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神凪綾乃の編集履歴

2022-12-19 00:15:23 バージョン

神凪綾乃

かんなぎあやの

ライトノベル『風の聖痕』のヒロイン。

『時間稼げ』?

ふっざけたこと言ってんじゃないわよ。

あたしひとりで片づけるから、死ぬまでそこで突っ立ってなさい。


プロフィール


概要

皇居の近くにある聖稜学園の女子生徒(一年生→二年生)。

一見すると「光り輝くような美少女」だが、実際は猪突猛進タイプの暴力系。当初は貧乳扱いされていたが後に並くらいのサイズになった。

原作では凶暴さ、浅慮さ、大人げなさが際立っているが、アニメ版では可愛らしい振る舞いが増えていたり、少なからず度量の窺えるシーンがある。


世間知らずなお嬢様で屈託のない性分。悪人および敵対者に対しては容赦せず、興味のない事柄にはとことん無関心を貫くなど、案外ドライな面を持つ。このため「炎術の使えない弱い神凪和麻は路傍の石も同然」であり、一族中から虐められているのを知っていても無視していた。虐めようという気も起きなかっただけマシだが、助ける気もなかったようである(もっとも当時の彼女は12歳なのでそこまで求めるのは難しい年ごろだろう……漫画版では虐めの現場に居合わせたら「助けていた」と述べている)。


しかし次代の宗主に炎雷覇を託す「継承の儀」の際、勝った方が後継者となるという条件で和麻と対決する。炎術が使えない和麻では12歳の綾乃でも楽々と勝利。これによって和麻は両親に見限られて一族から追放されてしまった。

綾乃は厳馬(伯父)に対して和麻のことで気まずさを感じており、自分が和麻を追い出す元凶となったことに罪悪感を抱いている。

が、和麻は特に綾乃を恨んでおらず、そのことを知った後も「お前に同情されるほど惨め人生は歩んでいない」と述べている。


綾乃は知らないことだが継承の儀は単なるきっかけに過ぎず、和麻が追放されたのは「神凪一族というくさびから解放してあげたかった」という厳馬の意向があったからである(継承の儀も厳馬がゴリ押ししたことで始まった)。加えて和麻の母親は「炎術さえ使えたら優秀な息子として愛せていた(つまり無能な和麻のことはまったく愛していない)」と語り、手切れ金を渡して出て行かせた。


良くも悪くも人を選んでいる節があり、たとえ年配者であっても気に食わない相手(橘霧香、石蕗勇士など)に対しては、真正面から食ってかかる。

和麻の母親に関しても「和麻が出て行った時は全然心配していなかったのに、煉の帰りが遅い時は心配するなんて変」とは思っていたが、さすがに本性まで気づいていなかった(これに関しては綾乃の父・重吾も同様)。


ちなみに好みの異性は、自分のことを「良家のお嬢様」ではなく「1人の女子高生」として見て気さくに接してくれる人のようだ。分家の大神武志には女神の如く尊敬されているが、その態度には苦笑しており、逆に気さくに接して来る教師の桜井雅司には好感を抱いていた。

最も後者に関しては教師としての職務を放棄し生徒の人気取りだけを考える人物(援助交際もする)であり、詰まるところ綾乃に人を見る目がないということである(皮肉にも彼女もまた「優しい教師」という表面的なものしか見ていなかったということになる)。

逆に父親のように厳しい人物は苦手なようで、厳格な教師の山南憲忠には頭が上がらないでいる。


素の顔を見せるのは、家族や親友など一部の限られた人間だけ。普段は猫をかぶって良家のお嬢様を完璧に演じている(本人によれば「そちらも素の自分」と述べ、演じている自覚がない。これは重悟の厳しい躾のため自然に出てしまうようだ)。


術者としての一般常識に疎く、精霊魔術の名門である凰家(および虚空閃)やマクドナルド家の存在を知らないなど、とりわけ国外に関する知識はかなり乏しい。これは勉強不足というより「興味がない」ことが理由と思われる(綾乃は考えなしだが頭が悪いわけではない)。


他者に対する配慮も欠け、和麻に身内殺しの疑惑が掛かった時は、父に対していきなり「討ちますか?」と聞いたり、風牙衆のことを「弱い連中(アニメ版では逆恨み)」と述べている。


これらのことからわかるように人を見る目はなく、生活指導の山南教諭が厳しいというだけで「無制限の権力を与えたらスカート丈が短いというだけで死刑と言いそう」と嫌っていた(実際は校則を守らせることに遵守しているだけで、生徒の危機には我が身を挺する教師の鑑だった)。


