概要
スターウォーズシリーズ初となる実写ドラマ作品。2019年からDisney+にてストリーミング配信が開始された。制作総指揮兼監督に「クローンウォーズ」(映画・アニメ共に)の監督を務めたデイブ・フィローニ氏を迎えたことからファンの間でも話題になり、その期待に見事答えたことから評判となり2020年にSeason2が配信開始された。
あらすじ
物語はEP6『ジェダイの帰還』から5年後。銀河帝国が衰退し新銀河共和国が台頭する中、そのどちらの支配も及ばない辺境の宇宙にある荒凉とした惑星ネヴァロに生きる孤高の戦士"マンダロリアン"の戦いを描く。
登場人物
マンダロリアン
- 本作の主人公。その名と外見の通り、フェット親子と同じく戦闘民族として名高いマンダロリアンの一員で、ネヴァロのギルドでは最も腕の立つ賞金稼ぎ。通称は「マンドー」。
- 氏族の掟を忠実に守り、人前ではヘルメットを脱がず、物語開始時には本名は明かされていない。また「賞金稼ぎの掟」にも忠実だが、ザ・チャイルドとの出会いにより、彼を取り巻く影響は大きく変わってゆく。
ザ・チャイルド
- "クライアント"からの要請を受け、マンダロリアンが惑星アーヴァラ7の傭兵集団の基地から救い出した幼い姿をしたエイリアン。アーヴァラ7からのネヴァロに戻る途中でのトラブルで猛獣に襲われたマンドーの命を救ったことで絆を育み、後に彼と行動を共にする。
グリーフ・カルガ
- マンドーの属する賞金稼ぎギルドのエージェント。彼の才能を高く買っており、彼の才能に見合った仕事を斡旋している。が、ザ・チャイルドの一件でマンドーとは対立することになる。
キャラシンシア・デューン
- マンドーと偶然知り合った元反乱軍トルーパー。初対面で互いに銃を突き付け合うなど出会いは最悪だったが、ザ・チャイルドの手前ということで一時停戦し、その後クリル農民を襲う盗賊の討伐で共闘したことで友好関係を築く。
”アーマラー”
- 惑星ネヴァロに拠点を置く女性マンダロリアン。その名前の通りマンダロリアンの装甲服を作成する職人であり、同地のマンダロリアン部族のリーダーでもある。
- 装甲服作成用の工具で無双するってどこのエンジニアだ?って感じの人物でもある。
ギデオン
- 惑星ネヴァロを牛耳る帝国の残存勢力を指揮する帝国のモフ(総督)。過去にマンダロリアンの「大粛清」に関与したと言われ、その後戦犯で処刑されたとされていたが生きていた。マンダロリアンたちにとっては因縁の相手。
- ある目的のためにザ・チャイルドを欲しており、"クライアント"を通じてマンドーにザ・チャイルド奪取を命じた張本人。
フェネック・シャンド
- 狙撃ライフルを巧みに使いこなす賞金稼ぎ。一度はマンドーとチームを組むがその最中彼を裏切り、結果として砂漠の中に捨て置かれるが...?
ボ=カターン・クライズ
- マンドーと同じくマンダロリアンに属する女戦士。Season2でザ・チャイルドの同胞の情報を得るために接触した。
余談
溢れるSTARWARS愛
- 制作の総指揮をとったフィローニ氏は「ジョージ・ルーカスの作ったキャラクターや世界観を大事に」ということを第一に制作したため、随所にファンを唸らせるネタが仕込まれている。
- 惑星タトゥーインにある町モス・ペルゴの保安官が所有するスピーダー・バイクがどっかで見た形をしてる。
- そのモス・ベルゴの保安官は砂漠で拾ったというボロボロの装甲服を身につけている。
- そしてついにその装甲服の真の持ち主が登場。ジェットパックの暴発であえなく退場したのは一体何だったのかと言わんばかりの、まさしく「伝説の賞金稼ぎ」の名に恥じない活躍っぷりを見せた。ついでにいうと、長く設定だけの存在だった膝関節部分の仕込み銃が初めて活躍した。
- 「彼」の所有する、「父親」から受け継いだ宇宙船ももちろん登場。しかも、初登場時で大きなインパクトを見せつけた音響爆弾サイズミック・チャージがまさかの再登場。
- タトゥーインの宇宙港の管理人が所有するドロイドは、実はルークがドロイドを買った際に故障して返品されたあの赤いドロイドである。
- 「新たなる希望」で登場したタトゥイーンの酒場「チャルマンのカンティーナ」(ルークがごろつきに絡まれたり、ハンがルークやベンと初めて出会った場所)が再度登場
- などなど、書き切れないほどの「ニヤリ」とする要素が盛り沢山であり、ファンからも高い評価を受けている。
