予告
残り3時間、最後まで地球を守ろうとするブライ
そして、それぞれの戦いを強いられる5人
急げ、ゴウシ、ダン!
ブライの命は君達に懸かっているのだ!
恐竜戦隊ジュウレンジャー『ブライ死す…』
前後のストーリー
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燃えよブライ! | 今回 | 甦れ!獣奏剣 |
概要
恐竜戦隊ジュウレンジャー第42話のサブタイトル。
追加戦士の初の殉職回となった。
話の流れ
ドーラガンサクとドラゴンシーザーの戦いの影響で重傷を負って気絶した耕太少年を抱え、病院へ連れて行くブライ。
程なくしてゲキが耕太の病室を訪れる。しかし……
「帰ってください!」
ブライ「お願いです。一目で良いですから、耕太君に会わせてください!お願いします!」
母親「帰ってください!お願いです…。帰ってください。あなた達のせいで、耕太はあんな事に…帰って!」
ブライが耕太の母親から面会謝絶されていた。その時、病床の耕太が「ブライお兄ちゃんは悪くないんだ。入れてあげて」と口を開く。ブライは病室に入ると、耕太に自身のダイノメダルを手渡す。
耕太「(息も絶え絶えに)ありがとう…、お兄ちゃん…。でも、楽しかった…。ドラゴンシーザーの、頭に乗れて…。また、乗りたいなぁ…。」
ブライは「君が元気になったらまた乗せてあげるよ」と約束するが、耕太は容態が急変。
(この時計が14時を指した時、俺は死ぬ…)と思い時計を見ると12時45分。その14時まであと1時間15分が迫っていた。ブライはゲキに「俺は生きてお前と一緒に暮らしたい」と告げると、ゲキは「ゴウシとダンが命の水を取りに行っている。そうしたら兄さんもあの子も助かるかもしれない」と話す。その話をしているうちに時計は13時を指し、ブライの命はあと1時間に迫る。
その頃、ゴウシとダンは命の水の壺を発見するが、壺を持っていた彫像が動き出し2人に襲い掛かる。変身できず生身で戦う2人であった。
ゲキとブライはドラゴンシーザーがドーラガンサクの化けた偽大獣神と戦っているビル街まで駆けつけると、ブライがドラゴンシーザーのコクピットに搭乗。ゲキ、ボーイ、メイの前にもグリフォーザーとゴーレム兵が現れ、3人は生身のまま戦う。
ドーラガンサクはドラゴンシーザーの攻撃を受け元の姿に戻ると、今度は剛龍神や守護獣ティラノザウルスに化け、反撃されては元の姿に戻った。
13時45分。ジュウレンジャーが生身で苦戦する中、耕太は懸命にドラゴンレンジャーのダイノメダルを握りしめる。
ゲキ「神よ、これで良いのか!? 俺達は懸命に戦っている!人の命を救うために!地球を守るために!それなのに、まだ俺達を試すつもりか!? 守護獣たちよ、現れてくれ!!」
ブライ「俺の命はどうなっても良い。でも…耕太君の命を、地球を救いたいんだ!」
その叫びが守護獣に通じたのだろうか、耕太の手の中のメダルが光り輝き、ブライはドラゴンレンジャーに変身する。ドラゴンレンジャーは最後の力を振り絞るかの様に大獣神の名を叫ぶと、地割れの中から大獣神が出現しゲキ達5人も変身する。そして残り時間1分というところで究極大獣神となり、ドーラガンサクを倒した。
その時、時計はちょうど14時を指し、ドラゴンレンジャーは苦しみ出すと姿を消した。
一方、マンモスレンジャーとトリケラレンジャーも彫像から壺を引き離すことには成功したが、壺は泉に落ちてしまった。
その時、壺を守っていた彫像が女神の姿になり、2人に「ドラゴンレンジャー・ブライの寿命は既に尽き去りました」と告げる。
女神は命の精霊クロトに姿を変える。そして…
クロト「ブライお兄ちゃんは、一度死んで蘇った戦士。これ以上私達神でも、どうする事もできないわ」
落胆するゴウシとダン。すると女神は命の水をゴウシの瓶に注ぎ、ブライの最後の願いとして「この水をあの子に飲ませなさい。ブライのメダルだけでは、あの子は助からない。その命の水で生き返り、ブライの魂は救われます」と言い姿を消す。
ゲキ、ボーイ、メイは砂浜に打ち上げられていたブライを発見し駆け寄る。
ブライ「俺は、幸せだった…。長い眠りから目を覚まし、短い時間だったが、弟のお前や、ジュウレンジャーの仲間たちと、一緒に戦えた事を…」
ゲキ「そんな事言わないでくれ、兄さん!今にも、ゴウシとダンが水を持って来る!だから…」
メイ「そうよ、諦めないで…!」
ブライ「いや、良いんだ…それより、その水が来たら、あの子に…、耕太君に、飲ませてやってくれ…!」
ここでブライはドラゴンレンジャーに、ゲキはティラノレンジャーに変身し、ドラゴンレンジャーは自身のドラゴンアーマーとレンジャーアームレット、そして獣奏剣をティラノレンジャーに託す。
「ゲキ…。最後まで、地球を守り、子供達を守ってくれ…、頼む…!」そう言うとブライは首を落とし息絶えた。その様子をクロトが見ていた。
クロト「お兄ちゃんの使命は終わったわ。さぁ、永遠の世界へ、旅立つのよ~!」
ブライの姿は消え、ボーイとメイが泣き崩れる中ゲキも兄から託された獣奏剣を手に泣き叫ぶ。
ゴウシとダンは耕太に命の水を飲ませ回復させるが、彼が握りしめていたメダルはブライの死と共に消滅した。
一方、ブライの魂はあの夢と同じように死神の人力車で運ばれる。停車場にはもう耕太の姿はなく、安堵の笑みを浮かべて永遠の世界へと旅立って行った。
ゲキは夕暮れの海に向かって「兄さん」と何度も叫び、獣奏剣を涙ながらに奏でるのであった…。
余談
- 『地球戦隊ファイブマン』第32話「学、死す!」、『鳥人戦隊ジェットマン』第18話「凱、死す!」に続き、サブタイトルに「死す」という語句が入っている。ただし前者は「一度は死亡したものの怪人の能力でなかったことに」し、後者は「この時は結局死ななかった(後々死亡するのはまた別のお話)」のに対し本話では文字通り落命してしまっている。
- 本話中(正味19分)ゲキが「兄さん」と言った回数は43回。命が尽きゆく兄をどれほど思っていたことか。