「この芸能界において嘘は武器だ」
作品情報
概要
集英社の漫画雑誌『週刊ヤングジャンプ』2020年21号(4月23日)に連載開始。同年6月11日からは同社の漫画アプリ『少年ジャンプ+』でも連載がスタート。ヤングジャンプ本誌から1週遅れて連載するという形を取っている。
原作担当は同誌で『かぐや様は告らせたい』を連載した赤坂アカ、作画担当は『クズの本懐』『レトルトパウチ!』を手掛けた横槍メンゴ。特に原作の赤坂はかぐや様との2作品同時週刊連載となった(現在は『かぐや様』は連載終了)。
主人公の医師が死後に前世の記憶を持ったまま、推していたアイドルの子供に生まれ変わる「転生もの」である。
「もし芸能人の子供に生まれていたら」「容姿やコネクションを生まれながらに持ち合わせていたら」そんな誰もが羨むような環境に生まれながら、何の因果か前世の記憶を持ち合わせる双子の視点から芸能界を描く。
物語は章仕立てになっていて、双子の幼年期を描く第1章、高校生に成長した双子が芸能科のある高校に入学する第2章…というようになっている。章は概ね単行本では巻ごとに分かれているため何処から読んでいるか判り易い構成となっている。
ファンタジー設定やアイドルを主軸としている事から、一見明るい作風に思われるが、実際の内容はかなりシリアスで陰惨。殺人サスペンス要素や現代社会を投影した展開、芸能界の闇などへ切り込むリアルさが本作の特徴である。
あらすじ
前世の記憶を持ったまま推しのアイドル星野アイの"子"に転生してしまった双子、アクアとルビー。容姿やコネクションを生まれながらに持ち合わせた彼らは、自然と芸能界に関わっていく。
やがて成長した双子は各々の思いを胸に芸能界に挑む。ルビーは母親のように輝くため、そしてアクアもまた母親への思いを胸にして芸能界に足を踏み入れる。
第一章
B小町の絶対的エース・「アイ」を主軸に描かれるストーリー。本作の序章にして、アクアやルビーたちの原点とも言える章。
第二章「芸能界」
遂に学校へ入学し、ルビーとアクアの芸能生活が始まる。有馬かなが本格的に物語に登場するのもこの章から。人気漫画作品の『今日はあまくちで』の実写ドラマ版が酷評を浴びる中、かなに抜擢されたアクアがひと肌脱いで…!?
第三章「リアリティーショー編」
この章では恋愛リアリティーショー番組『今日からガチ恋始めます』を中心に場面が展開する。黒川あかねやMEMちょと言ったメンバーがここから登場。ネットの炎上騒動などを取り扱ったネタが多く、誹謗中傷の恐ろしさが描かれている。
第四章「ファーストステージ編」
リアリティーショーとのあれこれでアクアやルビーとも接点ができアイドルに憧れのある新メンバー・MEMちょも参加したB小町が、遂にアイドルとして本格的なデビューを遂げる。かなの成長やルビーの活躍なども含めて人気も高い。
第五章「2.5次元舞台編」
大人気漫画作品『東京ブレイド』を巡った演劇が主軸となる章。あかねとかなの因縁やアクアの役者としての成長が描かれている。漫画の原作者と劇団の揉め事も描かれている。
単行本3巻分にまたがる長編。
舞台演劇をテーマにしている事から、「集英社的には『かつて原作者の不祥事で打ち切られた演劇漫画』のリベンジなのでは」と考える読者もいる。
第六章「プライベート編」
舞台版『東京ブレイド』での公演がひとまず幕を下ろし、アクアは自分が産まれた病院へと向かう。いわゆる箸休め的な位置付けではあるが、本章からアイドルとしての考えが一変するルビーや星野兄妹の父親の情報など、物語がよりシリアスへと傾いていく。
第七章「中堅編」
以前から良くも悪くも様変わりしたルビーの躍進から、アイドルとしての立場が大きくなったB小町。続くアクアも人気番組『深掘れワンチャン!』のツッコミ役として徐々に知名度を上げていた。この章ではコスプレ業界が主にクローズアップされており、ルビーが事実上の主役。
第八章(※)「スキャンダル編」
ルビーの機転により大人気アイドルの仲間入りを果たしたB小町だが、かなは自分たちの実力と言うよりルビー本人の才能に頼りきりで役者仕事も集まらないことに複雑な感情を抱えていた。アクアとの関係も上手くいかず精神的に追い詰められていた彼女は、売れっ子の映画監督とパイプを作ろうと模索するが…。
本章は本作でも一際デリケートなスキャンダルに関する話題が多くストーリーもかなり陰惨なため、良くも悪くも読者によって受ける印象が異なり強く賛否を分けた。
(※)ヤングジャンプ本誌掲載時や単行本では「第七章」と書かれているが、一応下記の映画編は九章とされているため単にミスと思われる。
第九章「映画編」
あかね経由で遂に自分の父親の尻尾を掴んだアクアは、復讐を果たすため計画を進める。また、五反田監督もかつてアイたちを主役に進めていた映画企画を再始動させ…?