再従兄の和麻に対しては、当初は無関心だったが原作1巻での事件から意識(反発)するようになる。これは「和麻は自分の存在を意にも介していない」と気づいているためであり、気を引きたいという想いの裏返しだと自覚している。

以後も和麻と共闘と衝突を続け、恋愛感情を抱くに至るがそのことに気づかず「和麻が気になるのはそれだけ嫌いだから」と思い込むことで己を納得させている。


逆に学園では「光り輝くような美少女」ということからモテモテであり、同級生どころか先輩後輩にまで告白される有様である。特に新入生には長蛇の列ができるほど告白する者が表れ、最早恒例行事となっている。

無論、見ず知らずの他人の告白を受け入れはせず「ごめんなさい」の一言でバッサリと斬り捨てている。こういう部分には「興味のなさ」が表れていると言える。

街を歩けばナンパされるのもよくあることなので、普段は無視するが機嫌が悪い時は鞄でブン殴って黙らせている


こうして見るとクールさと気の強さを併せ持っているように思えるが、厳格な父親には逆らえないなど若干ファザコンの気があったりする。アニメ版では「門限を2時間破った(高校生的にはまだ遅くない時間)」というだけで震え上がるなど父親に対する恐れも見られた。


ヒロインとしては悪い点も少なくないが、彼女の振る舞いは強者が弱者を支配する力の理論を掲げる神凪の家風に染まっているからとも言える。実際神凪には綾乃以上に度量もなく非情な者たちが登場しており、そういう人間には綾乃も侮蔑の感情を抱いている(実の娘を殺そうとした大神雅行などが該当する)。

実の祖父は先代当主の威光を振りかざしているため一族中の嫌われ者だが、幸いにも綾乃にはそう言った面はなく、過度に崇拝されるのも嫌がるが偉ぶるようなこともしない。


実力

一族の中では現宗主である父の重悟、従伯父である厳馬に次ぐナンバー3だが、「神炎」として朱金の炎、「紅炎(プロミネンス)」を任意で発動できないため、正確にはまだ神炎使いとは言えない。また重悟、厳馬の実力が規格外すぎるため、綾乃の実力は二人に大きく引き離されている。

どのくらいの差があるのかと言うと和麻曰く「厳馬は炎雷覇を持った綾乃の10倍は強い」とのこと。

綾乃の実力は努力と才能によるものが大きいが、炎雷覇による補正も大きく受けている。

なまじ高い才能があったため弱者に対する配慮が欠けたり、逆に強者に対する怯懦(「勝てない」「攻撃が通じない」など)を抱いてしまうようになった。精神的な強さは術の威力に影響するので、この傾向は術者としては致命的である。


これらの事情から「任意のものだけを燃やす」という高等技術に目覚めていない。先に弟同然に可愛がっていた再従弟が目覚めてしまい複雑な感情を抱いている(アニメ版では「頼もしい」と微笑を見せている)。


動向

当初は自分より弱い者としか戦ったことがなく、いざ強敵と当たると尻込みしてしまい、炎術の精度を落としてしまう致命的な欠点があった。2巻からは克服されたが、自分より強い相手と戦うことには戸惑いを見せている。


作中を通じて思慮に欠けた振る舞いが目立ち、何事も力尽くで解決する傾向にあった。和麻に身内殺しの容疑が向けられた際、何の躊躇いもせず父に「討ちますか?」と問いている。

しかも1巻の後半では、その場に父親がいるにも拘らず和麻に巨大プラズマ弾を撃ち込んで部屋ごと吹っ飛ばそうとしている。これには娘に甘い重悟も看過できず、本気で厳しく教育する方針にした。なお、アニメ版では部屋に乗り込んで和麻に斬りかかる描写に変えられている。


前述のプラズマ弾の一件から、重悟には今まで以上に厳しく接することを決定されてしまい、時折拳骨をお見舞いされたりしている(これを受けた綾乃は、身の程知らずにも「暴力反対」と涙目で訴えている)。


その後、少しずつながら成長を遂げていき、最終話では暴走した後輩・須藤響子を説得し、「頼れる先輩」として見事改心させた(後述)。


アニメ版

センシティブな作品

原作では第1巻のラストを除いて性描写はまったくないが、アニメ版ではパンチラの頻度が恐ろしく多く、シャワーシーンや着替えシーンなどの要素も追加されている。ちなみにパンツの色は純白で、シリアスなシーンでも容赦なくパンチラしまくることからユーザーに「ありがたくない」とネタにされている。その頻度たるや最終話のラストシーンすらパンチラでフィニッシュしたほど。