- これ以外にも、生死不明だったキャラが久しぶりに登場したり、はじめて実写作品に登場するキャラがいるなど、他の作品ファンにとっては嬉しいサプライズがたくさんある。
- メカニックにおいても、「反乱者たち」などで描かれたことは多いアークワイデンス級クルーザーやゴザンティ級クルーザーがはじめて実写化された(ゴザンティ級に関しては「ファントムメナス」や「クローンの攻撃」で背景で登場したことはあったものの、船内の構造などの細かい描写は今作が初めてとなる)。
- なお、これらの小ネタに大興奮するファンのリアクションのみを集めた動画がYouTube上に多数投稿されている。溢れ出る小ネタの数々に限界化するスターウォーズファンの姿は、国は違えどオタクが限界化したときのリアクションは同じであることを世界中の同志たちに知らしめた。
レジェンズ世界からの設定の導入
- 本作では、STARWARSシリーズの版権がディズニーに買収される前に発表された、いわゆる「レジェンズ」作品群の設定由来のものが多い。
- これは本作にのみ見られることではなく、「反乱者たち」における尋問官の役職やスローン大提督、「バッド・バッチ」における惑星ウェインラントなど近年のスターウォーズのスピンオフ作品にはよく見られる傾向なのだが、その中でも本作はずば抜けて多い。
- ゲーム「帝国の影」で立ち塞がった強敵の賞金稼ぎドロイドIG-88をリファインした賞金稼ぎドロイドIG-11が登場。
- IG-88自身は「帝国の逆襲」でミレニアム・ファルコン追跡に招集された賞金稼ぎの中にいたのだが、レジェンズ作品ではドロイドの王国を夢見て第2デススターを乗っ取ると言う凄まじいことをしたという設定がある。ゲーム「帝国の影」ではこの暗躍するIG-88と対決することになるのだが、当該ステージはIG-88の出す不気味な音から、同作屈指のトラウマポイントとして名高い。
- レジェンズ作品群の時系列におけるジェダイ発祥の地とされる惑星タイソンが「ジェダイの聖地」としてカノン作品で初めて登場。
- season2終盤では、帝国残存勢力の切り札として新鋭バトルドロイドであるダーク・トルーパーが登場。これもレジェンズにおける帝国崩壊後に開発された同名のバトルドロイドの設定を反映したものである。
- ゲーム「帝国の影」で立ち塞がった強敵の賞金稼ぎドロイドIG-88をリファインした賞金稼ぎドロイドIG-11が登場。
キャスティング
- 本作では様々なキャラクターの演者が話題となった。
- season1に登場する共和国監獄船に乗り込みマンドーと対峙した兵士ダヴィン中尉役に、アニメ「クローンウォーズ」でアナキン・スカイウォーカーを演じたマット・ランター氏が起用された。
- season2で初の実写作品への登場を果たしたボ=カターン・クライズ役に、アニメ「クローンウォーズ」で同役の声を当てていたケイティー・サッコフ女史を引き続き起用。
- 上述の通りseason2でついに姿を現したボバ・フェット役には、ジャンゴやクローントルーパーを演じたテムエラ・モリソン氏を起用。これはボバがジャンゴの完璧なクローンとして誕生したという背景を考えれば当然の起用と言えよう。
- タトゥイーンの「チャルマンのカンティーナ」に佇むバーテンダー・ドロイドとして再登場したEV-9V9の声優として、なんとルーク・スカイウォーカーを演じたマーク・ハミル氏が起用された。
- season2で登場した惑星コルヴァスを支配する監察官を演じたダイアナ・リー・イノサント女史は、かのブルース・リーが興したジークンドー(截拳道)の継承者であるダン・イノサント氏を父に持つ武術の達人。彼女が惑星の解放を試みる者と繰り広げた殺陣は一見の価値あり。
- これらに加え、フィローニ監督自身も劇中に登場する新共和国所属のXウィングパイロット、トラッパー・ウルフ役でカメオ出演している。
関連項目
- 幼い子供を連れて各地を放浪する武の立つ男性、という点が共通。戦闘シーンになると、付き従ってる子供が乳母車に隠れると言う点も共通。
- なお、「子連れ狼」の拝親子は実の親子であるのに対し、マンドーとザ・チャイルドに血縁はないもののマンドーの氏族の掟によりチャイルドはマンドーの一族に迎えられ、マンドーが彼の「親」となってる。