また0・1000番台とは異なり、車体は(機器配置を除き)227系規格となった。
七尾線で使用されていた413系および415系800番台の置き換え用として、2020年10月3日より営業運転を開始した。車載型IC改札機が搭載されるため、置き換え完了と同時に七尾線がICOCAエリアに加わる。
また従来七尾線の列車はIRいしかわ鉄道線へ片乗り入れする形で運行されていたが、521系への車両代替に際し線路使用料を相殺する目的でIRいしかわ鉄道側も七尾線用の100番台を保有することが決定。101~115編成はJR西日本が、116編成以降はIRいしかわ鉄道がそれぞれ保有し、2社による相互直通運転へ改められた。
車内
寒冷地域を走行する為、半自動ボタンが設置されており、デザインは321系と同様の、操作可能時にボタン周囲が発光するタイプが採用された。
2011年(平成23年)4月1日以降より、冬季以外も正式に年間を通じて客用扉の開閉は押しボタンによる半自動ドア扱いとなった。
座席は223系5000番台で採用された横2列+2列の4アブレスト、扉間5列の転換クロスシートが配置されているが、妻面窓からの車内確認をしやすくする目的で、クモハ521形の車端部に321系に類似した構造のロングシートが設置された。
一方、クハ520形については223系と同じく、車站部に車いす対応の洋式トイレと車いすスペースが設置されている。
車両区分について
JR西日本では321系以降に新製された普通列車用の車両形式区分の第2位(十の位)の数字が「0 - 3, 5, 6」を普通列車用車両のカテゴリとして使用しているため、事実上は一般形電車となるが、本形式は近郊形電車に分類されているため、本項では近郊形電車とする。