概要
小説生成と画像生成のサービスが用意されている。
会員登録は無料だが、無料の状態で利用可能なのは小説生成の一部のみ。
小説生成機能の拡張と画像生成には、月額サブスクリプションへの加入が必須となる。
月額のプランは月10ドル/15ドル/25ドルの3種類。
10ドル(Tablet)と15ドル(Scroll)の差異は小説生成における記憶量の違いだけなので、画像生成しか使わない場合差異はない。
小説生成
テキストを入力すると、AIが次の文章を予測して生成してくれる。
基本的に小説を基に学習しているため、「NovelAI」の名前どおり小説の作成に強い。
英語のサービスであるため、生成できる文章は基本的には英語だが、日本語の文章に対応したAI「Genji」が試験版ではあるが公開されている。
画像生成
2022年10月3日からサービス開始。
StableDiffusionをもとに、画像投稿サイト「Danbooru」を学習元のデータベースとしている。Danbooruは、アニメ調イラストに特化した「Pinterest」のようなサービスであり、投稿された画像の多くは「作者以外により無断で転載されたものである」との指摘が挙がっている。
キーワードの入力によってAIが絵を生成するサービスもある。Pixiv的にはこちらの説明がメインになるだろう。
本家と比較して、日本のアニメや漫画スタイルに近い絵柄の出力が可能なのが特徴となっている。キーワードの羅列から画像を生成するtxt2imgのほかに、画像から画像を生成するimg2img機能もサポートされている。
基本的に、画像を生成するにはAnlasと呼ばれるポイントを消化する必要がある。最上位プランであれば、通常サイズに限り無制限に画像を生成することが可能。
画像生成の注意点
AIがまだを人体を理解しきれていない、あるいはデータ不足なのか、描かれたイラストによっては、まれにあり得ない異常が(人にもよるがR-18Gに見えかねないモノも)散見されるため、閲覧の際には注意が必要。
実例
- 妊婦や肥満体の腹部かつ、ヘソ出しの構図だと後述のミスが頻出する(=一般的な体型だとほぼ起こらない)
- ヘソが2つ以上ある
- ヘソが1つもない
- ヘソの周囲が胸部、ヘソそのものが胸部の先端めいた形状になる(“腹部が膨らんだせいで、それを胸部と誤認してしまった”からと推測。実際にひどいミスになると、ヘソから出ている。なお、この誤認はヒップでも起こる場合がある)
- ヘソが……を連想させる形状と化している(“腹部と股間の境目の判別が不可能になった”からと推測)
- ヘソが正中線からズレて配置される
- ボタンの付いた衣服を着ている場合、ヘソとボタンが一体化してしまう
- 腹部の表皮の色だけ他の部位と異なる(“トップス、あるいはボトムスの色味の影響を受けた”からと推測される)
- 似た事例として、ヘソを出していると腹巻きor腹掛けのような布が配置される
- よりひどいケースだと、服と皮膚が途中で一体化する
- 胸部の先端の形状が2段階構造、あるいは不自然によじれている
- 時に胸部の先端が二股になる
- 柄物の衣服を着ていると、肌にも柄が描かれる
- 汗が滴る構図の場合、汗に衣服の色味を帯びる
- オーダーのテキストを誤ると、腕や指にも不具合が起こる
- 腕や指が増える、もしくは枝分かれする
- 明らかに左右の腕の位置にズレが生じている
- 物を持つ際に指で握らずに沿わせている
- 複雑な指の構図が描ききれず、溶けているような表現になる
- “指先が物越しから部分的に見える”ような構図の場合、人体の構造を無視した長さになる
- 指が衣服や道具と一体化する
- 飲食シーンでは後述のミスが頻出する
- 食べ物が口に近づくにつれて細くなり、口に吸い込まれている
- 食べ物が途中で変質する(照明効果のミスと推測)
- 口や下顎のラインが崩壊し、溶けているような表現になる(“正面から飲食する構図”と“側面から飲食する構図”が混在してしまったからと推測)
- 顔と食べ物が癒着・結合する
- 口ではなく顎で食べる(“顎を上唇、首や喉を下唇と誤認した”からと推測)
- 指or箸とパスタが融合している場合もある
