概要
文字通り「※ただしイケメンに限る」と表現したくなるような言動や状況など。詳しい用例は後述する。
「※ただイケ」と省略されることもある。
極限にまで省略すると「※」となる。場所によってはこれだけで意味が通じる。
同じような内容を綴った随筆などは歴史上さまざま存在するが、このような短い定型文となったのは2ちゃんねるが発祥と見られており、現在でも匿名掲示板で多く確認できる。
ルッキズムの一種とも言えるが、「※ただイケ」が多くの場合(現実ではなくフィクションをベースにした)自虐や仲間内でのジョークとして用いられることが多い。どちらにせよ、他者に対し使う際は十分配慮すること。
古典における「※ただしイケメンに限る」
古典における代表例として、『枕草子』には、まさに「※ただしイケメンに限る」というような一節がある。
「説経の講師は、顔よき。講師の顔をつとまもらへたるこそ、その説くことのたふとさもおぼゆれ。ひが目しつれば、ふと忘るるに、にくげなるは、罪や得らむとおぼゆ。(『枕草子』三十三の段の冒頭を抜粋)」
これを簡単に口語訳すると
「説経をする講師(僧)の顔はイケメンに限る。イケメン講師の顔に見惚れながら話を聴くと、内容の深さもよくわかる。目を逸らしてると頭にも入ってこないから、(顔を見る気にもならない)ブサイクの話を聞くのはむしろ仏罰があたりそう。」
というような意味になる。イケメンはじっくり内容を噛み締めながら聞いてもらえるのに、ブサイクはまともに聞いてもらえない……ということである。
『枕草子』と同じ時代の『源氏物語』では、イケメン主人公光源氏が年齢や身分を問わずありとあらゆる女に手を出しまくり、すさまじい大恋愛を繰り広げる様子が綴られているが、これもある意味イケメン(かつ家柄がいい)からこそ成り立つもの。
ただし源氏物語が真に評価されている点の1つは実のところ光源氏の傲りと暴走が回りまわって本人に跳ね返り、自分の生き方への後悔を抱えながら死を迎える様が緻密な筆致で描かれていることにある。「光源氏は※ただイケの物語!」というのは本当はそうでもない面もあることを踏まえたジョークかもしれないことは覚えておこう
実際は?
時と場合による。
「顔が整っていようが不愉快な行動には悪印象を受ける」「女性よりも、むしろ男性の方が容姿・外見重視で判断している」「そもそも容姿の好悪は、顔の造形よりも表情の豊かさで決まる」と言った複数の研究結果が存在する。
心理学、社会学など様々な観点からは、間違いであると言う事が実証されているのである。
ただし、イケメン無罪の記事でも記述されているが、凶悪な犯罪者をイケメンという理由で持て囃す実例が存在しているので、一概に間違いとは言えない。
現代では、見た目が魅力的ではないことなどを理由とした差別をルッキズムというようになった。
この言葉もそういうルッキズムから生まれたのかもしれない。
余談
女性向けでは
イケメンさえ出せば女性人気が出るなら、打ち切り漫画と言うものは存在しない。
少女漫画は過去にダサピンク現象を起こしていて(ネット開通後、萌えブーム時代が顕著)、女性主人公とイケメンの素敵な恋愛を描いていたはずなのに、俺様嫌いの女性、痴漢嫌いの女性、フェミニズムを支持する女性には強い反感を持たれていた。
正確には、痴漢や暴漢に相当する人物はイケメンの皮を被せても絵的にイケメンもとい人間に見えなくなるという矛盾が絵に出た結果であり、嫌われ者がイケメンだった程度で許す女主人公及びそれに自己投影する読者の性格ブスさも表していた。
女性が彼氏として付き合う分には嫌だが、第三者視点で傍観するだとか、病み方が自分と似ていて共感できるとか、アイドルとして見る分には面白いイケメンも存在し、腐向け作品のイケメンはそのタイプが多いらしい。
関連イラスト
関連タグ
いとうみきお…『ただしイケメンに限る』というタイトルの漫画を執筆している。