登場人物
→推しの子の登場人物を参照。
アニメ
2022年6月10日、公式サイトが開設されると共にアニメ化が発表された。
2023年4月から6月にかけてTOKYO MXやAT-Xなど全18局で放送された。AT-X以外のネット局は水曜深夜に統一されている。また、TOKYO MXでの放送と同時にABEMAで最速配信が行われた。
第1話は放送時間が90分に拡大され、放送に先駆けて3月17日から全国の劇場にて第1話を『【推しの子】Mother and Children』のタイトルで先行上映された。
全11話で、「2.5次元舞台編」の冒頭までを描いている。
6月28日の最終回放送後、第2期の制作が決定した。
主題歌
オープニング
エンディング
スタッフ
タグ検索について
この作品の正式名称は【推しの子】であるが、【】を取った推しの子タグで投稿された作品の方が多い。完全一致検索をしない限り後者で検索しても前者のタグがついた作品も表示されるため、検索の際は「推しの子」での検索を推奨する。
なお、Twitter上では大喜利のお題として「推しの子について簡単に解説してください」(一例)と出したところ、実在アイドルや歌い手などの自分の推しを解説するツイート(推しという点では間違っていないが、作品解説という意味では間違い)が集まってしまい、思わぬ箇所で『バズる』事になった事例もあるため、pixiv外ではマイナス検索の必要がある事に留意されたし。
関連イラスト
関連動画
関連タグ
個別 | 赤坂アカ 横槍メンゴ 週刊ヤングジャンプ 少年ジャンプ+ |
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カテゴリー | 芸能界 アイドル 転生 サスペンス |
評価タグ | 推しの子100users入り 推しの子500users入り 推しの子1000users入り 推しの子5000users入り 推しの子10000users入り 推しの子50000users入り |
二次創作 | 推しの子パロ |
カップリング | 推しの子のカップリングタグ一覧 |
関連・類似作品
- かぐや様は告らせたい:同作者の前作。とある劇中漫画の存在から同一世界の話であることが示唆されている。そのためか一部読者からは「カメオ出演されるのか?」の声がちらほら。→アイ様は推されたい
- 恋愛代行:同作者の次作。第一話にて今作のあるキャラの名前が出ており、かぐや様と同様同一世界の話であることが示唆されている。
- 久保さんは僕を許さない:ヤングジャンプとジャンプ+で平行連載された作品繋がり。ついでにアニメの放送時期や映像レーベルも同一。
- 刀鍛冶の里編:同じジャンプ作品「鬼滅の刃」の長編の一つ。同時期に初回拡大版が劇場で先行上映された点で共通する。→推しの刃
- 私に天使が舞い降りた!:監督や制作会社のほか映像レーベルに加えて一部ネット局、さらにはメインキャラに同じ名字を名乗る人物がいるという共通点がある。
- カッコウの許嫁:系統は異なるが公式コラボを果たした。ついでに映像レーベルや主題歌制作も同一。→推しのカッコウ
- さよならミニスカート:同じくジャンプ+でも平行連載された、人気アイドルグループのセンターであるヒロインに起こる悲劇を描いた漫画作品。ただしこちらのヒロインはある事件の後、芸能界を引退して以降は男装をするようになった。
- アイドルマスターシャイニーカラーズ:同シリーズとしては珍しくやらせや出来レースといった「アイドル業界の裏の部分」を度々イベント化したり、「人気絶頂の中若くして引退したアイドル」が登場するなどの共通点だからか、またも公式コラボを果たしている。→推しM@S
- BanG Dream! It's MyGO!!!!!:後時期に放送開始されたアニメで、一部ネット局に加えて初回放送が90分という共通点がある。→推しドリ!
- WHITEALBUM:20世紀末にleafがリリースしたアダルトゲームで、本作同様アイドル歌手のヒロインとドロドロとした物語が展開されている。
- ポップコーンブギ:80年代前半期に少年ビッグコミックで連載された男性アイドルトリオと裏方のプロフェッショナル達の活躍を描いた芸能ドタバタコメディ漫画。
- TO-Y / 星くずパラダイス:いずれもバブル期の少年サンデーに連載された芸能漫画。前者は短命ミュージシャンの活躍を描いている。
- がんばれ元気:志半ばにして逝ったボクサーだった父親の意志を受け継ぎ、自らボクサーを目指す少年の物語で、同じ親の後を継ぐ繋がり。本作と同様に重い話であるが、内容が清正としているのは対照的である。
- 代紋TAKE2:鉄砲玉として死んだチンピラが転生し、当初は前世の知識を利用し、中盤以降は自らの力で最強の極道を目指す転生もの繋がり。ただし、主人公は前世の「命日」を回避しようとするが…。
- 仮面ライダーギーツ:同時期の特撮ドラマ。「推しに関連した話」「前世の記憶を残した形で主人公が本当の真実を見つけていく」等の共通点を持つ。なお脚本家は先述した「久保さん」を書き上げた方である。→推しのライダー