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元寇の編集履歴

2012-02-18 18:42:36 バージョン

元寇

げんこう

日本の鎌倉時代の文永十一年(1274年)と弘安四年(1281年)に、モンゴル帝国の一部で当時の中華帝国であった元が、九州北部に襲来した時の二つの戦いのこと。

概要

 元寇は、鎌倉時代の文永11年(1274年)と弘安4年(1281年)に起きた、モンゴル帝国)による2度の日本遠征。

 1度目は「文永の役」、2度目は「弘安の役」と呼び分けられる。「蒙古襲来」とも呼ばれる。

 博多を中心に九州北部地域各所で戦闘が行われ、日本側はモンゴルの遠征を防いだ。


経緯

 文永5年(1268年)、南宋を攻略していたモンゴル帝国の皇帝クビライ・カアンは朝鮮半島の服属国・高麗を通じ、通好を求めて日本に使者を送った。これに対し執権北条時宗の率いる鎌倉幕府は黙殺。その後も来訪してきた使者を送り返した。

 クビライは高麗国王の強い進言もあって、日本への武力侵攻を決定。モンゴル帝国とその属国であった高麗の連合軍が遠征を準備し、これを知った日本側も迎撃態勢を整えた。(1271年にクビライは自身の影響力及ぶ地域である中国北部、モンゴル高原などを一つの国とし、国名を大元と改めてモンゴル帝国は複数の国の共同体に再編されたことから、これ以降のモンゴル帝国に関わる部分の殆どをと表記する。)


文永の役


勢力日本
戦力鎌倉幕府軍10000元軍25000
高麗軍8000
軍船900
総戦力1000033000

 文永11年(1274年)10月、元軍は対馬壱岐松浦に侵攻し、博多に上陸。日本側の武士達は応戦するも、集団戦法で進撃し大宰府を目指す元軍に敗退。さらに元軍は火薬を用いた「てつはう」を使った威嚇攻撃で武士を翻弄。

 両軍は一進一退が続き、元軍が博多湾に停泊していた艦隊に戻り、膠着状態になった。一夜明け、元軍の姿が消え、日本側は暴風雨が元軍を撃退したのだと信じ、これを「神風」と呼んだ。しかし実際の元軍は、最初からこの遠征は侵略目的ではなく、威力偵察であったため、戦略的に撤退をした言われる。その際、季節風に煽られて中型以下の船が、朝鮮半島沖で転覆したという。


弘安の役

 弘安2年(1279年)に南宋を滅ぼした元は、再び日本に使者を送ったが、鎌倉幕府は使者を処刑し、徹底抗戦を意思表示した。処刑の理由は諸説ある。

 使者の処刑を受け、クビライは再び日本遠征を計画。今回の計画では、朝鮮半島から出発する東路軍と、中国南部から出発する江南軍に分け、両部隊を壱岐で合流することにした。 また、江南軍は降伏した南宋の兵が主力で、財政圧迫となっていた廃兵を大量移民させようとしていた。

 対する日本側の幕府は元軍の来襲に備えて九州沿岸の警備を強化し、沿岸部に防塁「石築地」を建造した。


勢力日本
戦力鎌倉幕府軍40000東路軍
元軍30000
高麗軍10000
軍船900
江南軍
元軍100000
軍船3500
総戦力40000140000

 弘安4年5月(1281年6月)、東路軍が対馬と壱岐を攻撃。6月(7月)に博多湾の志賀島へ上陸を試みた東路軍と日本側が交戦し、東路軍を海上へ押し戻した。博多沿岸は防塁のおかげで東路軍の上陸を阻止し、さらに小船による船団で艦隊を襲撃。必死の水際作戦で東路軍を鷹島一帯に後退させた。東路軍は上陸できず、後続の江南軍が合流。またしても膠着状態に陥った。

 そして6月末(8月)、台風が接近。約1ヶ月も上陸できずにいた元軍は、海上で台風の到着を待つ結果となった。

 まさに「神風」となった台風に元軍は壊滅。嵐に乗じて日本側も攻勢を仕掛け、疫病も発生していた元軍は疲弊し撤退。


戦後

 その後も元は琉球ベトナム、サハリンへも侵略を試み、クビライは3度目の日本遠征を計画するが、ナヤンの乱が起こり、鎮圧にあたった為、3度目の遠征は断念された。1294年にクビライが没し、14世紀半ばからは紅巾の乱が起こり、帝国も解体され、モンゴルは中華地域から撤退した。


 一方、勝利した日本側だったが、防衛戦という性質上、戦いで得た物はほとんどなく、命懸けで戦った武士達に与えられた恩賞は、彼らが納得できる物では無かった。

 鎌倉幕府は弘安の役後もモンゴル襲来を警戒し、九州防衛に予算や人員を割いたため、御家人を圧迫する事となった。これにより、御家人をはじめとする人々の感情が次第に悪化して行き、鎌倉幕府は崩壊への道をゆるやかに辿り始めた。


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