なお、原作では髪の色は赤(地の文では黒と描写されているが……)だが、アニメ版ではピンク寄りのカラーとなっている。また言動も原作と比べると可愛げのあるものに改変されており、原作にはないアニメオリジナルシーンが多数追加されている。


コミカライズ版

本作は綾乃視点でストーリーが進み、名実ともに主人公という扱い。和麻に惨敗して死の恐怖を抱くという原作にはない描写がある。

更に回想シーンで七瀬、由香里と知り合った経緯も描かれている。中学生の頃、術者という立場上、正体を隠すために友人を作らないようにしていた。しかし、そんな綾乃に積極的に迫ってきたのが七瀬と由香里だった。やがて打ち解けた三人は親友となり、現在の関係を築き上げた。

なお、原作・コミカライズ版では二人は綾乃が術者だということは知らなかったが、アニメ版では既に知っているという設定になっている。


役回り

物語当初、父から和麻のことを聞かされた際は「誰それ?」と答え、認識すらしていなかった。地の文では「弱かった頃の和麻は、路傍にある石も同然」と説明されている。


コミカライズ版では「あたしだって、その場に居れば助けた」と告げているが、自発的に人助けを行っているシーンは皆無に近く、疑問に思った読者は少なくない(上述の通り、無関心を貫いた可能性が高い)。これらの点も相まって、「冷たい女」と評されることが多い。


一応ながら長編第2巻では操、第3巻では亜由美、第6巻では小雷を救っているが、いずれもなし崩し的。とりわけ亜由美に関しては「煉の初恋を後押しするため」、「石蕗家の人間たちが気に食わなかった」という完全なる私情であった。


操に関しては妖魔化してまで復讐に走ったことから滅殺寸前まで思い至ったものの、これは「和麻への逆恨みから無関係な一般人を殺した」という背景がある。後にミハイル・ハーレイの仕業と判明した際、「罪悪感に苦ませるくらいなら殺してあげた方がいい」と述べ、心情的には少なからず操に同情していた。結果的に「それでも生きていてほしい」という和麻の想いを汲み取り、助けることを選んだ。


小雷に関しては興味本位で動いていた節がある。


原作における最終巻では、自分と同レベルの才能を持ちながら悲惨な境遇にあった後輩・須藤響子と対決する。力では押されたが技術では上回り、後輩を説得することで改心させるなど人間的に大きく成長を果たしている。

……のだが、結局はそれが仇となって響子を死に追いやってしまう。助けたいと思った相手を助けられなかったことは、綾乃の心に傷を残したが決して忘れられない戒めともなった。


機嫌が悪い時はナンパされただけで学生鞄の一撃をお見舞いして黙らせるなどかなりの凶暴性を持つ。和麻に対するツッコミも炎雷覇で行うため、一歩間違えれば死んでもおかしくない(一発も当たらないが)。原作5巻で離反した和麻を止めるために戦うことになるのだが、本人は迷いを抱いたまま対峙することになる。というのも周囲の期待に流されるまま戦場に赴いてしまったからだ。しかし、今の和麻が「自分の知る和麻より弱い」と気づいたことで怒り、逆転勝利する。これは綾乃なりに和麻を心身ともに強い男として見ていたということだろう。


アニメ版ではまったく別の心情が描かれており、終始和麻を止めることに対しては積極的だった。反対した厳馬に次期宗主として命令を下している。以上の点から原作よりもキャラが立っている。


余談

受賞当初、原作者の山門は編集部から電話で「綾乃のキャラが立っていない」と指摘されている。


イラストでは赤髪だが、実は挿絵の描写では黒髪である。


関連タグ

風の聖痕 風のスティグマ 炎雷覇 藤村歩 ヒドイン ツンデレ 黒髪ロング


富士原なえか仮面のメイドガイの女主人公。校内でも指折りの美少女だが気が強い帯刀女子高生(2年生)で、身近な異性を嫌っているが実はツンデレなど共通点が多い。


擬宝珠纏こちら葛飾区亀有公園前派出所の登場人物。「主人公とは再従兄妹」「主人公と恋愛要素がある」「気が強く口より先に手が出る性格」「一族の中では地位の高い長女」など共通点が多い。


ソニア・ブランシュシャイニング・レゾナンスの女主人公。黒髪ロング。王国の姫騎士であり父王から伝説の剣を継承する。小説版ではプライド高く、助けてもらう立場にもかかわらず上げ足を取って噛みつくなど綾乃とよく似た性格をしている。

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