- 普通なら箸などを使って食べる料理を、まるでパンやピザのように手づかみで食べたり、箸などが異常に増えていたり、箸や手も使わず料理が浮いていたりする
etc……
NovelAiの利用規約
現状の問題点
Ai出力者の大量投稿により、検索欄がAIのイラストで汚染される問題視されている。他にも、以下のような問題点がある。
- StableDiffusion開発元CEOのEMADが「絵かきは道具」発言した
- AIの学習元にイラストの無断転載サイトが使用されている
- 検索欄の殆どがAIで占めていて求める絵にたどり着けない
- AIイラストに手描きである方にチェック項目を意図的に入れる悪質ユーザーが存在する
上記の問題があいまって、AIイラストに対するヘイトが溜まっている現状、一般的に投稿の規制がないため、手描きの絵師に比べてAI出力者との差は歴然であり、手描きの投稿が埋もれる問題が発生している。
これに関連して、通常の手描きのイラストに対してAIなどのタグを貼り付ける悪質な検索妨害も横行している。また、過激化したアンチがAIイラスト作品や関連記事を荒らす行為もまた、問題視されている。
pixivの場合
2022年10月31日現在では、pixiv上でNovelAIが生成したイラストのアップロードは許可されている。しかし、こちらでも、AIが生成したイラストが大量にアップロードされてしまい、人間が描いた絵が埋もれてしまう問題が発生している。もし、AIではなく人間が描いたイラストを検索したい場合は、後述するフィルタリング機能やマイナス検索を利用するといいだろう。
また、投稿者は作品属性に「AI生成」と設定し、タグや概要にもAIが作成した旨を明記した方が良い。
検索する側もAIイラストは現時点では投稿は認められているため、連投・不必要なタグ付け以外でスパムや検索妨害扱いするのは控えた方がいい。
この現状はpixiv運営も問題視していたようで、2022年10月下旬から「『従来の投稿作品』と『AI生成作品』のすみわけが可能となるよう改修が行われる」と通達している。詳しい内容は以下のとおり。
- 投稿編集時にAI生成作品と設定できる機能の提供
- AI生成作品を検索時などにフィルタリングする機能の提供
- 従来の作品とは分けた、AI生成作品のみのランキングの提供(モバイル・デスクトップ版は2022年11月1日実装、アプリ版は2022年11月7日より実装予定)
2022年10月31日、以上の機能が実装され、AIイラストの棲み分けがやりやすくなった。
擁護
ただし、pixivで投稿された作品の中には『手描き(アナログ・デジタル問わず)イラスト』と『AIイラスト』の他、コイカツやハニーセレクトなどを用いた『3Dモデル作品』もある以上、ユーザーにもよるがこれ等の大量投稿もまた、検索妨害に相当する可能性がある。 →GMOD問題
そのため、十把一絡げに『AIイラスト』と邪険にするのは誤りでもあるので、少々の分別を持っても良いと思われる。
ファンアート利用時の注意点
一部のVtuberなど、Twitterでのファンアートタグを使用しての作品投稿で、AI使用を控えるよう明示的に言及しているケースがある。(参考)
これは、単純に好き嫌いのみならず「AI技術の発達としては好ましいが、素体に著作物が関わるデータが使われている可能性があるため、規約面に於いて安全面が確保されないと使えない」とする理由が大きい。
そのため、VTuberによっては「ファンアートタグを使わない」「AIである旨を明記する」などのルールが設けられている。
ファンアート利用の際には、AI使用に関する声明やガイドラインが提示されていないか、事前に確認する方が望ましいだろう。
NovelAIで作成した作品の販売について
当サービスの開始直後から、NovelAIで生成したイラスト作品が各ダウンロード販売サイトで散見されるようになり、AI生成した作品の販売規制の対応に講じるサイトが増えている。
現時点でDLsite、FANZAなどのサイトでは「一時的にAI作品の販売を休止する」声明を出しており、各サイトの声明やガイドラインに従う必要があるので注意したい。